1. TOP メニュー
  2. テクニックに効く
  3. 左腕を伸ばしたままバックスイング。カッコいいけど捻転が浅くなってない?【勝又優美・アマチュアの悩み解決】

左腕を伸ばしたままバックスイング。カッコいいけど捻転が浅くなってない?【勝又優美・アマチュアの悩み解決】

JLPGAティーチングプロ・勝又優美が解決してきた「生徒さんから相談が多いゴルフの悩み」Case.16

2024/04/30 ゴルフサプリ編集部

勝又優美

やさしくてわかりやすい指導で安定した人気を誇る勝又優美プロが、これまでに多く相談されてきたアマチュアのお悩みを披露。その原因と解決策を教えるシリーズ。今回からは体が硬いと思い込んでいる人、および本当に体が硬いによくあるお悩みを紹介し、その解決策を探る。心あたりがある人はもちろん、あまりない人にも参考になる内容なのでチェックしていただきたい。
写真/相田克己

左腕がピンと伸びて力が入っているとクラブが上がりきらない

今回紹介するのはゴルフ歴10年の44歳・Hさんの例です。ご本人いわく「若い頃から体が硬くてバックスイングでクラブが上がりきらない」とのことでした。さっそくスイングを拝見すると、コックを使わない、いわゆるノーコックスタイルでバックスイングされてました。

このスタイルの場合、バックスイングから切り返すタイミングでオートマチックにコッキングが入る人もいらっしゃいますが、Hさんはそうならず終始ノーコックでした。はじめはコックしないぶんクラブの運動量が少なく、バックスイングが浅めに感じているのかと思いましたが、原因は別のところにありました。

ポイントは左腕。バックスイングを見るとずっと左腕が伸びています。「スイングアークを大きくするために、意識して左ヒジを曲げないようにしています」とHさんはおっしゃいますが、実はバックスイングが上がらない原因はここにあったのです。

左腕がピンと張ると力が入って腕がねじれない。コックも入らないため途中までしかクラブが上がらない
左腕がピンと張ると力が入って腕がねじれない。コックも入らないため途中までしかクラブが上がらない

というのも、Hさんの左腕は“伸ばしている”と言うより“突っ張っている”といった方が適切なくらい。ご本人的にも結構頑張っていて、努めてピンと伸ばし続けておられたのです。こうすると腕に力が入って硬くなります。本来スイングでは、バックスイング時に腕がねじれます。ハーフウェーバックくらいまではそれほどねじれなくても、そこから先は前腕がねじれます。さらに手首がコッキングすることでクラブの運動量が大きくなりオーソドックスなポジションにトップが収まるのです。

左腕から力が抜けていると、バックスイングで左前腕が内側にねじれてクラブの運動量が増え、本来のトップの位置に収まる
左腕から力が抜けていると、バックスイングで左前腕が内側にねじれてクラブの運動量が増え、本来のトップの位置に収まる
トップ

グリッププレッシャーを緩め左前腕を回内させながらバックスイング

Hさんは「左腕をピンと伸ばしている」ということでしたので左腕で説明すると、バックスイングの途中からは左前腕部分が内側にねじれる“回内”と呼ばれる動きが入ります。“左腕を伸ばして打ちましょう”とよくいわれますが、伸ばしすぎるとねじれなくなり、クラブが途中までしか上がらないというわけです。

Hさんは左腕をピンと伸ばすと同時にグリップをギュッと握っていました。左腕を張ると必然的にグリッププレッシャーが強くなりますが、これも腕が硬くなる原因でした。プレッシャーを緩めると前腕のねじれが生まれコックも入ってきます。バックスイングをスタートしたあと積極的に腕をねじっていくことでレイドオフっぽいトップになります。

みぞおちあたりの高さにクラブがくるように構えて、腕のねじれがない場合とある場合を比べると違いが一目瞭然。左腕が張っていると回れない
みぞおちあたりの高さにクラブがくるように構えて、腕のねじれがない場合とある場合を比べると違いが一目瞭然。左腕が張っていると回れない

ということで、Hさんには左前腕の回内を意識していただきました。バックスイングで左腕をシャフトと同じ方向に連動してねじるようにしていただいたところ、クラブの運動量が増えレイドオフに近いトップになりました。つまり、Hさんは体が硬くてクラブが上がらなかったのではなく、ピンと張った左腕がブレーキになっていたのです。

ドリルとしてはシンプルに、左腕に腕時計をしてスイングすることをおすすめしました。これまでのように左腕を伸ばしているとバックスイングで文字盤が見えませんが、左腕を正しくねじれると文字盤が見えます。バックスイングでは左ヒジが曲がっても構いません。伸ばしてねじれないよりは、柔らかく使ってねじった方がずっと効果的ですからね。

腕時計をはめてバックスイング。文字盤が見えれば正しく腕がねじれている。なじれていないと文字盤は見えない
腕時計をはめてバックスイング。文字盤が見えれば正しく腕がねじれている。なじれていないと文字盤は見えない
勝又優美

勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。


JLPGAティーチングプロ・勝又優美が解決してきた「生徒さんから相談が多いゴルフの悩み」

 シリーズ一覧へ

超簡単!飛距離がもっと伸びるヒジとヒザの使い方|「1軸打法」のススメ!

ドライバーの飛距離アップを目指すなら、ハードな筋トレを積んでパワーをつけないと無理。あなたがもしそう思い込んでいたと...

あわせて読みたい

ピンまで150ヤード。ヘッドスピード40m/s前後のゴルファーが7番アイアンで乗らないのはなぜ?

毎年たくさんの新しいギアがデビューするゴルフマーケットで自分に合った一品を選ぶのは至難の業。噂に流され手を出したら大...

あわせて読みたい

5番アイアンはヘッドスピード40m/sで180ヤード飛ぶのか? アイアンが飛ぶとゴルフはやさしくなる?

オグさんです! 今回は、アマチュアに多いヘッドスピード40m/sぐらいのゴルファーが5番アイアンで180ヤードは打てるのか? ...

あわせて読みたい