左腕がピンと伸びて力が入っているとクラブが上がりきらない
今回紹介するのはゴルフ歴10年の44歳・Hさんの例です。ご本人いわく「若い頃から体が硬くてバックスイングでクラブが上がりきらない」とのことでした。さっそくスイングを拝見すると、コックを使わない、いわゆるノーコックスタイルでバックスイングされてました。
このスタイルの場合、バックスイングから切り返すタイミングでオートマチックにコッキングが入る人もいらっしゃいますが、Hさんはそうならず終始ノーコックでした。はじめはコックしないぶんクラブの運動量が少なく、バックスイングが浅めに感じているのかと思いましたが、原因は別のところにありました。
ポイントは左腕。バックスイングを見るとずっと左腕が伸びています。「スイングアークを大きくするために、意識して左ヒジを曲げないようにしています」とHさんはおっしゃいますが、実はバックスイングが上がらない原因はここにあったのです。
というのも、Hさんの左腕は“伸ばしている”と言うより“突っ張っている”といった方が適切なくらい。ご本人的にも結構頑張っていて、努めてピンと伸ばし続けておられたのです。こうすると腕に力が入って硬くなります。本来スイングでは、バックスイング時に腕がねじれます。ハーフウェーバックくらいまではそれほどねじれなくても、そこから先は前腕がねじれます。さらに手首がコッキングすることでクラブの運動量が大きくなりオーソドックスなポジションにトップが収まるのです。
グリッププレッシャーを緩め左前腕を回内させながらバックスイング
Hさんは「左腕をピンと伸ばしている」ということでしたので左腕で説明すると、バックスイングの途中からは左前腕部分が内側にねじれる“回内”と呼ばれる動きが入ります。“左腕を伸ばして打ちましょう”とよくいわれますが、伸ばしすぎるとねじれなくなり、クラブが途中までしか上がらないというわけです。
Hさんは左腕をピンと伸ばすと同時にグリップをギュッと握っていました。左腕を張ると必然的にグリッププレッシャーが強くなりますが、これも腕が硬くなる原因でした。プレッシャーを緩めると前腕のねじれが生まれコックも入ってきます。バックスイングをスタートしたあと積極的に腕をねじっていくことでレイドオフっぽいトップになります。
ということで、Hさんには左前腕の回内を意識していただきました。バックスイングで左腕をシャフトと同じ方向に連動してねじるようにしていただいたところ、クラブの運動量が増えレイドオフに近いトップになりました。つまり、Hさんは体が硬くてクラブが上がらなかったのではなく、ピンと張った左腕がブレーキになっていたのです。
ドリルとしてはシンプルに、左腕に腕時計をしてスイングすることをおすすめしました。これまでのように左腕を伸ばしているとバックスイングで文字盤が見えませんが、左腕を正しくねじれると文字盤が見えます。バックスイングでは左ヒジが曲がっても構いません。伸ばしてねじれないよりは、柔らかく使ってねじった方がずっと効果的ですからね。
勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。







