カップまで1mのパットのストローク。軌道は「直線」? それとも「曲線」?
パッティングストロークの正体は傾斜付き振り子運動だった|清永教授からの挑戦状 Vol.5
パッティングは振り子運動を選択する方が合理的
標準(自然)型
ハンドダウン型
ハンドアップ型
ライ角があることを理解し「要を中心として傾斜付き振り子運動」を行えば、ヘッドは勝手に半径が一定の円運動となる。推奨するのは首根っ子(解剖学的には第7頸椎=隆椎:首の後方で突起している部分)を要とする方法。小手先の細工が効きにくくなり、結果、ストロークが安定する。
イップスを避けるため覚えておきたいこと
GT 先生、おめでとうございます! KKT杯バンテリンレディスで優勝した竹田麗央プロ、ジュニア時代から指導なさっていたとか。
清永 ありがとうございます! ポテンシャル的にはもっと早く勝ってもいい逸材、やっと壁を乗り越えてくれました。麗央プロには、この連載の内容ほど詳しく丁寧に教えていないのですが、それなのに今の女子ツアーで優勝できるというのは彼女の持って生まれた才能でしょう。
GT なんと続くフジサンケイレディスでも優勝、連載を楽しみにしている読者にも励みになります。
清永 私たちも続かなければなりませんよ。では今号の問題です!「1mのパットでストロークの軌道は直線ですか? 曲線ですか?」。
GT 米ツアーのトッププロを見るとグリーンにラインを引いて練習しています。直線だと思います。
清永 まずパッティングのストローク方法は3つに分類されます。今主流でもあるスッと構えてスッと打つスタイルは「標準型」、ヒールを浮かせてアップライトに構えるものを「ハンドアップ型」、いまはほとんど見られませんが青木功プロのようなハンドダウンに構え、手首を中心にストロークするのを「ハンドダウン型」としましょう。
GT 3種類ですが選手によってはクロスハンドにしたり、前傾が深かったり……。
清永 そう、細かくいえばキリがない。だからストロークの半径は個人毎に異なります!
GT でも「入るパッティング」には共通項があることを学びました。おさらいにもなりますが「1mでのカップ内許容幅は65㎜」なので、「打ち出し角度が5・61度以内」であればカップインするのですよね?
清永 その通り。この連載ではたびたび、パターのフェース側中心点の動きを「ストローク線」としています。この「ストローク線」は決して直線ではなく、円軌跡なのです!
GT え? ショートパットは真っすぐ引いて、真っすぐ打ってるではないですか?
清永 身長の高い人や長尺パターの使用者は低身長の人や短いパターの人よりも半径の大きな円軌跡なので直線に近く見えるだけのことです。
GT 見えたり感じたりしても決して直線ではないと。
清永 はい。怖いのはストローク線を直線だと思い込んで、練習するゴルファーです。努力をすればするほど時間と共に自己不信に至り、結局「イップスという病」に罹患される方が後を絶ちません。根本的な思考段階でミスをしていることを認め受け入れない限り、治療修正が困難になります。真っすぐ真っすぐばかり練習しているアナタ! 危険です!
GT ほかに大事なことは?
清永 ストローク線それ自体がアウトサイドインでもインサイドアウトでも、「インパクト点を中心として後方側と前方側の40㎝地点の間隔領域」だけが【中心線に対してアウトサイド】や【中心線に対してインサイド】だということを理解してください。アウトサイドインの場合、後方側では、目標線からアウトサイド領域の最大幅(20㎝地点辺り)は僅か1㎝前後しかでていないのです。
ボールがカップインするには3つの組み合わせがある
スクエアフェース+アウトサイドイン
スクエアフェース+イントゥイン
スクエアフェース+インサイドアウト
*インパクト時には必要条件として、フェース面がスクエアであることとスイートエリア(快芯帯)で当たることの前提があった上で、上図の3本ストローク線の範囲が許容される。
解説/清永 明
福岡大学名誉教授。大学時代は九州学生選手権を3連覇。医師でありながらゴルフにまつわる現象を物理の目で分析。1メートルのパットが90%の確率で入るヨネックスの「トライプリンシプルパター」の設計者としても有名。
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