タメのあるダウンスイングは『左手3本指』でできる!?ギュッと握っちゃダメですよ【勝又優美・アマチュアの悩み解決】
JLPGAティーチングプロ・勝又優美が解決してきた「生徒さんから相談が多いゴルフの悩み」Case.19
やさしくてわかりやすい指導で安定した人気を誇る勝又優美プロが、これまでに多く相談されてきたアマチュアのお悩みを披露。その原因と解決策を教えるシリーズ。今回からは体が硬いと思い込んでいる人、および本当に体が硬いによくあるお悩みを紹介し、その解決策を探る。心あたりがある人はもちろん、あまりない人にも参考になる内容なのでチェックしていただきたい。
写真/ゴルフサプリ編集部
スイングがアウトサイドインになるのはダウンスイングで右手をギュッと握るから
今回ご紹介させていただくのは、キャリア13年で40歳のDさんのケースです。Dさんのアベレージは95前後で、ドライバーのヘッドスピードは42m/s。ドライバーが当たるとキャリーで230ヤードくらい飛ぶそうですが、大抵はスライスで、たまにボールがつかまるとヒッカケ気味に左に飛んでしまう、アマチュアの方に多く見られるパターンです。
ショットを拝見したところ、ほとんどがスライス。スイング軌道は明らかなアウトサイドインで、インパクト時のフェースの向きによって飛び出し方向が変わります。右向きならプルスライス、スクエアなら真っすぐ飛び出してスライス、左向きならヒッカケ気味です。ヒッカケると左に真っすぐ出るのでコースではコワい球になります。ご本人いわく「手首を軟らかく使えないのでフェースの向きをコントロールできない」とのこと。体が硬いわけではありませんが、Dさんのように考えている方も多いと思い、あえて紹介させていただきました。
Dさんのスライスはアウトサイドインのスイング軌道が原因ですが、こうなるのは手首が硬いからではなく、右手の力の入り方に問題があったから。ダウンスイングで、右手全部でクラブを握っていたのです。ダウンスイングでは手首がコックされたまま下りてくるのが正しいスタイルですが、右手をギュッと握ってしまうとこうなりません。手首の角度が解けて右ワキが空くためクラブが外から下りてしまう。右腕の捻れが解けてしまうのがアウトサイドインの原因なのです。
「ファイブフィンガーグリップ」で振ればタメができてクラブがインから下りる
ということで、Dさんには手の力の入りどころを理解していただきました。結論から言うと、右手は親指と人さし指の2本でクラブを摘むような感じで持ち、左手は中指、薬指、小指のいわゆる3本指で持っていただく。こうしておき、ダウンスイングでは左手の3本指で握りながらクラブを引っ張ってくるようにしてもらいました。
右手は親指と人さし指だけで持つ感じになっていますから力が入りません。その結果、両手でグリップを絞りながら下ろす格好になって手首の角度が解けなくなります。ダウンスイングで右手の右手の中指、薬指、小指をギュッと握るのをやめるだけで、いわゆるタメができてクラブが外から下りるのを防げるのです。クラブは右手で下ろさず、両手を絞る力で下ろす感じですね。人によっては右手を意識するだけで直る場合もあります。
ドリルとしては、左手の3本指と右手の2本指だけでクラブを持って打つ、そのものズバリの「ファイブフィンガーグリップドリル」が効果的。このグリップで実際にボールを打ってください。手をギュッと握らないことで自然とクラブが外から下りなくなり、ヘッドも走ることを実感できると思います。
勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。
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