背伸びして大きい番手のFWを使っても、メリットは少ない

ロフト15度の3Wで地面にあるボールを打つときに、ドライバーより遅いHSでドライバーより高く打ち出すには、ミート率はもとよりHSが必要になります。しかも、弾道を高く上げていくにはスピン量がいるので、スピンが少ないタイプのFWだと球が上がる要素がありません。今の女子プロは、ドライバーのHSが42~43m/sくらいありますが、その上でヘッドを適正に入れて球を上げています。
実際のところ、ロフトが1度違っても、飛距離にすると変わって4~5ヤードくらい。FWの番手間は3度ピッチでできているので、1番手で違っても15ヤードくらいしか距離の差はありません。

5Wで+10ヤードを求めるか? 7Wで次につなげるか?

アマチュアが、その15ヤードを求めて長いクラブを持ってミスするのと、ロフトが寝た短めのクラブでそこそこ当たるのと、10球を打った平均値はどっちのほうがいいでしょうか? ロフトが寝ている小さいほうの番手だと思います。
3打目で長い距離を残したくないから、2打目は7Wではなく5Wで打ちたいと考えるかもしれません。でも、そこで7Wよりも10ヤード前に飛んだとして、ゼッタイにグリーンに乗るでしょうか? “ゼッタイ”ではないですよね。それならば、短いほうの7Wで打って次につなげていったほうが、スコアは安定するんじゃないでしょうか。

ラウンド中に“チャレンジ”はしたほうがいいです。でも、グリーンの周りまで行って寄せワンのチャンスがあり、あわよくばグリーンに乗る可能性もある、というような何らかのご褒美があるときは“チャレンジ”をしたほうがいいでしょう。でも、3打目の距離が10ヤード短くなることだけで“チャレンジ”をすべきか? 私は疑問が残ります。

“上”よりも“下”を充実させたほうが、スコアを作りやすい

これは“マネジメントとクラブセッティング”というテーマになってきますが、3打目が30ヤード残るのか? 40ヤード残るのか? で悩むのならば「むしろ(ウェッジでフルショットできる)70ヤードを残したほうがいいじゃん」という話になってきます。
それならば「80ヤード以内に行ったら大丈夫」と自信が持てるように、ウェッジを充実させたほうがよっぽどスコアメークにつながるでしょう。ウェッジを4度ピッチで入れて、10ヤード刻みで打てるようにしておいたほうが賢明です。クラブセッティングを見たときに“上”がスカスカで“下”が厚いと「この人はラウンドしてるな」「ゴルフが上手いな」って思います。

21度のロフト帯が、ロングゲームを攻略するカギになる

アマチュアがFW一本にするなら「“やさしい5W”がいいか? “飛ぶ7W”がいいか?」という話になってきます。5Wは42.5インチくらい、7Wは42インチくらいですが、42インチくらいの長さだと安心感が出てくるんじゃないでしょうか。
例えば、180㍎前後を確実に飛ばせるクラブを作ろうと思ったら、7WやUTの21度とかが選択肢に。「21度のロフト帯で打ちやすいクラブ」がキーワードになるはずです。それがFWなのか、UT(アイアン型、ウッド型)なのか、アイアンなのか、その人が求める弾道でクラブを選んでもらいたいですね。

ちなみに「つかまりやすい」と言われるFWは、もともとがスライサーでフェースが開いて当たる人は球がつかまっていいでしょう。でも球がつかまるということは、インパクトでフェースがかぶりやすくなる。するとロフトが立つことになるので、球の高さが抑えられるということも覚えておきましょう。

鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。