いい時もあれば悪い時もある。結果に波があるならスイングに問題あり

ドライバーが当たらないこと、ありますよね。そんな時、必ず考えるのが「スイングが悪いのか、クラブが悪いのか」。いわゆる“どっちが悪いか問題”です。ビギナーならスイングが悪い場合が圧倒的に多いですが、ある程度キャリアがあるアベレージゴルファーだと簡単にはわかりません。そこで今回は、スイングとクラブ、どちらが悪いのかを見極めるポイントについてお話しします。

言うまでもなくスイングには波があります。いい時もあれば、悪い時もある。長期的に見ても、1ラウンド単位で見ても、必ず波はやってきます。もし、満足いく時も、いかない時もあるのなら、それはスイングに原因がある可能性が高い。悪いのはスイングで、ドライバーが合っていないわけではないので、満足いく時のショットをできるだけ繰り返せるようにスイングを磨くべきです。やがてスイングがよくなるとクラブの方が合わなくなるかもしれませんが、それはまた別の問題です。

一方、クラブには波がありません。物体ですから当然です。ですから、合っていないクラブは、過去はもちろん、未来永劫ずっと合わないままです。ずっと当たらないままだったり、振っていて気持ちが悪いとか、ずっと調子が悪いなど、上昇気配がなければドライバーがミスマッチである可能性が高いです。つまり、波はあってしかるべき。人間ですからね。もっと言えば、波はなくちゃいけない。波がなくて思ったような結果が伴わない場合は、十中八九クラブが足を引っ張っています。

クラブが合っていない症状として一番わかりやすいのは「当たるけれど飛ばない」です。芯に当たっている感じがあり、打った感じは悪くないのに思ったほど飛んでない。暖簾に腕押しじゃないけれど、手応えがない。ある程度やっているゴルファーなら、いいスイングができた時にはいい感覚があるはず。その感覚があったのに思ったほど飛んでいないならドライバーに原因があるということです。

ただ、スイングの調子が悪い時は、クラブが合っていようが、いまいがミスショットになりますから、クラブとの相性を判断する基準にはなりません。ですから、調子が悪い時にクラブを替えちゃダメ。調子がいいからこそ差が顕著に出るので、調子がいい時にどれだけいいパフォーマンスができるかを見て判断しなければいけません。

コンスタントに練習して3ヵ月経ってもダメならクラブが合ってない

中には、なかなかクラブチェンジに踏み切れない人もいるでしょう。「そのうち当たるようになる気がする」とか「スイングが悪い」と思い込んでいる人たちです。そんな人で、なおかつコンスタントに練習しているなら3ヵ月を目安にしてください。3ヵ月経っても浮上できなければ何らかの手を打った方がいいです。また、ゴルフを1シーズンやると、いい時と悪い時を1セットにした場合、それが2セットくらい巡ってきます。それがなく悪いままでも、3ヵ月と同様ミスマッチは確定です。

クラブが合わないというのは、ざっくり言えばオーバースペックかアンダースペックかです。オーバースペックだと基本的にシャフトのしなりを感じられず、金属の棒を振っているような感じになります。これは、シャフトが硬い、トルクが強すぎる、重い、キックポイントが合っていない、などが原因です。オーバースペックだとボールが上がりません。シャフトがしならないぶんロフトが寝なくなるため、低弾道、低スピンで早く地面に着弾して飛ばない。これが一番多いパターンです。弱い球で右に飛ぶこともよくあります。

アンダースペックの場合はヘッドが動きすぎます。シャフトのしなりや捻れが大きくなりすぎてヘッドが暴れ、操作している感覚が得られません。そのままだと当たりませんから、ボールに合わせに行くスイングになる。心あたりがあればアンダースペックを疑いましょう。わかりやすい症状は、ボールが高く上がりすぎて飛ばない、あるいは打ち出しから左右に出るパターン。芯を食っているのに右にスッポ抜けるのはアンダースペックの症状です。ドラコン選手がレディスのクラブを使ったら右にポーンと飛びます。ヘッドが下りてくるのを待ってあげないと、まともに当たらない。つまり、合わせないと打てないわけで、これではドラコン選手といえどもお手上げです。

アンダースペックのクラブをずっと打ち続ける、例えば20~30球打っていると、ヘッドスピードが落ちてきます。ボールに合わせるスイングになるからです。反対にオーバースペックのクラブを同じくらい打っていると、ヘッドスピードが速くなります。こちらはムチャ振りするからです。「無理に振ってるな」と思ったらオーバースペック、「合わせに行ってるな」と感じたらアンダースペックの傾向があると思ってください。

クラブが合っていない=シャフトが合っていない

ゴルフクラブの一番の発明は、シャフトのしなりとしなり返りで飛ばすことだと僕は思っています。だから、いかにシャフトを使いこなせるかがポイント。シャフトが合っていない=クラブが合っていないと言ってもいいので、シャフトを入れ替えてみてもいいでしょう。例えばふとん叩きやハエ叩きなど、モノをしならせて力を産む行為は昔から生活の中にあります。ボールを投げる時は腕がシャフトの役割をしています。つまり、みんなシャフトを使いこなす能力を持っているわけで、それが感じられないのは絶対にオーバースペックなんです。

正直、ヘッドはあまり関係ありません。容量が決まっているのでメーカーも違いを出すのが難しい。違いがあるのは素材やテクノロジーですが、それはほぼ好みの問題。例えば素材は打感に反映されますし、テクノロジーは違っても、やさしい方向に舵をきっていますから、ヘッドが違ってもそれほど違わないのです。

違いが出るとすればロフトで、立っているか寝ているか。前者は難しく後者はやさしいと言えます。立っていれば上がらないから自分で打っていかなければいけない。スピン量も少ないのでお辞儀するような当たりになりやすいのです。ロフト角で言うと、お辞儀する弾道なら立ちすぎ、吹き上がるなら寝すぎです。

アマチュアの方の平均的なヘッドスピード、40m/s前後ならヘッドよりシャフト。飛距離で言えば、誰でも250ヤードは飛ばせると思います。30m/s台後半のヘッドスピードでもイケると思います。ただし、そこまでくるとクラブではなくスイングが大きく影響してきます。「250ヤード飛ぶこともあるけれど、230ヤードの時もある」は明らかに波ですからね。中でも大事なのはミート率。飛ばしで大事なのはボール初速ですから、どれだけ芯を食うかがポイント。いくらヘッドスピードが速くても、ミート率が低ければ飛びません。それなのに、アマチュアゴルファーはヘッドスピードに固執します。本来やるべきなのは、ミート率が最高になるヘッドスピードを見つけること。僕は“マイピークポイント”と呼んでいますが、これについてはまたの機会にお話ししたいと思います。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・表参道の「表参道ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。


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