じつは太いグリップのほうがヘッドが動きやすい!? クラブ14本、グリップの考え方
【ダグ三瓶・クラブ選びの超知識】
クラブ選びのスペシャリスト・ダグ三瓶(みかめ)がアマチュアゴルファーへアドバイスをおくるコーナー。クラブ選びと同じくらい大切なグリップのお話第2弾!
一般的には、セット内のグリップの太さ、重さ、硬さなどはそろえた方が良いと言われています。
これも一理ありますが、例えば、振るのに最も力が必要なクラブといえば、一番長いドライバーでしょうか? そして、繊細な動きをしたいのは、ウェッジということになると思いますが、この2種類のクラブのグリップは全く同じで良いと考えますか?
もちろん、すべてのクラブでグリップが同じように握れた方が、長さの違いや重さの違いが感じやすいかもしれません!
それによって、それぞれのクラブがそれぞれの使用用途に合わせて使いやすい場合が多いです。その場合には、グリップはきっちりとそろえた方が良いでしょう!
グリップで飛びもスコアも大きく変わる! クラブ選びの前にしっかり考えてみよう!
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全部同じもので揃えるべき?
一般的には、クラブの性能差を、グリップ以外のところ(長さや重さなど)で大きく感じる方がほとんどなので、セット内で全く同じグリップでそろえる方が良い、という方が大半だと思います。
ただし、実はウッド系、アイアン系などで、シャフトが変わりますから、その太さはシャフトごとに異なり、単に同じグリップを入れたからといって握った感じがそろうというものではありません。
その場合には、下巻きテープなどで表面上の太さをそろえるという工夫をしていきましょう!
一方で、もっとメリハリをつけたい、グリップの感触も変えることでそれぞれのクラブをそれぞれの役割に合った使いやすさを際立たせたい!という方は、グリップもそれなりに変えていった方が良いでしょう。
例えば、この場合、ドライバーなど力を入れて振りたいものは少し太めにし、ウェッジなど繊細なものほど細くするというのはいかがでしょうか?
よく言われている、太いほど力が入らないというのは、逆だと考えています。
例えば、図の滑車を想像してください。
大きな滑車は少し動かすだけで、先端の細い軸は大きく動きますが、細い滑車は大きく回さないと軸は大きく動きません。
ということは右手部分を太くすると……
これをゴルフクラブで考えてみると、グリップ側が太い方が、少し動かすだけでヘッドは大きく動きますから、ヘッド側に力が伝わりやすいのは太いグリップということになります。
逆に、細いグリップだと、少ししか動かさないとヘッド側にも少ししか力が加わりませんので、細かい動きに対応しやすいことになります。
これを逆手にとって、ヘッドの重いウェッジのグリップを太くして、大きく動かしたいというのも一つのアイデアとしてはありでしょうね!
また、右手を太くすることで手首を返りにくくするという手法も聞いたことありますね!
一概に間違っているとは思いませんが、上記しましたように、逆にヘッドは動きやすくなることも考えられます。
また、例えば、右手が使えないような太さになっていると、余計に右手を使いたくなって、他の番手で使いすぎてしまう!なんてことも起きますのでご注意を!
番手ごとに若干重さを変えるというものありですね!
グリップというのは公差があり、大体は±2gくらいはありますから、これを逆手にとって、例えば、ドライバーは重いもの、ウエッジは軽いものにするなんてものありだと思います。自動的に肉厚の差になっている場合があるので、太さの違いにもなりやすいです。
もちろん、逆もありです。
つまりは、ここまでをまとめますと、セット内のクラブのつながりを考えるためにも、番手ごとの振りやすさ、扱いやすさをその目的に沿って各々のクラブで追求しつつ、かつ、全体の流れを見ていく必要があり、グリップ選びは他のパーツ同様に、これらすべてをきちんと考えていく必要がある!となります。
たかがグリップ!と考えていた方もいらっしゃるかもしれませんが、されどグリップ!非常に重要なパーツであるとご理解いただけると嬉しいです。
ではパターのグリップは……
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