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飛距離? それともスコアで判断? バックティでプレーできる境界線とは?

知っていると得するルール&マナー

2024/08/07 ゴルフサプリ編集部 真鍋雅彦

バックティでプレーをしているゴルファーを見て、「自分も早く、あのレベルのプレーヤーになりたいなあ」と思う人も多いはず。でも、その一方で、たいして上手くないのにバックティを使っているパーティも。そもそもバックティとは、どんな条件をクリアしていれば使えものなのか? 

勝手にバックティでプレーすることを禁止しているコースも

ゴルフコースは、いろいろな技量のゴルファーが楽しめるように複数のティーイングエリアが用意されているのはご存じの通り。一般的には、レディスティ(赤色のティマーク)、レギュラーティ(同白色)、バックティ(同青色)、チャンピオンティ(同黒色)などがあり、これらとは別に、シニアティ(同金色)を設けているところもあります。

基本的に、アマチュアゴルファーはレギュラーティからプレーをするわけですが、たまにバックティからティショットを打っているパーティを見かけることがあります。それを見て、「カッコいいなあ」「自分はあそこからプレーしてみたいなあ」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか。
果たして、バックティからプレーをするためには、どうすればいいのか? そもそも誰でもプレーできるものなのか?

これに関しては、コースによって基準が異なるのですが、「勝手にやるのはNG」というコースが多いようです。

例えば、あるコースでは、メンバー同伴の場合、4人のハンディの合計が60以内(3人の場合は45以内)と決められています。また、ビジターのみでのプレー場合は、同48以内(3人の場合は36以内)という基準が設けられています。
60以内となると、4人の平均スコアは87。もし1人でも平均スコア100のゴルファーがいると、他の3人は80代前半でプレーする力が必要だということになります。

ビジターのみの場合の基準値がさらに厳しくなっているのは、コースに対する理解度が低いというのが理由だそうです。
また、コースによっては、「JGA/USGAハンディキャップインデックス13.4以内のメンバーのみ」という厳しい基準を設けているところもあります。

なお海外では、「5番アイアンの飛距離×36」でコースの総距離を判別することを推奨しているところもあるそうです。例えば、5番アイアンの飛距離が170ヤードの場合、170ヤード×36=6120ヤードがそのプレーヤーに適した総距離となります。だからもし、バックティからの総距離が6120ヤード以上あった場合は、レギュラーティからしかプレーできないことになります。
飛距離はプレーヤーによって違うので、どの人を基準にするかという問題もありますが、基本的には4人の平均値か、最も飛ばない人に合わせるというのが暗黙の了解になっているようです。

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4人の平均スコアが85前後というのが一つの目安

ところで、なぜこのような基準が設けられているのか。「やりたいと言っているんだから、やらせてくれればいいじゃないか」。そういうゴルファーもいるようですが、最大の理由は、プレーヤーの実力に合っていないティからプレーをすると、進行が大幅に遅れるということにあります。

一般的に、バックティとレギュラーティの総距離の差は500~600ヤード。1ホールに換算すると30ヤード前後変わってくるので、レギュラーティなら余裕でパーオンというホールでも、グリーンに到達するまでに時間がかかります。また、大きなクラブを持つ機会も増えるので、その分、ミスも多くなって、それがスロープレーにつながるというのです。

さらに、レギュラーティとバックティではカートを止める場所も変わってくるため、そのことがトラブルの原因になったり、まれに打球事故が起こることもあるといいます。

コースによっては、特に制限を設けていないところもあり、「やらせてほしい」と頼み込めばOKが出るコースもあるそうですが、まずは自分を含めたパーティ4人の飛距離と実力が、バックティに見合ったものであるかどうかを考えることが大事。一般的には、4人の平均スコアが85というのが一つの目安になるといわれています。
そして、もし許可が下りた場合は、常にプレーファストを心掛けることと、安全面に最大の注意を払うようにしましょう。

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真鍋雅彦

真鍋雅彦
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。