「どこかを止めるとどこかが走る」ショットの安定性を高めるスナップ動作の抑え方
ベン・ホーガンを先生に!森プロが解説する『アイアンが際立つ!強い自分流の作り方』【第5回】
21歳でゴルフを始めたラリー・ネルソンはホーガンの『モダン・ゴルフ』で学びながらも独自の解釈でスイングを磨き、メジャー3勝。ショットの安定性を求める方法としてスナップ動作を適度に抑えるアレンジもアリだ。
GOLF TODAY本誌 No.627/55~59ページより
イラスト/久我修一 取材協力/東京ゴルフスタジオ
取材・構成・文/戸川 景 撮影/圓岡紀夫
スナップ動作を抑えてスイングマシンに近づく
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インパクトをイメージし、左腕とクラブを真っすぐ伸ばして構えるラリー・ネルソン。オープンスタンスでボール位置もやや中寄りにしている。
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ネルソン自身は、ホーガン同様に右脚の位置を変えず、両モモの内側とヒップの外側を引き締めるイメージでターンを行い、手元はクラブの慣性で左親指側に曲がるだけ、という。
両手セパレートで試す
マシンのように軸ブレのない振り方を探求
セルヒオ・ガルシアやホーガンのように、手首や腕のしなやかさでスナップ動作を生かした強打を生む選手もいるが、逆に今年の全米オープンで優勝したブライソン・デシャンボーのように、腕や手首の緩みを排除して、ミート率やヘッドの入射角、弾道安定性を最優先させるタイプのスインガーもいる、と森プロ。
「21歳でゴルフを始め、全米オープン1勝、全米プロ2勝を挙げたラリー・ネルソンが典型的です。上達の過程でホーガンの『モダン・ゴルフ』を読み込んだようですが、ホーガンのスイングとは似ていません。スイングの5つの基本は学び、アレンジしたそうです」
スイングマシンのように、ヘッド軌道を安定させるため、腰やヒザのスライドをなくし、体重移動を最小限に。軸ブレのないスイングは、ボディターンで出力を上げて飛距離を伸ばしたデシャンボーとの共通点も多いという。
手首の柔軟性を生かし深いタメを生んだホーガン
スナップ動作を抑えても飛ばせる理由とは?
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