1. TOP メニュー
  2. テクニックに効く
  3. スイング作り
  4. 「どこかを止めるとどこかが走る」ショットの安定性を高めるスナップ動作の抑え方

「どこかを止めるとどこかが走る」ショットの安定性を高めるスナップ動作の抑え方

ベン・ホーガンを先生に!森プロが解説する『アイアンが際立つ!強い自分流の作り方』【第5回】

2024/08/29 ゴルフトゥデイ 編集部

左肩を回してたぐる

“左肩を遠くする”インパクトをイメージ

右ヒジのタックインでカット打ちにならない

「シャフトを立てたトップからボディターンを意識するとカット打ちになりがちですが、切り返しで右ヒジを下げてタックインすると、左腰と左肩をどんどんターンしてもヘッド軌道はインサイドから下ります」
「シャフトを立てたトップからボディターンを意識するとカット打ちになりがちですが、切り返しで右ヒジを下げてタックインすると、左腰と左肩をどんどんターンしてもヘッド軌道はインサイドから下ります」

ネルソンのチェックポイント「左ヒジと左手甲を下向きに」

「ホーガン同様、フックに悩まされたネルソンは、左腰のターンを止めないこととともに、左腕のローリングと、左手甲を下に向けるイメージでインパクトを迎えることを重視していました」
「ホーガン同様、フックに悩まされたネルソンは、左腰のターンを止めないこととともに、左腕のローリングと、左手甲を下に向けるイメージでインパクトを迎えることを重視していました」

フォローの振り抜きはホーガンとそっくり

“左のカベ”や左脚の伸び上がりがなく、左腰が十分に後方に回り、左肩も大きくターン。クラブの振り抜き具合もホーガンとよく似ている。
“左のカベ”や左脚の伸び上がりがなく、左腰が十分に後方に回り、左肩も大きくターン。クラブの振り抜き具合もホーガンとよく似ている。
自分のスイングに対して、最適なボール位置を見つけたというネルソン。オープンスタンスからのプッシュ弾道で抜群の安定性を得ていた。
自分のスイングに対して、最適なボール位置を見つけたというネルソン。オープンスタンスからのプッシュ弾道で抜群の安定性を得ていた。

引いた左肩からヘッドまでを長くすると飛ぶ

左サイドを詰まらせてヘッドを走らせるのは、弾道安定性とは相容れない、と森プロ。

「弾道安定性は、ヘッド軌道、入射角、フェース向きの安定が不可欠です。どこか動きを止めて弾くような打ち方より、加速するヘッドの動きを促すほうが合理的です。

ホーガンもネルソンも、左腰のターンを止めないことを重視していました。さらにネルソンは、左肩をインパクトで後方に遠ざける意識で、アークを最大限に生かし、飛距離アップに成功しています。左肩を引く、というとカラダが開いて振り遅れるカット打ちになる不安があるかもしれませんが、切り返し以降の右ヒジのタックインと、左腕のローリングが伴えば問題ありません。

ネルソンは、極力手元に頼らない意識でしたが、インパクトエリアでは左手甲を下に向ける、ロフトを立てるイメージでフェースをコントロールしていました」

左肩と左腰は“上”ではなく“後ろ”に回す

「飛ばすために、地面反力など意識して伸び上がる動きを採り込むのは、安定性に欠ける危険性があります。正しいターンを促すなら、左肩を後方に強く回す工夫をするほうが有効です」
「飛ばすために、地面反力など意識して伸び上がる動きを採り込むのは、安定性に欠ける危険性があります。正しいターンを促すなら、左肩を後方に強く回す工夫をするほうが有効です」

軸ブレのない体重移動は“前後”で

「体重移動は意識しなくても、両腕とクラブの重さのぶん、左右にかかる圧は移動します。それに拮抗して軸ブレを防ぐには、体重移動を“左右”ではなく“前後”でイメージするのも有効です」
「体重移動は意識しなくても、両腕とクラブの重さのぶん、左右にかかる圧は移動します。それに拮抗して軸ブレを防ぐには、体重移動を“左右”ではなく“前後”でイメージするのも有効です」

Ben Hogan
ベン・ホーガン(1912~1997)

アメリカ・テキサス州出身。身長173cm、体重68kg。ツアー通算64勝。メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。

ホーガンアナリスト 森 守洋

ベン・ホーガン(1912~1997)を手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。


【アイアンが際立つ!強い自分流の作り方】
←「リリース」は右手のスナップだけじゃ不十分? ライの対応に強くなる左ヒジの“たぐり”

第4回(前回)を読む

シリーズ一覧へ

「体の回転でスイングしたい」と悩む人が知っておくべき8つのポイント

腕を積極的に振って打つ人もいれば、カラダの回転主体で打つ人もいます。スイングは結果がよければ、どちらでもOK。一方の打...

あわせて読みたい

【8番アイアン】ヘッドスピード40m/sのゴルファーは何ヤード飛べばいいの?

一般男性の平均的なヘッドスピードは40m/sと言われているが、そのヘッドスピードで8番アイアンはどのくらい飛べばいいのだろ...

あわせて読みたい

ミスした同伴者に思わずアドバイス。「教えたがり」やめたほうがいいみたい

腕に自信のあるゴルファーにありがちなのが「教えたがり病」。他人との距離を保ちつつ、よきアドバイザーとなれば皆からも好...

あわせて読みたい

CAT Ladies で完全優勝。川﨑春花の“百花繚乱”セッティングの意図を聞いてみた!

国内女子ツアー「CAT Ladies」は川﨑春花が初日からの首位を守り通して自身初の「完全優勝」を達成した。ツアー通算5勝。今シ...

あわせて読みたい