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ボールが浮いていればピン狙い? 沈んでいたら乗せるだけ? グリーン周りのライの見極め

グリーン周りの難しいライからボギーオンを成功させるアプローチのヒント(2)

2024/08/30 ゴルフサプリ編集部

ラフ,ライ,傾斜

ツマ先下がりの傾斜のラフにつかまったボール。ピンまでの距離は20ヤード。ピンを狙うか、グリーンに乗せることを最優先とするか……悩むところ。だが、その思考を巡らせる前にボールの状況を再確認!ボールが沈んでいるか浮いているか、そのどちらかで選べる選択肢は変わるからだ。高橋良明プロに教えてもらおう。
写真/相田克己

傾斜にあるボールは状況によって打ち方が大きく左右される

さて、状況はグリーンを狙ったボールがつかまりすぎてグリーン左サイド、ピンまで20ヤード地点のラフに飛んでしまいました。パーオンは逃したが、良いところに寄せられればパーもあります。ですが、ボールが止まっているのは、狙う方向によってはツマ先下りにも左足下がり&ツマ先下がりの複合にもなる傾斜のラフです。

こんな時、まず目を向けたいのがボールの状況。なぜなら、傾斜のライからでは、ボールが芝に沈んでいるか浮いているかで狙う方向が変わるからです。こうしたライからミスをしがちだという人のほとんどが、ボールの状況の確認を怠っています。それでは、浮いている場合と沈んでいる場合の対処の仕方を解説していきましょう。仮にこのライからボールを浮かせ流ことができたとしても、距離感に優れた上級者でもピンに絡ませるのは相当難しいです。距離が足りず、再びグリーン脇のラフに落ちる確率の方が高いでしょう。

ボールが沈んでいるとヘッドの通り道が限定される

ラフ

ボールが沈んでいる場合のセオリーとしてはフェースを開いてヘッドを滑らせるようにして打つのですが、この傾斜のライではそれが難しいでしょう。しかも、今回のようにピンまでの距離が20ヤードあり、ピンに対して構えるとツマ先下がりだけでなく左足下がりの傾斜も加わって複合傾斜になってしまう場合は、フェースを開いてボールに対してシャローにヘッドを入れていくことができません。なぜなら、そうしてボールに対してアプローチしようとすると、ボールの手前でヘッドが地面にぶつかってしまうからです(下の写真)。

傾斜,ラフ

このような状況でボールが沈んでいる場合には、グリーンに乗せることを最優先するのが正しいマネジメントです。下の写真のようにグリーン手前の土手にキャリーさせて、カラーを転がしてグリーンにボールを運ぶことを考えましょう。ピンまでの距離が10ヤード以上残ってしまいますが、グリーンに乗せることができれば、2パットでカップインできる可能性が出てきます。

左足下がりの傾斜、しかもキャリーをしっかり狙ったところに運びたいので構えは小さくします。グリップはシャフトぎりぎりのところまで短く握り、傾斜に逆らわないようにヒザを曲げて重心を低くします。そして、左足を後方に引いて、クローズスタンスで構えてテークバックの際の手元の通り道を確保します。

傾斜,ラフ

打つ前に素振りをしてヘッドの通り道の確認をしてから、ラフから打つ際の大原則であるインパクトゾーンでスピードダウンしないでインパクトしましょう。多少強めにインパクトしてしまっても、土手に当たってスピードダウンしてくれるので怖がらずに振ってください。ここで一番悪いのは、スイングが緩んで距離が出ずに再びラフからのアプローチが残ることです。

それでは、次はボールが沈んでおらず、浮いた状態の対処を解説します。

傾斜,ラフ

ボールが浮いていたらフェースはピンに、スタンスは傾斜に沿って構える

ラフ,傾斜,ボール

ボールが芝の上に浮いていれば、今回のような状況でもピンを狙ってアプローチすることは可能です。ただ、ピンに向かって構えてしまうと、前述したように左足下がりの傾斜が加わってしまうため、難易度が上がってしまいます。状況がグリーン左サイド、ツマ先下がりの傾斜でピン位置が写真の位置の時にはピンに向かってアドレスすることはしません。

まずは、傾斜が邪魔にならず、ヘッドを振り抜けるようにスタンスできる方向を探します。今回の例の場合は、ピンの左・4メートルくらいの方向にスタンスを取っています。傾斜の向きや度合いによって、ピンの左右どのくらいの位置に構えるかは変わりますが、ここで大事なのはヘッドがスムーズに抜ける方向(アドレス位置)を見つけることです。

ヘッドが抜ける方向を確認したら、アドレスします。グリップを短めに握って、ヒザを少し曲げて傾斜でも安定して振れるように重心を落としましょう。そして、アドレス(体)はヘッドが抜ける方向にしますが、フェースはピンに向けます。フェースはスクエアではなく、少し開いて構えます。ヘッドが抜ける方向に合わせてスタンスに沿って、その方向にスイングします。

そうすると、みなさんが想像している通り、ボールは体の右に飛んでいくことになります。アドレスはピンの左・4メートルくらいの方向に向いているわけですから、下の写真のようにボールはスライス回転がかかってピン方向に飛ぶということです。

アプローチ,傾斜

スイングイメージは傾斜に沿って振っていくイメージです。上から下に振るというよりは、傾斜をなぞるように横に振るイメージです。ですから、上の写真のようにフォローは左方向に振り抜かれていきます。ここでもスイングスピードを緩めず、自信を持って振り抜いてください。スイングを減速させてしまうと、右肩が下がってダフッたり、ラフに負けて距離が出なくなってしまいます。

また、当てたいという意識が強すぎると極端なハンドファーストになってしまいがちです。また、ハンドファーストにするとフェースが立ってしまうので、フェースを開いた意味がありません。ハンドレイトとまではいきませんが、手が左足寄りにならないようには注意しましょう。

  • ハンドファーストに構えると歯が立ってザックリの危険性が高まる。

  • ハンドレイトまではいかないが手元はスタンス中央寄り。

レッスン/高橋良明プロ
1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門誌やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリストでもある。

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