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ブリヂストンスポーツ「BITING SPIN ウェッジ 」は激スピン! キュキュッと止めて寄せるのが楽しくなる!

話題のギアをロマン派ゴルフ作家が検証する!

2024/09/30 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

ブリヂストンスポーツは『BITING SPIN ウェッジ 』を2024年9月6日に発売。ブリヂストンスポーツ『BITING SPIN ウェッジ 』をコースに持ち込んで、徹底的にレポートする。

新しいフェース加工と伝統のシェイプで勝負するBITING SPIN ウェッジ !

『BITING SPIN ウェッジ 』のコピーは、“食いつくミーリングで止める 軟鉄鍛造のNEWツアーウェッジ”である。
実にシンプルなコピーで、自信があるようにも感じるが、逆にそれが心配になってしまうコピーだ。

ツアープロからのフィードバックを参考に、スピン性能にこだわったということだが、『BITING SPIN ウェッジ 』という名称が、そのままなのである。

ヘッドシェイプは、単なるティアドロップ型ではなく、日本の伝統である丸形を入れ込んで、ブリヂストンスポーツのウェッジじゃなければダメだというゴルファーもいるほど実績がある。
蛇足であるが、僕もその一人で、エースとして使っているウェッジはブリヂストンスポーツのものだ。『BITING SPIN ウェッジ 』も、見事に「らしい」と感じさせる美しいヘッドシェイプになっている。

新開発の「バイティングスピン IX ミーリング」は、厳しい条件下でもスピン性能を高めるフェース加工だ。ブラスト加工でフェース面全体を処理し、精密なレーザーミリングで細い溝を刻む。縦方向溝を「I」と呼び、スコアラインへの排水をして、斜め方向溝を「X」と呼び、アプローチのスピンを増やし、特にフェースを開くと効果が最大になるようにしてあるという。この二つが合わさって「IX」なのである。

バックフェースでも、上部に厚みを持たせて、スピン性能が高まるようになっている。

ソールグラインドも、ロフトごとに最適になるように3種類がラインアップされている。

ウェッジは、現場で打たなければわからない。『BITING SPIN ウェッジ 』の特徴を知ってみると、自信があるように感じさせるウェッジになっているとわかった。

試打した日は、薄曇り、気温は24℃〜29℃、やや風あり、グリーンは重めというコンディション。
『BITING SPIN ウェッジ 』は、48度、52度、56度、60度。シャフトはN.S.PRO MODUS3 TOUR120。
打ち慣れていて、クラブの影響だけに集中できる『TOUR B X ボール』を使用した。

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『BITING SPIN ウェッジ 』を使用してラウンドし、わかったことを挙げる。

打音打感/音量はやや大きめ、高音で硬質、スッキリした音。打ち応えは乗り感強め、独特で重さあり。芯感はクリアで、敏感。

弾道スピン/高弾道。打ち出しはやや低め。高低の打ち分けに敏感。スピンは全ての領域でしっかりとかかる。

飛距離/ロフトより少し飛ぶ。直感的に使って距離が合う。

『BITING SPIN ウェッジ 』の第一印象は、シェイプが良く、ネックのグース感も良し。フェースの色が黒っぽくて面白い、である。

実際に使用して、1球目から気持ちが良いウェッジだと思った。打った打感と出たボールの球質や速度にズレがないのだ。
35ヤードのアプローチだったが、2回素振りをして、そのままポンと打って、狙い通りに飛んで、寄った。成功体験をどう評価するかであるが、その後も、アプローチでも、フルショットも、バンカーショットも、ほぼ完璧だった。結果として、ウェッジを使うためにバンカーに入れたり、ショートさせてアプローチをしたりしながらのラウンドだったのに、スコアはパープレーだった。
こういうことは、数年に1回あるか、ないかである。

『BITING SPIN ウェッジ 』で特に良かったのは、打感だ。重く感じさせるほどの乗り感にビックリしたのは最初だけで、途中からは逆に、それを求めていた。その手応えが距離感とリンクする感じがしたからだ。

もう一つ、面白いと思ったのは、フェースを開いて使ったときのソールの効きだ。ちょうど良いのである。跳ねすぎず、滑りすぎず、潜りすぎない。安心して、打てるのは、大きなプラスポイントだ。

個人的に、打ち出しが低めになることは、フェースの機能にプラスして、ネックのグースも機能していると感じた。ツアーウェッジの完成度は、低めのボールを打ちやすくするネックで決まると、個人的には考えているので、『BITING SPIN ウェッジ 』は、120点満点だった。

ツアーウェッジは難しいと思う人が多い。実際に、市場にはそういうウェッジがたくさんある。
『BITING SPIN ウェッジ 』は、そういう心配は無用である。やさしいほうに分類されるウェッジなのである。
ツアーウェッジとして使い勝手が良いのに、難しくないという矛盾したウェッジが欲しいゴルファーに『BITING SPIN ウェッジ 』はオススメである。

『BITING SPIN ウェッジ 』は、狙ってスピンがかけられるという部分はツアーウェッジらしいところなのだが、ソールがゴルファーを助けるほうに働くのは一般用のやさしいウェッジなのだ。

試打ラウンドを通して、『BITING SPIN ウェッジ 』は、目立たないけれど、使うのが楽しくなるウェッジだと強く思った。

最後の最後に、『BITING SPIN ウェッジ 』は、この手のウェッジとしては比較的安い価格設定なので、コスパも良いということを伝えておく。
ウェッジは、どうしても、摩耗するので消耗品でもある。『BITING SPIN ウェッジ 』は、機能的には高額なクラブだが、消耗品だとしてもギリギリで我慢が出来るコスパが良いクラブなのである。

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篠原嗣典

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。