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日本シャフトの「バルカヌス」打ってみた!シャフトが球を上げてくれるからロフト少なめでもいいかも?【野村タケオ】

野村タケオのゴルフ実験室

2024/10/02 ゴルフサプリ編集部 野村タケオ

バルカヌス

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。やっぱゴルフは1ヤードでも飛ばしたい!と常々いろいろなクラブやシャフトを試しているのですが、なんでも「自分史上最高の飛距離へ。」という、なんとも挑戦的なコピーのシャフトがあるそうじゃないですか。それが日本シャフトから発売された「VULCANUS(バルカヌス)」です。そこまでの自信のあるシャフトってどんなものなのでしょうか?コースに持ち込んで打ってみました!

〈取材・文・写真提供 野村タケオ〉

バルカヌスは飛距離特化型のシャフト!

今回試打した日本シャフトの「バルカヌス」ですが、名前の由来はローマ神話に登場する神話の武具を作る鍛冶神。神話の中でバルカヌスは様々な神の力を最大限引き出す武器を作っていたそうです。なんかカッコいいけど、ちょっと覚えにくいかな(もう覚えましたが)。

日本シャフトといえば、どうしてもスチールシャフトのイメージがありますよね。しかし同社の「レジオフォーミュラ」シリーズのカーボンシャフトは、プロにも評判がいいシャフトです。僕も一時期使っていましたが、飛距離性能も高くてとてもいいシャフトです。

で、今回の「バルカヌス」ですが、コンセプトは「そのままのヘッドで、スイングを変えずに、持てるヘッドスピードの上限まで飛距離を引き出す」という飛距離特化型のシャフトということです。特にヘッドスピードが43m/s以下のゴルファーをターゲットに、ヘッドスピードの割に飛ばないという悩みや、飛距離に対する不満を解消するために開発されたシャフトということです。

バルカヌス

「つぶれ剛性」をコントロールすることで最大効率化を実現!

自分史上最大の飛距離を出すために「バルカヌス」の開発で着目されたのが「つぶれ剛性」です。曲げ剛性やねじり剛性という言葉は聞いたことがありますが、「つぶれ剛性」というのはあまり聞いたことがないですよね。しかしシャフトというのは、しなりと同時に必ず「つぶれ」が起きています。その「つぶれ」をシャフトの各部で自在にコントロールし、アタックアングル、インパクトロフトを最適化しているんです。そのことで、最大効率化されたインパクトを可能にしているということです。

バルカヌス

「バルカヌス」は軽柔シャフト?

「バルカヌス」はヘッドスピードが43m/s以下のゴルファーをメインターゲットにしているので、重量帯は41gの「V300」、47gの「V410」、53.5gの「V520」の3種類となっています。フレックスの設定はありません。一番重い「V520」でヘッドスピード39~43m/sくらいのゴルファーにおすすめということです。

バルカヌス

その中から僕が今回試したのは「V520」。カタログ数値だとトルク4.1の先中調子ということです。僕のヘッドスピードは大体42m/s前後なので、ちょうどいいスペックだと思います。ヘッドはブリヂストンゴルフのB3MAXでロフトは9.5度。45.25インチで組んでもらって、クラブ重量が305g、バランスがC9.5でした。そして驚いたのが振動数です。なんと227cpmということで、かなり柔らかめのシャフトということになりますね。

バルカヌス

大きくしなって、ボールを勝手に上げてくれる!

ワッグルしてみると、確かに真ん中から少し先くらいがよくしなります。ただ思ったほどグニャグニャではありません。ちょっとしなりが大きめかな~くらいの感覚です。

僕はこの「バルカヌス」を挿れたドライバーをコースで1ラウンド使ったのですが、練習場の無いコースだったので、1球も試打しないままいきなりラウンドで使ったんです。なかなか無謀なことやってるな~と自分でも思うのですが、その第一打は高弾道で見事にフェアウェイど真ん中でした。振った感じはトップから少し大きめにシャフトがしなり、気持ちよく切り返せました。確かに柔らかさは感じますが、頼りなさは全く感じません。手元もそんなに硬さを感じず、真ん中あたりから少し先にかけて大きくしなる感じです。そして、そこから結構なスピードでインパクトに向けてヘッドが戻ってきます。インパクトでは入射角が浅くなり少しボールを上げてくれるような動きをするので、勝手に高弾道が打てました。しなりが大きい分、自然とシャフトが「タメ」を作ってくれる感じもありますね。スピン量は少なく、まさに「高打ち出し、低スピン」の飛ぶ弾道に勝手になるんですよね。

バルカヌス

つかまりもいいし、曲がりも少ない

つかまりも結構いいです。右に滑るような球は全く出ず、フェースにしっかりと乗るようなインパクトで、ストレートから軽いドロー系のボールが出ました。完全にシャフトが仕事をしてつかまえてくれている感覚です。

方向性も悪くないです。先が硬い感覚はないのですが、ミスヒットしても当たり負けが少なく、曲がりも少ないですね。僕は14回ドライバーを使って、10回がフェアウェイでした。これは個人的にはけっこういい数字です。しかも曲がったとしても、少しラフに入った程度で、林に打ち込むような曲がりは一度もありませんでした。

気持ちよく振れるので、どんどんスイングが良くなる感じ

1ラウンド使ってみた感想としては、とにかく振り心地が良く、フィニッシュまで気持ちよく振り抜けるシャフトという感じ。切り返しのしなりからインパクト、フォローまでが流れるように気持ちよく振れるんです。しなりは大きめながらクセがないので、テンポやスイング軌道も良くなってくるような気がします。「つぶれ」というものを僕はイマイチ感じられませんでしたが、今までにあまり打ったことのないタイプのシャフトだと思います。

弾道もいつもより一段階高く、スピンも少なめで飛距離が出ていました。高弾道なので、自分が思っているよりも落ちる場所が遠く、キャリーも含めるといつもよりも10ヤードは飛んでいたと思います。入射角が最適化されることで、効率の良いインパクトができているんだと思います。

室内施設でも計測してみました

ラウンドした後に室内施設でもちょっと試打してみました。いつも試打している計測器なので、だいたいどのくらいの数値が出るのかは把握しているのですが、やはり「バルカヌス」はヘッドスピードも少し上がり、ボール初速も速かったです。

バルカヌス

いつもなら、まあまあ良い当たりをしないと初速が60m/sを超えないのですが、「バルカヌス」だと毎回60m/sを超えてきます。ボールが反発の弱いワンピースボールなので、ミート率もなかなか1.4を超えないのですが、それも1.44とかがバンバン出ます。飛距離もキャリーが230ヤードを超えてくるのですが、これもいつもならこの計測器だとなかなか難しいんですけどね。やはりコースで感じてたように、計測しても飛距離が出てることがわかりました。

バルカヌス

いろんなタイプのゴルファーに合いそう

僕が使った「V520」だと、ヘッドスピード的には。やはり40m/s前後の人にぴったりじゃないでしょうか。もう少しヘッドスピードが遅い人は「V410」を考えてもいいでしょうね。

ヘッドは今どきの高慣性モーメントのものに良さそうです。シャフトが球を上げてくれるので、ロフトは少なめでもいいかもしれません。ドローヒッターでもフェードヒッターでも使えそうですが、ちょっと上から入るカット軌道スライサーにはかなり効果がありそうに思います。

このシャフトで飛距離が伸びる人ってけっこう多いんじゃないでしょうか。柔らかめのシャフトなので、もっと打ち手を選ぶのかと思いましたが、そんなことはなさそうです。ちょっと飛距離が落ちてきたな~って人や、俺はもっと飛ばせるはず!って思っている人は、ぜひ一度試打会などで打ってみることをおすすめします。

ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ

ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。

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