アマチュアは“セットもの”のウェッジを使うべし! 納得できる理由を鹿又さんが解説
鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第38回
『セットもの』のウェッジを見つめ直せば、ショートゲームはシンプルに!簡単になる!
同じモデルのアイアンセットとして作られている、PWより下の“セットもの”のウェッジ。セット売りされていなかったりすることもあって見逃しがちだけど、アイアンからの流れが合っていて打つと思いのほかやさしい。カリスマフィッターの鹿又さんはこう切り出した――。
“セットもの”のウェッジをアマチュアが使わない手はない
「どうして“セットもの”のウェッジを使わないんですか?」と、逆に私が聞いてみたいくらいです(笑)。使わない根拠がちゃんとあるのか・ないのか? あくまでもイメージであり“セットもの”のウェッジはこういう理由で使わない、と言える人は少ないのではないでしょうか。その背景に、メーカーが販売するセットには「PWまで」とか「AWまで」という設定しかないモデルも多いので、仕方ない部分もあるでしょう。
最もシンプルに、同じ振り感で同じ使いやすさにしようと思ったら“セットもの”のウェッジをベースに考えたほうが、ゼッタイにやさしくなります。
ヘッドの流れもそうだし、大きさも含めた形状、ロフト設定、シャフト設定、全てにおいて同じ流れでできているのですから。一般のアマチュアならば“セットもの”を使わない手はないと、ボクは思います。
ただし、どうしてもロフト設定の“間”が空いてしまったり、5度以上のロフト間隔があったり、エキストラ的に高い球を打ちたいとか、そういう狙いがあるときに、独立したモデルの“単品ウェッジ”を足していくと強力な武器になるでしょう。
“単品ウェッジ”は操作性を重視したプロユース系が多い
おそらく、一般アマチュアの皆さんは「“単品ウェッジ”を入れたほうがカッコいいから」とか、そういう理由が多いんじゃないでしょうか。注意してほしいのは「ボーケイ」にしても「クリーブランド」にしても“単品ウェッジ”で「アマチュアがやさしく打てます」と謳うモデルも少数派ありますが、基本はプロユース系の操作性に特化したウェッジが多いということ。
もしも“セットもの”のウェッジがあるのなら、ミスの寛容性が高い“セットもの”に、操作性が高い“単品ウェッジ”をプラスする、というアレンジのほうが、シンプルで使いやすくなると思います。「結果よりビジュアルを重視」という人は“単品ウェッジ”をいっぱい入れてください(笑)。
“セットもの”も“単品”も、ロフトが同じならば距離は一緒
ウェッジについて、あるアベレージゴルファーからこういう質問があったのでご紹介しましょう。
「“単品ウェッジ”の46度を、以前に使っていたアイアンセットのPWと同じイメージで使うんですけど、距離がなかなか合いません。やっぱり同じロフトでも“単品ウェッジ”と“セットもの”では、距離が違うんですか?」
答えから言うと、基本的にロフトが一緒だったら距離は一緒です。
とはいえ“セットもの”と“単品ウェッジ”でシャフトとか長さとかが違ったりすると、HSが変わるので距離が違うかもしれません。ウェッジはフェースの“ミゾ”について触れられることが多いですが、ラフなどからフルショットをしたときに、スピン量の減り具合が“セットもの”のほうがちょっと多いかな、というところ。
“単品ウェッジ”はいろんな条件下でも、フェアウェイから打ったときと同じようになる“ミゾ”の工夫をしているので。そういう条件が悪いライではスピン量の変化が起こりますが、あとは一緒と考えていいのではないでしょうか。
鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。
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