出力準備を単純化する右ヒザのフォワードプレス

右ヒザのプレスで弾みをつける

▲左手甲の向きは変えずに押し込む
フォワードプレスの段階で、コッキングの動きを入れると左ワキが緩み、フェースが開きやすくなる。左手甲の向きは変えず、腕とクラブを一体にして押し込むのが正解。

右足を生かすと出力アップが期待できる

「私の師匠の陳清波はシニアになってもロングヒッターでしたが、その秘訣はフットワークにある、と考えていました。運動連鎖で効率よく出力するには下半身、特に右足の使い方がポイントです」と森プロ。実際、陳清波の右足は左足よりも太かったという。

「ホーガン流のスイングを学んだ名手で、右足の使い方が抜群に上手いのは、グランドスラマーのゲーリー・プレーヤーです。いわゆる〝右足の蹴り〟で効率よく出力アップを実現していますが、独自のアレンジとして、右ヒザのフォワードプレスがあります。

この、右ヒザを戻す反動で右脚が締まるトップにスムーズに至り、切り返し以降で右ヒザが前方に外れたり、右腰が落ちたりするような悪い動きになりません。右足を内側に踏み込み、右ヒザを左ヒザ方向に押し込むことで、リピータブルな運動連鎖によるボディターンが促されています」

運動連鎖が整えば指は緩めても打てる

正しい右足の蹴り方

右足は蹴り上げずに蹴り下ろすのが正解

右足を内側に倒すとターンは止まらない

ホーガンも重視した右足内側の踏み込み

両ヒジを絞る意識は運動連鎖に有効

右足の出力が抑えた手元の操作性を生む

「プレーヤーはバンカーショットの名手でしたが、左ヒジを抜くような動きはほとんどなく、左腕を真っすぐ伸ばしたまま、左手甲を目標に向けて打ち抜いていました。これは、アプローチやアイアンショットも同様です。

そこには〝フックを防ぐ〟意識があります。稀に、ゴルフを始めたときからフックが出る人がいますが、それはヘッドを走らせる感覚が元々あり、プレーヤーもそのタイプでした。このタイプは、ヘッドのターンを抑えるフェースコントロールが必須で、その手段として左腕をシャフトのように張り、左手甲を返しすぎないようにするのが有効だったわけです。

ただ、それだけではヘッドの走りも抑えられ、飛ばなくなる危険性があります。そこで、ボディターンで出力を上げる手段を組み合わせるわけです。〝右足の蹴り〟を生かすのは、その最も有効なメソッドと言えるでしょう」

左手を甲側に折らずに振り抜く

Ben Hogan
ベン・ホーガン(1912~1997)

アメリカ・テキサス州出身。身長173cm、体重68kg。ツアー通算64勝。メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。

ホーガンアナリスト 森 守洋

ベン・ホーガン(1912~1997)を手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。


【アイアンが際立つ!強い自分流の作り方】
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