スピン、効いてるぅ!フルショットはビタ止まりで気持ちいい!フォーティーン「FRZ」をコースで試打!
野村タケオのゴルフ実験室
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。フォーティーンから新しいウェッジが発売になりました! フォーティーンのウェッジといえば、高性能のイメージがありますが、今回の新製品もかなりのスピンがかかるモデルだということです。プロも使えるタイプのモデルということですが、僕たちのようなアマチュアでもその性能を使いこなすことができるのでしょうか? 3種類あるソール形状のものを全てコースに持ち込んで試打してみました!
〈取材・文・写真提供 野村タケオ〉
「FRZ」は「MT-28」を超える名器となるか!?
今回フォーティーンから発売されたウェッジ、それが「FRZ」というモデルです。フォーティーンといえば、「MT-28」というスピン性能が高い名器がありました。この「FRZ」は「MT-28」から22年経ち、現代の技術でどれだけスピンをかけられるのか? というコンセプトで作られたウェッジということです。
「FRZ」がこだわったところ、そのひとつが溝とフェース面です。溝に関してはルールの範囲内で、どれだけのことができるのかを追求し、フェース面はフォーティーンの高度な技術により、圧倒的な平面精度を実現しています。そのことで、ボールとの摩擦アップを実現しているということなんです。
また重心にもこだわり、センターよりもヒール寄りに重心を持ってくることで、操作性のアップと、あえて芯を外して打ったりというテクニックも使いやすくしているそうです。
ソール形状は3種類用意されていて、プレースタイルやスイングタイプによって、自分に合うソールを選ぶことができるようになっています。
バックフェースを見てみると、デザインがとにかくカッコいい。僕の個人的な感想なのですが、ここ数年のフォーティーンのクラブのデザインはとてもいいと思っています。このウェッジも「FRZ」のロゴの入り方や、羽のマークの入り方がとてもいいし、バックフェースの形状もとても綺麗です。バックフェースのトウ側が薄くなっていて、おそらくこの部分の重量をヒール寄りに持っていくことで重心位置をコントロールしているんでしょうね。
3種類あるソール形状の中で、まずは一番オーソドックスでソール幅の広い「S(スタンダード)ソール」を打ってみました。
構えてみると全体的に少し丸めの形状で、リーディングエッジも少しだけ丸め。グースはほとんどないのですが、出っ歯ではないですね。とても綺麗で構えやすい形状だと思います。
打ってみると、打感は柔らかめで少し低めの弾道で飛んでいきます。しっかりとフェースに乗る感じもします。ソール幅が広いので、スクエアに構えて打ってもソールが滑ってくれて優しく打てますね。もちろんフェースを開いても使えるのですが、スクエアでシンプルに打つ方が楽なような気がします。打ち方もあまりハンドファーストにせず、入射角が緩やかな方がソールが仕事をしてくれると思いました。まあまあ手前にヘッドが入っても滑ってくれるのでミスになりにくいです。
スピン性能はやはりけっこう高め。フルショットに近いショットではビタっと止まるし、グリーンの状態次第ではバックスピンで戻ってきたりもします。20~30ヤードのアプローチでもキュッとスピンが入ってくれるので気持ちいい。
バンカーでも打ってみましたが、スクエアに構えたままでもしっかりと砂が爆発してくれるので、楽に脱出できます。
あまりいろんな打ち方をしない人や、シンプルにアプローチをしたい人は、この「Sソール」を使うのがいいんじゃないでしょうか。
次に「H(ヒル)ソール」です。これはカタログ数値では一番バンス角が大きいモデルで11度ということです。ただ、ソールのトウ側とヒール側を落とした三日月形状になっているので、開いて使うのにも適した形状になっています。
ますはスクエアに構えて打ってみると、しっかりとバンスが効いてくれますね。上手くバンスが使えれば、けっこうシンプルに打てるし、優しいです。少し鋭角に打ってもしっかりとバンスが滑ってくれます。フェースを開いても、バンスが邪魔にならないようになっているので、抜けが良くて使いやすい。シチュエーションや、打ちたい球によってフェースの開閉がしやすくなっているので、いろんな打ち方ができるソールだと思いました。バンカーでも距離や砂質に合わせてスクエアで打ったり、開いて打ったりしやすいです。
当然この「Hソール」もスピンはしっかり入るし、上手い人が使えばスピン量のコントロールもしやすいと思います。「Sソール」よりも、この「Hソール」の方が少し低めに飛び出してキュキュッとスピンが入る感じがします。
最後に一番バンス角が少ない「Tソール」です。ソールのセンターに山型の稜線がある二面ソールになっていて、フェースを開いて使うのに一番適しているソールということです。
「Tソール」も打ってみましたが、このソールは開いて使うことを前提に作られているという感じがしますね。開いて使うととにかく抜けが良くて、打ちやすいんです。ラフでもとにかく抜けが良くて、スッとソールが滑ってくれます。かなりフェースを開いてもバンスが当たりすぎることがなく使いやすい。ボールを上げることもできるし、低く出してキュっとスピンをかけることもできる。僕なんかはそこまでテクニックがあるわけではないので、このソールの良さを活かしきれないかもしれませんが、それでも少しは打ち分けたりできました。上級者ならもっといろんな打ち方ができるでしょうね。当然スピン性能も高いし、ロブショットなんかもやりやすいです。
バンカーでも基本的にしっかりとフェースを開いて使わないといけません。特に柔らかい砂だとフェースを開いて使わないと、しっかり砂が爆発してくれません。
フォーティーンの「FRZ」ウェッジ3種類をコースで打ち比べましたが、それぞれに特徴があって良かったと思います。基本的にはオーソドックスな「Sソール」をベースに考えて、もう少しだけ開いたりなどの操作をしたいのか、もっといろんな技を駆使して使いたいのかで選べばいいと思います。
スッとボールを拾うような打ち方の人には「Sソール」がいいし、打ち込むタイプは「Hソール」が合うと思うので、そういう選び方もいいでしょうね。どのモデルもスピン性能は申し分なく、打感もとても柔らかくて気持ちいいです。プロも使うモデルということで、もっと難しいウェッジなのかと思っていましたが、アマチュアゴルファーでも十分に使える優しさがあって驚きました。その上で、いろいろな技を使うこともできるように作られています。特に「Sソール」はアベレージゴルファーでも十分に使える優しさを感じました。
個人的には、やはり少しフェースを開いたりして使いたいので「Hソール」がいいかな~と思いました。しかし「Tソール」の抜けの気持ちよさもたまらなかったので、ちょっと迷っちゃうな~って感じです。
ぜひ皆さんも一度「FRZ」ウェッジを一度試してみてください。
ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。
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