ピンのアイアンが“長く売れ続け”ているのはなぜ?

7月:i530(1位)/G430(3位)/i230(4位)/G730(7位)
8月:i230(5位)/G430(7位)/G730(8位)/G530(10位)/ブループリントS(13位)
9月:i530(1位:2024年4月発売)/i230(4位:2023年1月発売)/ブループリントS(8位:2024年2月発売)/G430(9位:2022年11月発売)/G730(12位:2024年4月発売)
※ゴルフダイジェスト・オンラインGDOゴルフショップの販売データ

なぜPINGのアイアンはどのモデルも人気が高く、長く売れ続けるのか。その答えを求めて、まずはPINGの広報担当者にこんな質問をぶつけてみた。
「他メーカーから秋のニューモデルが続々登場している時期にもかかわらず、春モデルの『i530』が1位(9月)に躍進。他のモデルも発売からそれなりの期間を経過していますが、いまだに売れ続けているのは一体なぜでしょう?」

これに対しPINGの担当者は、「多くのゴルファーに購入していただいていることはとてもうれしいです。長く支持していただいている理由としては、弊社のアイアンの性能や特長が広く浸透してきたからではないでしょうか。メディアや店頭、口コミなどを通じて興味を持ってくださった方々が、商品への理解を深めたことで購入を決めてくださったのだと思います」と答えてくれたが、続けて意外な事実を明かしてくれた。

「実は、オンラインや店頭に並んでいる標準スペックのアイアンを合計した販売数量は、PINGのアイアン販売数量全体の半分ほどしかなく、残りはフィッティングされたカスタム販売品なんですよ」

すなわち、販売ランキングに反映されている数字はあくまでも氷山の一角であり、実際にはPINGのアイアンはもっと売れているということである。しかも、フィッティングを受けてカスタムクラブを購入する人の比率が、フィッティングをしない、いわゆる“吊しクラブ”購入者とほぼ同等というところも興味深い。

飛び系「G700」で満足していたアマチュアがPINGのフィッティングを受けてみた!

はっきりしたのは、われわれが考えていた以上にPINGのアイアンの人気が高いこと。そして、PING独自のフィッティングが人気をさらに押し上げていることである。PINGのフィッティングはリピーター比率が高いと聞くが、満足度が高い理由はどこにあるのか。それを確かめるためにアマチュアゴルファーに同行し、PINGのフィッティングを実体験してみた。

PING FITTING
公式ホームページには、ピンのフィッティングの内容(流れ)がわかるだけでなく、フィッティングによる効果(メリット)についてさまざまな情報が掲載されている。

PINGのフィッティングを初体験!“自己流”で選んだクラブよりも良い結果は出るのか?

マッスルバックのようなデザインに惹かれて購入した前作の飛び系「G700」。「球は低めですが飛距離は出るので満足しています」(前田さん)

今回、ピンのフィッティングを体験する前田さんのプロフィールは、以下の通り。ゴルフ歴6年、平均スコア95、ベストスコア86。飛び系「G700アイアン」(2018)を愛用しているがPINGのフィッティングは今回が初体験だ。

『4年前に「G700アイアン」を店舗で購入しました。とくに大きな不満はありませんが、そろそろ新しいクラブが気になり始めていたところに知人からPINGのフィッティングをすすめられ、良い機会だと思ってPINGフィッティングスタジオ武蔵浦和に予約を入れました』(前田さん)

そして、前田さんのフィッティングを担当するのは、ピンゴルフジャパン フィッティングスペシャリストの後藤フィッター。

『まず、フィッティング前の問診で、「マイクラブに大きな不満はないこと」「ときどきひっかけが出ること」「欲をいえばもう少し飛ばしたいこと」など、前田さんが現状気になっていることや新しいクラブに求めることを確認しました。その後、素振りで体を温めていただいてからマイクラブで打っていただき、トラックマンでデータをとりました』(後藤フィッター)

これは後で分かったことだが、後藤フィッターは素振りの段階から前田さんのスイングを観察・分析し、どんなヘッドとシャフトが合うのかおおよそつかんでいたという。

さて、前田さんのマイクラブの計測結果だが、7番でキャリー137.4ヤード、トータル159.6ヤード。『まずまずのデータだと思います(笑)。トラックマンは厳しいデータが出ると噂で聞いていましたが、ふだんコースで実感している距離との乖離はありません。ただ、4球目にいつものヒッカケが出てしまいました』という前田さん。

後藤フィッターの診断は『ヘッドスピードと入射角に対して弾道は理想値の範囲内ではありますがフィッティングでまだまだ上げられそうです。もう少し高さが出るとキャリーが伸びてグリーンを狙えるようになりますね』(後藤フィッター)とのこと。

そこで、今回のフィッティングではスピン量と打ち出し角を増やせるヘッドとシャフトを見つけていくことが目標となった。このように明確かつ具体的な“ゴール(目標数値)”を設定したうえで、新しいクラブ探しのための計測が行えるのはフィッターの存在があってこそだろう。

自分には無理と思っていた“小さめヘッド”で予想外の好結果が出た!?

スピン量と打ち出し角を増やしキャリーを伸ばせる可能性のあるヘッドとして、後藤フィッターが提案したのは飛び系でPINGの中では最もやさしい「G730」とコンパクトヘッドで操作性の飛び系「i530」。

マイクラブ(#7):28度
G730(#7):26.5度
i530(#7):27.5度


まずは、前田さんの感想を聞いてみよう。『「G730」はマイクラブよりもロフトが立っていて飛びそうなので私の中では本命クラブでした。一発で決まればうれしいなと思いつつ、ボールを打つとスピン量が1200回転くらい増え、最高到達点とキャリーも少しずつアップ。いきなり目標をクリアすることができ、これで決まりかと思いました』(前田さん)
しかし、『パフォーマンスはもっと上げられます。G730で高さとスピンが増えたのはフェースが開いて当たっているからで、その証拠にボールはすべて右方向に出ています。ロフトが立っているのにトータル距離が落ちているのも球がつかまっていないからです」と言う後藤フィッター。前田さんは目を丸くして、“なるほど”と納得。

『自己流で選んでいたら、後藤フィッターが指摘した部分に気付かずにG730を購入していたと思います』(前田さん)
フィッティングのメリットを早くも実感し始めている様子だ。

次に試したのは「i530」。実は前田さん、「G700」を購入する際、操作性が高い「i500」(2018)も試してみたもののヘッドが小さくて芯に当たる気がまったくしなかったという。
『「i530」もマイクラブと比べるとヘッドが小さいので、ちゃんと当てられるか心配しながら振ってみたところマイクラブや「G730」よりも振りやすく、当たったときの感触も気持ちよく感じました。何よりびっくりしたのは、3球ともマイクラブの「G700」のベストショットと同じくらい飛んで、キャリーは10ヤードくらい伸びたことです』(前田さん)
この結果に対して、後藤フィッターは『初速が上がってキャリーが安定しています。目標に対してボールを出すことを考えると『i530』のほうがパフォーマンスは上がっていますね』(後藤フィッター)

前田さんも「i530」に前向きな気持ちがあるとのことで、フィッティング前には想定外だった「i530」のヘッドでフィッティングを進めることになった。

PINGのフィッティングだから分かったこと①クラブは長いほど飛ぶとは限らない

フィッティングには試打専用のヘッドを使用。PFS武蔵浦和では、交換用シャフトはウッド・アイアン合わせて1500本以上用意されている。

ヘッドのモデルが決まったら次はクラブ長の診断だ。まず、身長と手首から床までの長さを測ってPING独自のカラーコードチャートに当てはめる。前田さんの身長は179センチ、手首の高さは35インチなのでギリギリで標準長に当てはまる。だが、『少し飛距離を出したい』という前田さんの希望を汲んで、半インチ長いシャフトを用意する後藤フィッター。
しかし、さらなる飛距離アップを目論んだ前田さんだったのだが、残念ながら右のミスが増え、飛距離そのものも落ちてしまった。
『クラブを長くすると飛ぶ可能性はありますが、当てにくさやつかまりにくさで効率が悪くなることもあるのです。今回は標準の長さ(#7:37インチ)で組むことにしましょう』と言う後藤フィッター。
この結果に対して前田さんは『長くしても飛距離が出るとは限らないとわかったのも、フィッティングを受けたことによる収穫ですね!』と笑顔を見せた。

PINGのフィッティングだから分かったこと②ライ角によって弾道は目に見えて変わる

カラーコードチャート表によれば、前田さんの適正ライ角は標準より1度アップライトのブルーになる。これで本当にパフォーマンスが出せるかどうかを実打でチェック。ライ角を1度アップライトに調整し、ソールにマーカーを貼り付けてもらったクラブで打つと、ボールはセンター方向に飛んだが、ソールをこすった痕はトゥ寄りに付いた。さらに2度アップライトに調整してもらうと打痕はセンターに移動したが、ボールは左に出た。

『ソールの中央に打痕が付いて、実弾道で真っすぐ飛ぶのがベストですが、スイングによって打痕と弾道が一致しないこともあり、その場合は実弾道で判断します』と後藤フィッター。
結果、前田さんの適正ライ角は1度アップライトのブルーに決まった。
『正直、ライ角だけでここまで弾道が変わるとは思っておらず、違いを体験できたのは今後のためにもよかったです。ちなみにPINGのフィッティングを受けて購入する場合、埼玉県戸田市にあるPINGの工場で1本1本きちんと組み立てられて届くのはうれしいですね』(前田さん)

ヘッドが決まり、クラブ長さとライ角も決まった。さあ、次はシャフトだ。

後藤フィッターは素振りでベストなシャフトを見抜いていた?

『キャリーを出すためにはヘッドだけでなくシャフトも重要な役目を果たします。ここまでマイシャフトと同じ80グラム台の「N.S.プロ 850 neo」のSでフィッティングを進めてきましたが、10グラム重い「N.S.プロ 950 neo」と10グラム軽い「N.S.プロ 750 neo」を打っていただき、ボールスピードが上がるかどうか見極めます』(後藤フィッター)

その結果、90グラム台の「N.S.プロ 950 neo」は振りづらさを感じて飛距離がダウン。70グラム台の「N.S.プロ 750 neo」は最初の一発目は飛んだものの、2、3球目は打ち出し角が減ってキャリーがダウン。後藤フィッターの診断では『シャフトが軽すぎて打点が低くなりましたね。一発の距離よりも平均値を良くした方がパフォーマンスは上がります』(後藤フィッター)とアドバイスを受け、シャフトの重さは80グラム台に決まった。

ピン純正の「AWT2.0」も試したが、今度は球がつかまりすぎて左に出るようになり、前田さんには最初から打っていた「N.S.プロ 850 neo」がベストということを再確認。
ちなみに後藤フィッターは、前田さんの素振りを見たときから中調子で打ち出しも上がる「N.S.プロ 850 neo」が良さそうだと見抜いていたそうだ。
『たとえ同じ結果になるとしても、最初からあなたにはこのシャフトと断定されるより、いろいろ試して結果の違いを見比べながら辿り着いた結論のほうが自分としては納得できるし、これから安心して使えるように思います』(前田さん)

ベストな結果を追求した結果、“プロっぽくてカッコいい”憧れのコンボセットに行き着いた!「小ぶりなヘッドもすぐに慣れちゃいました!」

手のサイズを測ってグリップの太さを決めてもらい、フィッティング終了かと思いきや、最後の最後に後藤フィッターから『短い番手に「i230」をコンボすれば、もっと高さが出てランを減らせるかもしれません』というサプライズな提案が!

この提案に対して前田さんは『コンボアイアンはツアーで活躍する金谷拓実プロみたいで格好いいし、アイアンでちゃんと止まる球が打てれば平均スコア90切り、ベススコア70台も夢ではないと欲が出て(笑)、後藤フィッターの提案を受けることにしました』(前田さん)とうれしそうに笑った。
※金谷拓実はアイアンを飛び系中空アイアンの「G710」の5番、操作性が高いキャビティ―アイアン「i230」の5番〜PWで組んでいる。

結果は後藤フィッターの予想通り、「i530」よりも打ち出し角、スピン量、最高到達点のすべてがアップ。球のバラつきも小さくなって、自分が振りやすければ小さなヘッドでもちゃんと当たることもわかった。同じ7番でも「i230」は、「i530」よりロフトが寝ているので飛距離差はちょうど10ヤード。7番を2本入れ、6番と7番にやさしく飛ばせる「i530」、7番から下には高さとスピンで球が止まりやすい「i230」をコンボすることに決まった。

『私は今回初めて知ったのですが、PINGのアイアンは1本ずつでも買えるそうなので、番手を自由自在にコンボできるのがうれしいです。それにしてもコンボセットに決まったのはうれしい誤算でした。また、今回、PINGのフィッティングを受けてみて感じたのは、自分の思い込みや世間の評判だけでクラブを選ぶと大損をするということです。今日のことがなければ、安定した飛距離と方向性も、グリーンに止まる弾道とスピンも得ることができなかったでしょう。フィッティングを受けたことで、私自身の最大パフォーマンスを引き出してくれるクラブに出会うことできました。組み上がったクラブを受け取るのが楽しみです。フィッティングを受けて大正解でした!』(前田さん)

この前田さんの感想でハッキリした。売り上げのデータが示した通り、PINGのアイアンが人気を維持し続ける理由のひとつには、フィッティングにあったのだ。
良いクラブを自分に合わせてカスタムすることで、さらに良いクラブに仕上がるのなら、フィッティングを受けない理由はないというわけだ。

【PINGフィッティングスタジオ武蔵浦和】
PINGの全モデルのヘッドと1500本以上の試打シャフトを常備。トラックマンの計測データを基にわかりやすい。PINGのアパレルや歴代モデルの展示もあり。JR武蔵浦和駅から徒歩3分、専用駐車場あり。
・埼玉県さいたま市南区白幡5-18-26
・営業時間/平日11:00~20:00、土日祝9:00~18:00(不定休)
・フィッティング予約専用電話/050-2018-6615
https://clubping.jp/pfs/musashiurawa/

全国のPNGフィッティング実施店舗
PING認定フィッター在籍店 │ CLUB PING【PINGオフィシャルサイト】

ピンフィッティングスタジオ/直営店
ピンフィッティングスタジオ│CLUB PING【PINGオフィシャルサイト】