“チタンな打感”で初速も抜群! 予想を超えた飛びの『8軸カーボンフェース』ドライバー
野村タケオのゴルフ実験室
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ヤマハさんからインプレス ドライブスターの新製品が発売となりました。これ、なんとフェースがカーボンなんです。しかも8軸カーボンということで、かなりの高性能クラブ。所属プロの評判もいいようなので、めちゃくちゃ気になります。さっそくお借りしてコースで試打してみました!
〈取材・文・写真提供 野村タケオ〉
ヤマハから発売された「インプレス ドライブスター」のドライバーですが、これはプロが使うようなモデルではなく、アマチュア向けに作られた優しいクラブです。しかし契約プロの藤田寛之プロや今平周吾プロもかなり高評価だったと言います。これは気になりますね。
まずこのクラブの一番の特徴としてはカーボンフェースです。三菱ケミカルと共同開発した「8軸カーボンフェース」が採用されているんです。8軸というのは、縦方向と横方向、斜め45度方向のカーボンを編み込んだ6軸に加え、22.5度方向のカーボン繊維を編み込んだのが8軸カーボンということになります。このことでさらに広範囲における強度が向上し、フェースのどこに当たっても高初速を可能にできたんですね。
そしてクラウン部分にもカーボンを採用したことにより生み出された余剰重量を飛距離とやさしさに必要な重心設計に最大限活用。美しいヘッド形状ながら大きな慣性モーメントを実現し、全方位の打点ブレへの圧倒的な強さを発揮しています。
「インプレス ドライブスター」には2種類のヘッドが用意されています。正統派のヘッド形状で、つかまりすぎを抑えて飛ばせる「タイプS」。そして高慣性モーメントでつかまえて飛ばす「タイプD」です。当然両方とも8軸カーボンフェースを採用しています。
ソールデザインは両方ともシンプルで、ヘッド後方にはウェイトが装着されています。そのウェイトに向かってシルバー系のパーツが配され、とてもシャープな感じ。新しくなったインプレスのロゴもカッコいいです。
今回は両方のヘッドをコースで打ってみました。ロフトはどちらも10.5度で、シャフトは両方とも純正の「SPEEDER NX」をベースとしたオリジナルシャフトでしたが、タイプ別に少ししなり方が違うものが装着されているようです。
まずは「タイプS」から打ちました。構えてみると、少しディープ目の形状で、意外と小ぶりに見えます。後ろに長いこともなく、ネック側も少しシェイプされていて綺麗な形。いかにも優しそうという形状ではなく、操作性もありそうに感じるヘッド形状です。
シャフトは「SPEEDER NX for Yamaha M-425D」のSで54gの中調子ということです。それで総重量が289gということでした。
打ってみると、打感は少し弾きを感じますが、硬くはないです。打音は少し金属音が混じるような感じで、全くカーボンフェースっぽさを感じません。言われなければカーボンフェースと気付かないんじゃないでしょうか。
弾道は中高弾道という感じですが、まあまあ球は上がります。つかまりは結構いいです。シャフトは真ん中あたりがやんわりとしなる感じで、シャフトでも少しつかまえてくれるし、ヘッドも少しつかまえてくれるという感じがしました。ただ簡単にドローが出るほどのつかまりではなく、適度なつかまりという感じですね。スピンは少し少なめだと思いますが、めちゃくちゃロースピンということはなさそう。前に飛ぶ強い球が出ていたので、飛距離性能は高いですね。ミスヒットにも結構強く、打点がずれても同じような弾き感があって、曲がりも少ないし飛距離の落ち込みも少ないです。
コースの試打だけでなく、インドア施設でも打って計測してみたのですが、初速がいつもよりも少し速めに出ていました。これはやはり8軸カーボンフェースの影響なのかな?
室内の試打とコースでの試打をふまえると、この「タイプS」は顔が良くて構えやすく、少し少なめのスピンで強い球が出るドライバーという感じ。カーボンフェースの恩恵は受けながらも、打感や打音はチタンフェースと同じような感覚。決して難しいクラブではなく、優しく少しつかまる球が打てますね。シャフトとのマッチングもなかなかいいです。
次に「タイプD」を打ちました。こちらは構えてみると少しシャローで後ろに長いヘッドになっています。でも形状は綺麗で、今時の高慣性モーメントヘッドという感じで安心感がありますね。フェースは少しだけ左を向いているように見えます。この「タイプD」は縦横合計で約10,000g・cm2の慣性モーメントを実現しています。
シャフトは「SPEEDER NX for Yamaha TM-425D」のSで54gの先中調子ということです。総重量は289gということなので「タイプS」と同じですね。
球を打ってみると、打感や打音は「タイプS」と同じような感じだと思いました。ただ、弾道はこちらの方が少し高めですね。普通に打てば高弾道になります。つかまりは「タイプS」よりはいいかな〜とは思いますが、極端につかまるヘッドという感じはしません。つかまったストレートか軽いドローが出るという感じでしょうか。
シャフトは先が少し大きめにしなるので、シャフトでもしっかりつかまえてくれる感覚はあります。無理につかまえに行くと少し左に引っ掛かるかも。普通に振っておけばいい感じのつかまり具合になります。
スピンは「タイプS」よりも少しだけ多めになる感じ。その分安定して飛ぶような気がします。ミスヒットへの強さは当然この「タイプD」も素晴らしくて、打点がブレても球はブレにくい。
室内での計測でも、やはり初速が速くて飛距離が出ます。ただ僕が打った感覚では、飛距離性能は少しだけ「タイプS」の方が高いのかな〜という感じでした。ほんの少しですけどね。
室内とコース試打の結果を見ると、「タイプS」よりも、こちらの方が優しくつかまえて飛ばせると思いました。ヘッドスピードがあまり速くなくても球は楽に上がるし、シャフトのしなりを使ってつかまえることもできます。こちらも先中調子の純正シャフトとのマッチングがなかなかいいと思いました。
今回「インプレス ドライブスター」の2種類のヘッドを打ち比べましたが、両方とも打ちやすく、飛距離性能が高いと思います。ヘッドスピード40m/s以下の人でも「タイプD」なら楽に打てそう。ヘッドスピードが45m/sくらいになってくると、少し総重量の軽さや、シャフトのしなりの大きさが気になってくるかも。
少し残念なのは、「インプレス ドライブスター」は2種類とも可変スリーブ装着モデルではなく、接着モデルなんですよね。だからシャフトを気軽に変えられない。可変スリーブにすると、そこに重量を取られてしまうので、接着にしているんだと思いますが、やはり少し残念。特に「タイプS」に自分好みのシャフトを合わせたりすると、恐ろしくいい感じのドライバーになりそうな予感がするので。しかしシャフトとのマッチングは両方ともとてもいいので、これはこれで完成度の高いドライバーに仕上がっていると思います。
ぜひ皆さんも8軸カーボンフェースのドライバーの飛びを一度体感してみてください。
ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。
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