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松山茉生が松山英樹と石川遼から学んだこと。2人のスーパースターは何を伝えたのか?
高校1年生で日本アマを制覇した松山茉生。圧倒的飛距離はツアーでも通用した。(写真は2024年 日本オープン 撮影/相田克己)
先週の国内男子ツアー「ダンロップフェニックス」で注目を集めたのは、予選ラウンドで松山英樹と石川遼。さらに高校1年生で6月の「日本アマ」を制した松山茉生が同組で回ったことだった。日本人唯一のメジャー覇者と、高校1年でツアー優勝して「ハニカミ王子」となった二人のスーパースターは次世代のエース候補に何を伝えたのか。
松山は意識して振り、遼は「初めて自分と照らし合わせた」
大ギャラリーを引き連れての2日間。松山英樹は「ポテンシャルと飛距離はすごいものがある。意識して振ったけど、何度か勝てて良かった」とドライバーの飛距離をかなり意識していたことを明かしました。
また石川遼も「自分の高校生の時と照らし合わせたのは初めて」と、まだ茉生が生まれていない2007年に高1でツアー優勝して一躍ゴルフ界を代表するスーパースターとなった頃の自身と、17年の時を経て初めて比較する対象が現れた、と言いました。
「ショートゲームを磨け」
茉生の4日間通算の平均飛距離は303.91ヤードで、堂々の3位です。
松山と遼は初めて見たビッグドライブに魅了される一方で、次の時代を担うエース候補にしっかりと金言を授けていました。
松山が贈ったのは「60、70、80ヤードの精度を上げた方がいい」でした。
茉生の父、阜司(たかし)さんは「この距離からなら1メートルに付けられるようにならないと、ということですよね。今はまだワンピンぐらいの精度ですから」と話し、今後ツアーやさらに上のレベルで戦っていくためにはレベルアップがマスト、と受け止めていました。
もっとも、茉生がツアーに初めて出たのはほんの1か月半前の「バンテリン東海クラシック」。普段は一般ゴルファーと同じように人工芝マットでレンジボールを打つ環境なので、この距離の練習をしても実際のラウンドとは感覚が全く異なります。
飛距離がどんどん伸びていく時期なので、普段の練習では得意の2番アイアンなど長い番手を打つのが楽しくなるのは致し方ないことでしょう。
来年以降はナショナルチームに入るなどして芝から練習できる機会が増えれば、必然的にショートゲームを磨いていくことになるはずです。
「楽しくやって」
一方の遼は「本当にこれからですし、何も気にせず楽しくやってほしいなと思います」と、自身に過度のプレッシャーをかけるなどすることなく、常にゴルフを楽しむ気持ちを持ち続けてほしい、とアドバイスしていました。
「技術だけじゃない違い」
かけがえのない経験ができた茉生は大会を振り返って「(松山と遼の)お二人はピンチのような状況からでもしっかりパーセーブしてくる。自分はチャンスの状況からモノにできなかったりした。グリーンも自分は下りに付けることが多かったのを上りに付けていた。そこに打てる技術だけじゃない、マネジメントとか安定感が違うな、と思いました」と総括しました。
初日と2日目のホールアウト後は「何を話したのかよく覚えていません」と言うほど緊張していたようですが、しっかりと学習。今後のゴルフ人生の糧を得ました。
今週はツアーの「カシオワールドオープン」に出場。そして来年どれだけ成長してくれるかが楽しみです。
(取材・文/森伊知郎)
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