3パットが増えたのはパットの調子が悪いせいじゃない? グリーンにオンした位置を思い出してみて!
石井良介のゴルフ・すべらない話:第52回
3パットが増えたのはパットの調子が悪いせいではなく、グリーンにオンする位置がピンから遠くなったから!? 発展途上のアマチュアゴルファーにありがちなスコアアップを阻む勘違いを石井良介が解説!
3パットが増えてもゴルフが下手になったとは限らない
当然のことながら、ラウンドで起こる問題はレベルに応じて変わってきます。例えばアマチュアあるあるで、ショットがある程度打てるようになると、それまではグリーンに乗らなかった距離から乗るようになります。
そこで何が起こるかというと3パットが増えます。乗るには乗ったけれど、グリーンの端に引っかかったり、カップから遠いところに乗るのでロングパットが増えるため、3パットする確率が高くなるというわけです。
そうなるとみんな「最近、パターの調子が悪いんだよね」などと言いはじめます。それまではグリーン周りからアプローチして2パットだったのが、グリーンの端から3パットになっただけで本質はあまり変わっていないんですが、パットが悪くなったとカン違いしてしまうのです。
まあ、それでロングパットを練習する分には、向かうべき方向は間違っていないので問題ありません。ただ、スコアカードのパットの枠に「3」と入ると嫌な気分になるので、ラウンドでそれが起こるとショットでピンを狙ったり、ロングパットを狙いにいきます。でも所詮は自分ができないことに手を出すわけですからスコアを崩す。ということで、一にも二にもカン違いしないことが大事です。
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アマチュアゴルファーの中にはスコアカードにラウンドの内容を一生懸命メモする人がいます。悪くはありませんが、これにも落とし穴があるので気をつける必要があります。
例えば各ラウンドのパット数から平均パット数を割り出している人がいると思いますが、あまり意味がないかもしれません。なぜならコースによってグリーンの難易度が変わるから。たとえ同じコースでもピンポジションによって難易度が変わります。つまり、条件が全く違うフィールドでの結果を一緒くたにして「平均パット数がいくつだった」というのは乱暴な話で正当な評価とは言えません。
これは昔からある方法ですが、パットを正当に評価するなら最後にカップインしたパットが何歩の距離だったかをメモしておく方がいい。ロングパットが入っているのか、寄せワンが多いのかがわかります。パットの枠に1が多くても全部50センチのパットなら、パットではなくアプローチがいいということ。でも1が多いとパットがいいと思えてしまう。1や2と書くだけではダメで、その価値を見出せてはじめて数字が意味のあるものになる。そんな落とし穴があるので見誤らないようにしないといけません。
もうひとつパットで言うなら、グリーンには硬い、軟らかい、遅い、速いなどありますが、自分はどういうグリーンが得意か苦手かを分析してみると面白いでしょう。さらに細かくやるなら、どんなラインを入れているか、あるいは外しているかまで分析すると得意パターンや苦手なラインが見えてきます。
苦手がわかれば何を練習すればいいかがわかります。上達した暁には得意なラインが残るようにアプローチやショットを打つ、みたいなカッコいいこともできるようになります。中には全く無頓着でもうまい天才肌の人もいるので、そこは人によりけり。いずれにしても「環境がなくてパットが練習できない」と言う人がスコアを伸ばしたいなら、せめてそれくらいのことはした方がいいんじゃない、というお話でした。
石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。
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