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LPGAツアーのQシリーズをトップ通過した山下美夢有 シーズン中に見たその強さの理由
山下の粘り強いプレーはきっとアマチュアゴルファーの手本となる。(写真は2024年JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 撮影/Getty Images)
アメリカLPGAツアーのQシリーズ(予選会)ファイナルステージは、最終ラウンドを64で回った山下美夢有が見事にトップ通過して2025年シーズンの出場資格を得た。その強さの源はこんなところにあるのだろう、というシーンがシーズン中にあった。
パー5で歩測していた、意外なポイントは
2位になった「大東建託レディス」 でのこと。パー5の2打目をピンまで50〜60ヤードまで運んだ山下はグリーンにまで歩測に行きました。
これ自体はプロのトーナメントではよくあるシーンですが、その後の行動が他では見ないようなものでした。
この時のピンポジションはセンターよりやや奥。フロントエッジからピンまでのちょうど真ん中あたりにマウンドがあります。
傾斜の度合いなどを念入りにチェックした山下は、マウンドの頂点に“仁王立ち”。何をしているのか?と思って見ていたら、ボールの横に待機させていたキャディーにレーザー測定器(日本女子ツアーでは試合中の使用が認められています)で距離を測ってもらっていました。
自身で歩測もしていますが、より正確な距離を知りたかったのでしょう。
エッジまで。あるいはピンまでを測るのはよく見る光景ですが、マウンドまでの距離を測る選手は初めて見ました。
「平均バーディー数」1位になったゴルフIQの高さ
この状況だと、ほんの1〜2ヤードキャリーが短くてマウンドを越えられないと10メートルといった長いパットが残ってしまうこともあり得ます。
マウンドをキャリーで越える。あるいは手前でクッションさせて下り傾斜で寄せていく。攻め方は様々でしょうが、単にピンまでの距離を測るのではないチェックの仕方にゴルフIQの高さを感じました。
3年連続をめざした年間女王の座は竹田麗央に譲りましたが、1ラウンドあたりの平均バーディー数「4.3394」は堂々の1位です。
持ち前の高いショットの精度があってこそですが、こうしてコースの状況をより詳細に把握することがこの部門でのトップにつながっているのだと感じさせられました。
欧米のコースのグリーンは、全体を5~6分割して、ピンのある「面」にボールを置かないとワンパットで上がるのは至難の業。
そこでバーディーを奪うためには、マウンドまでの距離を把握した上で攻め方を考える習慣は役立つことでしょう。
しのぐゴルフ、にも役立つ
一方、日本ツアーで今シーズン53位だった平均飛距離236.36ヤードは、単純にLPGAツアーに当てはめるとランキングがついている最下位(160位)の選手にも及びません……。
日本に比べて空気が乾燥していることが多いアメリカでは飛距離は伸びる傾向にありますが、「飛ばし屋」ではないことは明らかなので、“寄せワン”のパーでしのぐシーンも増えてくると思われます
山下は今シーズン、パーオンしなかったホールをパー以下のスコアでホールアウトする「リカバリー率」で史上最高の「75.7333%」を記録して1位となりました。
前述のマネジメントと、この粘り強さはアメリカでの活躍を期待させます。
しっかり準備してベストのプレーを
最終ラウンドの前の第4ラウンド(Qシリーズファイナルステージはトータル5ラウンド)も63で回った山下はトップ通過を決めた後「しっかり準備して、来年はベストのプレーをしたい」と語りました。
日本が誇るショットメーカーが来シーズンどんなプレーを見せてくれるかが楽しみです。
(文/森伊知郎)
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