冬にカチャカチャしたくなる理由。それは、普段できることができなくなるから

さっそく本題に入ろう。まずは、冬にカチャカチャしたくなるのはなぜなの? 小倉さん。

『ゴルフ経験の長い読者にとっては耳にタコだと思いますが、冬は寒くて厚着しなきゃいけないし、体が温まりません。思っている以上に体が動かなくなるし、ヘッドスピードも上がらなくなります。ボールも冷えてつぶれないから、本来のパフォーマンスを発揮しているように感じられないですし、シャフトも硬く感じて、しなりにくくなります。飛ばなくなる要因が、冬にはたくさんあるんですね。そうした冬ゴルフのイヤーなあるあるを知っているゴルファーからしたら、何かを変えたら少しでもイヤーなことが緩和できるんじゃないか、と思ってカチャカチャしたくなるのは至極当然のことかもしれませんね』(小倉)

では、飛ばないなと思ったらどうすればいい? まずカチャカチャでできることの代表例は、ロフト角を変えられるということ。でも、ロフトを増やしたほうがいいのか、逆にロフトを減らしたほうがいいのか。どちらなのだろう。

『大部分の方はロフトを増やしたほうがいいですね。その理由は、前述した3つの”できない”があるからです。1)体が動かない 2)いつものリズムで振れない 3)ヘッドスピードが上がらない。このことによって、打ち出しが低くなってキャリーが出なくなるからです。ここで、地面が硬くなってランが出やすくなるから、ロフトを減らしてライナー性の球を打ったほうがいいんじゃないの? と思う方もいるでしょう。ですが、3つの”できない”によって、ボールもつかまえられ無くなっているんですね。ですから、キャリーを確保しつつ、右へのミスを抑えて安定した飛びを得ようと思うなら、ロフトを増やすことをオススメします』

逆にロフトを減らしたほうがいい人もいるのだろうか。

『はい。寒くてもいつもと同じようにクラブをブンブン振れるという方は一定数います。こうした方々は、冬になるとむしろ“つかまりすぎる”ことで悩んでいたりするんですね。ですから、冬の3つの“できない”とは無縁なわけですから、ロフトを増やす必要はありません。そのままカチャカチャしないから、ロフトを減らしてカチカチのフェアウェイを生かしてランで飛距離を稼ぐという選択をするのもアリです』(小倉)

なるほど。カチャカチャによって、飛距離が落ちがちなティショットの結果を良き方向に変えることは可能ということか。ちなみに、冬になるとスライス傾向がひどくなるという人は、『がっつりロフトを増やしちゃったほうがいいです。1軸のカチャカチャの場合は、ロフトを増やすとフックフェースになるので、思い切りフックフェースにしちゃってもいいですよ』とのことだ。

ところで、ドライバーによってはソールに設置されたらウェイトをいじることもできるが、ウェイトをいじるのはどうなのだろう。また、シャフトを軽いものに変えたら振りやすくなったりはしないのだろうか。

『厳密に言えば人それぞれなのですが、クラブの総重量にしろヘッド重量にしろ、変えないほうが無難ですね。ほとんどの人が、思ったような結果は得られないと思います。ウェイトに関して言えば、もともと備え付けられている可変ウェイト機構をいじってつかまりを良くする、みたいなことは良いですけどね。ヘッド重量が変わるようなウェイトの変更とか取り外しとか、シャフトを60gから50gに差し替えるとかは、逆にスイングが乱れる、または混乱する原因になりかねないのでオススメしません。ただ、SからRにフレックスダウンするのは、問題ありません。単にしなりやすくなるシャフトを使うことになるだけなので、暖かい時期と同じ感覚で振りやすいからです。とはいえ、同じシャフトのSとRを持っている人は……なかなかいないですよね(笑)』(小倉)

寒い冬。いつものように振れない、飛ばないことで悔しい思いをしているゴルファーは多いと思う。カチャカチャを有効活用することで少しでも良い結果が得られる可能性はあるということなので、参考にしてもらえれば幸いだ。

解説:小倉勇人・おぐら はやと
元ゴルフ雑誌編集者のスウィング&クラブアドバイザー。現在は千葉県にあるゴルフ練習場「ユニオンゴルフクラブ」にて「ゴルフフィールズ ユニオンゴルフ店」で店長をしつつ、過去の経験で得た知識を武器にゴルフライターとしても活躍中。飛距離は250ヤード、持ち球はフェード。ベストスコア68。