1ホールに4〜5ヶ所ある。ゴルフにおけるマネジメントとはセーフゾーンを渡り歩くこと!
吉本巧のゴルフギア教室 第52回

米国で修行中に米ツアーの選手たちは総じて「パッティングが上手すぎる」と衝撃を受けたプロコーチ・吉本巧。その経験から、スコアを追い求めるならグリーンでは”トランスフォーム”が必要であること、またマネジメントに関しても新しい発見を得たという。今回は、吉本コーチの若かりし頃の経験談を交えたゴルフのマネジメントのお話。
アメリカのプロゴルファーはパッティングが“エグイ”くらい上手い!
今回は私がアメリカで修行していた頃の話をします。10代半ばから10年以上にわたり、ゴルフのメッカであるフロリダ州をベースに練習を積んでいましたが、当時は3月に行われるPGAツアー、アーノルド・パーマー・インビテーショナルの会場のベイヒル・クラブ&ロッジで、USオープンやUSアマチュアの予選が行われていて、私も毎年のようにエントリーしていました。
名門だけあってベイヒルはすごく難しいコースですが、そこで予選に出た時(USオープンかUSアマかは忘れました)に、練習ラウンドでジャーミー・アンダーソンという全く知らない選手と一緒に回ったのですが、彼はハーフを29で回りました。練習でリラックスしたラウンドとはいえ30切りはエグい。まだ20歳くらいの選手でしたが、そういう化け物みたいな選手がゴロゴロいたのです。
何がうまいかってパターがうまい! PGAツアーのプレーヤーは300ヤード超えのドライバーやキレキレのアイアンショットの印象が強いと思います。確かにそうですが、多くの場合、みなさんは絶好調で優勝争いをしている選手を見せられています。実際のところ、そこまで全てがいい選手はほんの一部。ティショットが曲がる選手もいれば、グリーンを外しまくる選手もいます。
でも、パターは例外なくみんなうまい。私の師匠の息子さんはツアープレーヤーでしたが、彼は30メートルのパットを3球打って2回入れていましたが、みんながそんな感じで、私からしたら異次元の世界にいるようでした。グリーンは硬くて目も詰まっているので、そもそも速い。おまけにトーナメントセッティングですから、いきなりやったらプロでも手に負えないはずなのに……。
なぜあんなに入るのか? 私はラインの読み方・考え方が違うんじゃないかと思いました。うまい言い方が浮かばず恐縮ですが、入らない選手は自分ありきで構えているのに対して、入る選手は必ずしもそうでない気がしました。
1ホールに4〜5ヶ所あるセーフゾーンとは?
次のページ