1ホールに4〜5ヶ所ある。ゴルフにおけるマネジメントとはセーフゾーンを渡り歩くこと!
吉本巧のゴルフギア教室 第52回
プレーヤーはグリーンを流れる水みたいな存在に
ゴルフはコースでいいスコアを出さなければいけないので、まずゴルフ場ありき。自分が前に出すぎてはダメで、コースに合わせなければいけません。プレーヤーはグリーンを流れる水みたいな存在にならなければいけないのですが、彼らは当たり前のようにそれができているように思いました。
つまりは、どれだけグリーンに合わせて“トランスフォーム(対応・変容)”できるかが大事。自分をぶつけてもうまくいかないので、まず相手の話を聞く。グリーンが話しかけてくる言葉に耳を傾けると、意外とやることが絞られて自分を変えることができます。ツアープロは我を通しているように感じますが、実は逆でみんな柔軟。例えば「スライスの方がやさしいよ」とグリーンが言ってきたら、なるべくスライスラインにつける。「今日は下りはサービスだよ」と言ってきたら、あえて上りは残さない、といった感じです。
アマチュアの方の場合、もっぱら自分の理想とする形がゴールで、そこに向かって邁進しますが、それはかえって遠回り。今できる範囲でグリーンに合わせて“トランスフォーム(対応・変容)”するほうがスコアに結びつきます。
パッティングするまでのルーティンは守るけれど、アドレスはパットごとに変わるプロもたくさんいます。ツアープロはみなさんが思っている以上に感覚優先で、そこまで形にはこだわっていません。もっと言えば、ルーティンもグリーンに合わせるためのもの。そこに気づけた人がパット巧者なのでしょう。

2025年こそ80台ゴルファーになる! 90切りに必要なマネジメントとクラブ選び
スコア80台の常連になるために必要なマネジメント、クラブ選びを正月休みの間にコッソリ予習しておこう! 2025年の初ラウンド...
これはグリーン以外でも言えること。ゴルフにおけるマネジメントとはセーフゾーンを渡り歩くことですが、1ホールには4~5ヵ所セーフゾーンがあり、そこを渡り歩けるといいスコアになります。18ホール、仮に1ランド5時間としたら、5時間中どれだけ長い時間セーフゾーンにいられるかです。
私の場合、セーフゾーンは消去法で探します。ティショットなら、まずOB、ハザード、ワンペナエリアをチェックする。先にどこに打つかを決めるんじゃなく、打っちゃダメなところをどんどん意識から消していきセーフゾーンに行き着くわけです。これは2打目以降も一緒です。
デンジャーゾーンを意識すると、そこに飛びやすと言われますが、それは意識したままだから。ホールをパッと見たら、全部見えてしまうわけですから、そこからダメなところを排除していく。これがルーティン化されれば意識には残りません。見ないようにしよう=意識しているということなんです。
グリーン周りはワナが集中していますから、グリーンを狙う場合には特に有効な考え方だと思います。グリーン周りのセーフゾーンについては、手前30~60ヤードのエリアに多い傾向があります。ハザードやトラブルになりやすいエリアはグリーンから30ヤード程度の範囲に集中していて、花道よりさらに手前になると何もない。フェアウェイも広く、あえてそこに打っていく人も少ないのでライも悪くありません。そのあたりのエリアからのアプローチを練習しておけばボギーで収まりやすいと思います。もちろんそうではないホールもありますが、そう多くありません。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。

160ヤードからグリーンに乗る確率を100%にしたい! ロフト何度のUTを選べばいい?
160ヤードをミスなく、高確率でグリーンに運ぶクラブが欲しい。悩みに悩んで候補を3つのユーティリティに絞り込んだのだが、...

ハーフスイングで狙ったところに打てれば100は切れる。じゃあ90切りが目標なら?
目標スコアによって、やるべき練習は違うのかと思いきや石井良介は「基本的にやるべきことは一緒」と言う。でも、スコアの良...

100切りゴルファーは使うクラブの本数を絞るが、目標が90切りになったら増やすことを考えよう
スコア80台を目指す段階になったら、まずはアプローチの技術を磨くことに重点を置くべきだと言う吉本巧。そこで頭の中を切り...