前回お話しましたように、理想はこのシャフトしなり測定器(Shaft Wave)を使っての診断をしていただくことで、いろんなことがわかりますし、的確に合うシャフトを見出すことができます。

ですが、まだ、この測定器が広まっていない現時点では、ある程度、自分で見出す必要があると思います。
そこで、今回は、その自己分析の方法をいくつか例を挙げながら書いていきましょう。

1.ワッグルのクセ

前回も書きましたように、ワッグルを見ると、そのシャフトをどのようにしならせたいのかがわかることが多いです。
例えば、ヘッドを左右(前後)に動かすワッグルをする方は、タテ型の方が多いです。
ヘッドを動かしたい、つまりは棒の先端を動かしたいということになりますので、手元を支点に動かす動きとなります。
そのため、手元側がしなってしまうと、その動きに先端側(ヘッド側)が追随してこないので、動かしにくく感じてしまいます。
ワッグルでヘッドを細かく動かす癖のある方は、手元が硬い方が良いと感じている方が多いです。
こういった方は、手元しっかり系の先調子を選びましょう。

2.始動のクセ

バックスイングの始動でどのようにクラブを上げるかで、シャフトがどのようにしなると心地よく感じているかがわかる場合があります。
例えば、ヘッドを引きずるように低く長く上げようとする方は、ヨコ型の方が多いです。
こういう方は、ヘッドを遅らせて、手元からしならせる動きから始動していると考えられますので、そうなると、手元側がしなってくれた方が心地よく感じます。
こういった方は手元調子をオススメします

逆に、アーリーコック気味に、ひょいっとバックスイングを上げる方、こういう方は、上記のワッグルの時と同様に先端(ヘッド)を動かしたいタイプなので、手元が硬い方が良いでしょう。

3.フェースの向き

シャフトのしなる方向は、フェースの向きも考慮しなければなりません。
このシャフトしなり測定器(Shaft Wave)のデータは、シャフトの動く方向とフェースの向きの関係性も記しています。

例えば、シャットフェースの場合、ヨコにシャフトはしなります。
シャットフェースになることにより、フェースの前後方向(フェース⇔バック方向)にシャフトをしならせることになるからです。
フェースとシャフトの関係性でありますが、その方向に動かしたいというクセはつまりはクラブの動きでもありますので、シャフトしなり測定器(Shaft Wave)の分析結果にはつながります。
すなわち、シャットフェースに使いたい方は、やはりヨコ型都いうことになりやすいです。
シャットフェースの方は、元調子系が合うことが多いです。

4.切り返しのクセ

この辺りは、動画などで確認が必要になってきますが、この切り返しの仕方が一番シャフトのしならせ方の癖が出るところでもあります。

たとえば、シャフトクロスする方はわかりやすいです。
シャフトがクロスするということは、その反動で戻る動きもあります。
シャフトクロスしたままダウンスイングに入ることはありません。
切り返しの時点で、シャフトクロスがまっすぐに戻る時に、シャフトはヨコに動きます。
つまりはシャフトクロスする人は、手元側がしなる方が心地よくタイミングを取られる方が多いです。

ただし、だからといって元調子にしてしまうと調子が悪くなることもあります。
こういう方は、このクロスさせることでタイミングを取っている場合が多く、手元がしなりすぎてしまうと、余計に切り返しの間が必要になってしまいます。
そのため、この部分だけで判断することは難しく、全体の流れから、手元をどの程度柔らかいものにしていったらよいか見ていく必要があります。

ですが、パターンとして多いのが、元調子の硬めのシャフトにすると合う人が多いようです。

5.リリースのタイミングと求める球筋

ダウンスイングでどのようなタイミングでリリースをかけるか?この辺りは感覚的なお話かもしれませんが、ご自身で判断できる一つの要素であると考えています。
その上で、どんな球筋の結果が心地よく感じるか?でシャフトの使い方がわかることが多いです。

ダウンスイングでは、シャフトは、切り返しでぐーっとしなったシャフトが戻ります。
その戻る力は、シャフトの復元力もありますが、スイングの途中でのタイミングでリリースをかけていることが多いです。

リリース=手元側のスピードの調整と言ってもいいでしょう。
簡単に言えば、手元側のスピードを緩めれば、先がぐーっと走っていくのは想像していただけるでしょうか?

つまり、どのタイミングで、手元側の負荷を緩めているのか?はたまた緩めていないのか?によって、シャフトのしなり方は大きく変わってきます。
いわゆる、タメの効いているスイングと言われる方は、リリースが遅いです。
逆に、キャストすると言われる方は、リリースが速い
と言ってもいいでしょう。

では、まずは、そのタメの効いたスイングをしたい場合を考えてみましょう。
こういう方は、切り返しの時に、体に引き付けるように、グリップエンドが下にむかうように動かす人が多いです。
つまり、切り返しでグリップエンドが結構動いて見えます。
ということは、グリップエンド側に力を加えていると言ってもいいでしょう。
そうなると、グリップエンド側=クラブの手元側が硬い方が引き付けやすいと感じる方多いでしょう。

ただし、ここで、球筋のお話もしなければなりません。
手元側が硬いシャフトを引き付けるように動かした際に、クラブが少し遅れてくれた方が右に打ち出しやすいと感じている方も多いです。

切り返しで少しクラブが遅れて欲しいと感じている方は、手元側が硬すぎない方が良いでしょう。

逆にキャストする人はどうでしょう?
キャストする要因の一つとして、ダウンスイングでのしなり戻りが間に合わないと体が反応している人が多いと考えています。

つまり、シャフトの復元力やリリースだけではシャフトが戻りきらないと無意識に判断して、手首の角度をほどくことで、それを補助している、そういう動きがキャストだと考えています。

こういう動きがしやすいシャフトは、シャフト全体がしなるものになることが多いです。
ヨコかタテかという判断で行くと、ヨコに近いのですが、先も動いてほしいので、いわゆる中調子系が良い場合が多いです。

たいていの場合、この動きの場合スライスで悩んでいる方も多く、つかまりの良くなりやすい、全体にしなるシャフトで結果が良くなる方が多いです。

まだ、挙げることができる要素もありますが、まずは上記の項目で目安を付けていただけると嬉しいです。

自分に合ったシャフトを使うと……

そして、このシャフトのクセにあったシャフト、タイミングの取りやすいシャフトを使い続けるとどうなるか? のお話もさせていただきましょう。

シャフトのしならせたい方向やクセの通りにシャフトがしなるとどうなるのかというと、実は全体のしなり量は減ります

これを、シャフトを効率よくしならせているというように表現をします。
シャフトは物質ですので、力のかけ具合でのしなり量は変わりますが、しなりやすい方向までは変わりません。

そのしなりやすい方向じゃない方向にしならせようとすると、余計なしなりが発生します。
その結果、シャフトの全体のしなり量が増えてしまうことになります。
シャフトしなりやすい方向に、しなりを打加えるとその方向のしなり量は減りませんが、それ以外の方向へのしなりが発生しにくくなるので、全体のしなり量は減ることになります。

例えば、タテ型のしなり癖の人に、タテにしなりやすいシャフトを渡すと、それ以外の方向にしなることは少ないので、しなる方向が一定になります。
そうなると、スイングの精度が上がることは想像していただけますでしょうか?
つまり、シャフトのしなりのクセ通りにしなるシャフトは、意図しない方向へのしなりが減りますから、結果として、安定してインパクトを迎えられるということにつながります。

そして、このシャフトのしなりの効率が良くなることで、スイングスピードが上がることがあります

意図しない余計なしなりが発生していると、戻しきれない=当たらないという感覚が無意識に働き、スピードを落として意図する方向へしなるようにタイミングを取ることが起きます。

この動きが無駄な動きとなって、スピードを落とすことにつながります。

簡単に言えば、しなりで飛ばすのではなく、シャフトを効率よくしならせることで、スピードを上げることができる、とご理解いただければ嬉しいです。

かつ、タイミングよく振ることができると、芯に当たりやすくなりボールスピードを上げることも可能ですし、また、意図したショットが打ちやすくなるということにつながっていきます。

これがここ1年でシャフトのしなり測定器(Shaft Wave)を使用した結果から導かれた結論です。

是非とも、一度は、このシャフトしなり測定器(Shaft Wave)をご体験いただき、自分に合う傾向のシャフトを見つけていただければ嬉しいです。

それが、実は、上達の近道であると考えています。

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。