スタンスがどこにあろうが関係なし。大事なのはボールの位置

ニュースでご存じの方も多いと思いますが、先日の女子トーナメント「Vポイント×SMBCレディスゴルフトーナメント」でこんなことがありました。

2日目の13番ホール、某選手がレッドペナルティーエリアに打ち込んだときのことです。その選手は救済を受けようと球を拾い上げてドロップしたのですが、意図するスタンス区域(スタンスを取ろうとした場所)がレッドペナルティーエリアにかかるため、再ドロップが必要だと考え、球を拾い上げました。

さらに2回目のドロップも同じ状況になったため、再度拾い上げて、そのボールが最初に地面に触れた箇所にプレースしてプレーを続けたのです。

このプレーに関して、翌日、大会関係者から「最初にドロップした球がインプレーの球ではないのか」との指摘があったといいます。本人にも確認したところ、誤りに気づいたことから、誤所からのプレーということで2罰打が加えられました。

これについて、ルールに則って記すと次のようになります。

【規則9.4「プレーヤーが拾い上げたまたは動かした球」に違反して、誤所からの球をプレーしたことに対する規則14.7aに基づく一般の罰となり、規則3.3b(3)「ホールの間違ったスコア」に基づき、そのホールに含めるべきであった罰打を加え、最終的には、13番ホールのスコアが「6」から「8」に修正された】

果たしてこの場合、何がいけなかったのか? 多くのゴルファーが勘違いしがちなミスなので詳しく説明しておきましょう。

レッドペナルティーエリアに入ったときに取るべき方法は4つあります。1つ目は、「そのまま打つ(無罰)」、2つ目は「元の位置に戻って打ち直す(1罰打)」、3つ目は「後ろに下がってドロップして打つ(1罰打)」、そして4つ目は、エリアの境界線を横切った箇所を基点として、ホールに近づかないよう2クラブレングス以内にドロップして打つ(1罰打)」。

この選手は、4つ目の方法、一般的に“ラテラル救済”と呼ばれる方法を選択し、基点から2クラブレングス内にボールをドロップしました。ここまでは何の問題もなかったのです。

しかし、ドロップしたボールに対してアドレスに入ろうとしたところ、スタンスがレッドペナルティーエリアにかかってしまいました。そのため、「レッドペナルティーエリアに足を踏み入れてボールを打つのはルールに抵触する」と勘違いして、ボールを拾い上げ、再ドロップしたのです。

ところが、ルール上、再ドロップできるのは、「2クラブレングスという範囲内を越えた場合」「基点より前に転がった場合」「最初に触れたエリアと違うエリアに転がった場合(例えば、フェアウェイにドロップしたボールがバンカーに転がった場合)」に限られています。つまり、スタンスがレッドペナルティーエリアにかかっても「そのまま打ちなさい」というのがルール。これに抵触してしまったということです。

よくよく考えてみれば、単なる勘違いから生まれたものですが、「ルールを熟知していない」といわれればそれまで。アマチュアゴルファーもついうっかりやってしまいがちなミスなので、しっかり覚えておきましょう。

真鍋雅彦
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。

ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。