1. TOP メニュー
  2. スコアに効く
  3. 飛びすぎもショートもダメ!グリーン周りのハザードが「右手前と左奥」は難易度が高い!

飛びすぎもショートもダメ!グリーン周りのハザードが「右手前と左奥」は難易度が高い!

石井良介のゴルフ・すべらない話:第70回

2025/04/02 ゴルフサプリ編集部

グリーン周りのハザードの配置によっては難易度がグーンと上がる。その中でも、右利きプレーヤーにとって鬼門とも言えるのが「右手前・左奥」にハザードが配置されているホールだと、石井良介は言う。そして、マスターズの舞台、オーガスタの12番・パー3は、その代表例なのだとか。どういうことなのか、解説してもらおう。

ハザードの位置によってはショートも飛びすぎも大ケガになる可能性がある

2打目以降であれ、パー3のティショットであれ、グリーンを狙う時には留意しなければならないことがあります。ハザードはその最たるものですが、ここでグリーンに対するハザードの配置を思い起こしてみてください。結構な確率でハザードがグリーン右手前と左奥にあるケースがあると思います。右手前と左奥にバンカーがある、といったパターンですね。また、これとは逆に、左手前と右奥にバンカーがあるケースもあります。

この2つ、どちらの難易度が高いと思いますか? 考えたこともない人がほとんどかもしれませんが、右利きのプレーヤーにとっては、圧倒的に前者=右手前と左奥にバンカーのあるケースが難しくなります。

なぜかというと、ダフりやトップ、シャンクといった類のミスはさておき、それなりにボールにコンタクトできたショットがミスになった場合、右に飛ぶボールは距離が出ず、左に行くと飛びます。グリーンを基準に言うなら、右に飛ぶとショートし、左に飛ぶとオーバーすることが多くなるわけです。そうなると、どちらのミスが出てもバンカーにつかまる確率が高くなりますから、グリーンの右手前と左奥にバンカーがあるホールは、難易度が高いと言えるのです。

逆に左手前と右奥にバンカーがあるホールは、同様のミスをしてもバンカーに入る確率は低くなります。バンカーに入ってしまった場合、多くはクラブの選択ミスが原因。例えばショートするかもしれないギリギリの番手で強振し、ヒッカケて左手前のバンカーへ。右奥に入ったら、よほど大きな番手を持ったということで、クラブさえ間違えなければ、左手前と右奥のバンカーは右打ちゴルファーにとって何てことはないんです。

オーガスタ,12番,パー3

マスターズを思い出してください。オーガスタナショナルの12番パー3は、グリーン手前にクリークが流れて左奥が花壇ですから、そもそも右利きのゴルファーにはすごく難しい。おまけに風が舞っている中、選手たちはショートアイアンを持たされ、グリーンは奥に向かって速い。まさに三重苦、四重苦のホールですから、どこにピンがあろうとみんなセンターに打ってきます。パトロンはそれがわかっているので真ん中に乗った選手にも拍手を送るわけです。

ところが、あのホールを得意とする選手がいます。フィル・ミケルソンやババ・ワトソンなどレフティのプレーヤーです。もちろん簡単ではありませんが、レフティにとってはそこまで難しいホールにはならないんです。その代わり逆のホールもあって、それが16番パー3。左手前が池で右奥がバンカーです。だから右打ちのプレーヤーはみんなピンを狙ってくる。右にペラッと行ってもバンカーか花道、奥に飛ばしてもアプローチが打てますからね。

ホールレイアウトの妙で言うと、バックナインの2つのパー3は真逆の性格をもっています。アマチュアの方は距離が長い方が難しく、短い方が簡単だと思っているかもしれませんが、多くの選手は12番の方がはるかに難しいと思っています。

右手前・左奥にハザードがあるホールはセーフティな選択肢が無難

ということで、右手前と左奥にハザードがあるホールはミスするとハマることを前提に、攻めるかセーフティに行くかを考えた方がいいでしょう。ただし、これは地形的にも距離的にもオーソドックスなホールの場合の話。打ち上げ気味だと打球が巻いて左手前のバンカーに入ることがあるし、ティショットでティアップが高めだとツマ先上がりになり、これまた左に飛びやすくなります。また、ホールの作りによって目線を変えられたり、レイアウトにスイングが反応してしまうこともあるので、より難しくなる可能性があります。

グリーンはコースによって大きかったり小さかったりしますが、一般的には手前のエッジから奥まで30ヤードくらいだと思います。ということは、グリーンセンターを狙えば1番手大きくても小さくても普通に当たれば乗るはず。中途半端に打つからミスになるわけで、しっかりいいショットをすることが第一です。

さらに右手前と左奥にハザードがあったら、どこが寄せやすいかを考える。どこにあっても池は避けなければいけないし、バンカーは寄せづらいので、こう考えれば結果的に外してもいいところが自ずとわかってきます。逆に左手前と右奥のバンカーなら積極的に攻める。ミスしてもそれほど難しいアプローチは残らないはずです。

ゴルフ場はいろいろなことを考えて作られています。距離が短くても難しくできるし、長くてもやさしくできます。いずれにしても言えるのは、ゴルファーはホールレイアウトによってミスするように誘導されること。ちょっと面倒くさいですが、そういった策略と対峙できるとゴルフの楽しみ方が変わってきます。

アイアンでのティショット、ティアップが高すぎると芝の上のボールが打てなくなる!?

アイアンでティショットを打つ際、ティのボールを乗せるお皿は地面からどのくらいの高さにありますか? もしも、ボールを置...

あわせて読みたい

パターでコロがすならグリーンエッジから3ヤードまで!【グリーン周りからパターで寄せるコツ】|スコアアップに繋がるダボ対策シリーズ

ゴルフのスコアアップを目指すうえで、ダボ(ダブルボギー)対策は重要なポイントだ。そこでゴルフコースでの様々なシチュエ...

あわせて読みたい

グリーン周りのアプローチは体を回す!ミスの原因は回転不足にあり!

グリーン周りからの短いアプローチショットでミスをして、スコアをまとめられないアベレージゴルファーは多いもの。状況判断...

あわせて読みたい

グリーン奥のラフからはボールが飛ばないように「速く振る」

グリーンをオーバーしてパーオンを逃したボールは奥のラフに行ってしまった。でも、ここからボギーオンでワンポットならパー...

あわせて読みたい
石井良介

石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。