大慣性モーメントドライバーと相性の良いフックグリップ。相性の良いスイングタイプは?
勝又優美は見た!「そのスイング改造、いりません」Case.8

これまで大勢のゴルフ大好きおじさんたちをレッスンしてきた勝又優美コーチが見てきた「本当は必要のなかったスイング改造」と、その解決方法を紹介するシリーズ。ゴルフが好きだからこそ陥りがちな”スイング改造の落とし穴”。今回のテーマは「フックグリップ」。昨今さまざまな理由で取り入れるゴルファーが多いグリップスタイルだが、万人向けというわけではなさそうだ。
フックグリップは腕のローテーションを使える人には不向き
昔からボールがつかまりやすいと言われるフックグリップ。アドレスで左手の甲が見える感じで、かぶせ気味に握るスタイルです。昨今はヘッドが返りづらい大慣性モーメントのドライバーが普及したこともあり、多かれ少なかれ、ややフックに握るゴルファーが増えています。つかまりやすいフックグリップで握り、フェースターンを抑えて打つというわけです。

50代以上のゴルファーの多くはスクエアグリップでゴルフを覚えているかもしれません。少数派ですがウィークグリップの人もいるでしょう。そんな中には、飛距離が落ちてきたことを理由にフックグリップを取り入れる人が少なからずいます。
確かにスクエアグリップやウィークグリップにはフェースが開きやすいという一面があります。特にウィークグリップは、それがゆえによくないと言う人もいます。でも、ウィークグリップでも真っすぐ打てている人は昔からたくさんいます。

お客さんにもそのような方が一定数いますが、そんな方の一人が「最近、球が左に飛んで手に負えない」と言っていたことがあります。そこで「もしかしてグリップ、変えました?」と聞くと、案の定フックグリップにしたとのこと。前述したように、球が飛ぶからという理由でフックグリップに変えていたのです。
スクエアグリップやウィークグリップで真っすぐ打てていた人がフックグリップにすると左に飛びます。なぜそうなるかといえば、腕のローテーションを使っているからです。
腕のローテーションとは、ヒジから先をタイミングよく左にターンさせながら打つこと。こうするとフェースが開きやすいタイプのグリップでもインパクトでスクエアに戻せます。いわばスキルがあるわけで、これができる人にフックグリップは必要ありません。左に飛ぶのは、ボールがつかまるフックグリップと腕のローテーションが相まってフェースが返りすぎるからというわけです。

フックグリップがいいという意見は、腕のローテーションを抑えた方がクラブの挙動が安定するという考え方がもとになっていると思いますが、効果があるのは腕のローテーションが使えない人で、基本的にフックグリップと腕のローテーションは共存しづらい関係にあります。
これは一つの目安ですが、スクエアあるいはウィークグリップの人の場合、トップで左手首が背屈(甲側に折れる)するとフェースが開きます。そのままクラブを下ろすとインパクトでもフェースが開くので、この傾向がある人はフックグリップを試してもいいでしょう。


勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。

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