アドレス時のフェース向きのまま動かせる。オデッセイのトルクレスパター「MAX 1」を試した
野村タケオのゴルフ実験室

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。最近流行りのトルクレスパター、またオデッセイからつかモデルが発売になりました。形状的にはどっかで見たことあるぞ? っていうもの。いったいどんな性能なのでしょうか。さっそくコースに持ち込んで試してみましたのでレポートします。
〈取材・文・写真提供 野村タケオ〉
「L.A.B GOLF」にそっくりだけど、細部にオデッセイらしさが隠れてる
新しくオデッセイから発売されたのは「Ai-ONE Square 2 Squareパター」シリーズの追加モデル「MAX 1」と「MAX STRIPE」です。この2つのモデルは同じ形状ながら、「MAX 1」はブラックボディに短めのサイトラインが入ったもの。「MAX STRIPE」はボディ全体に太く白いラインが入っており、目標に対してより構えやすいデザインとなっています。
その中で僕が今回試打したのはシンプルなデザインの「MAX1」の方です。

しかしこのヘッド形状、何かに似ています……。そうトルクレスブームを作った「L.A.B.GOLF」の「DF3」というモデルにかなり似ているんですね。細部を見ればそっくりというわけではないのですが、ヘッドのシルエット的にはかなり近い。正直ちょっとこれはどうなのかな〜と思う部分もありますが、パターヘッドの形状は各社似ているものも多いですから、これはこれで仕方ないのかなとも思ったり。

で、細かい部分を見ていくと、フェースから数センチ後ろにシャフトが差さっています。これはトルクレスパターの特徴ですよね。重心位置にシャフトを差すのでこの形になるんですね。そして構えてみるとシャフトは少し左に傾いています。これはアドレスしたときにフェース面が左にあり過ぎて違和感を感じることを防ぐためでしょうね。他のメーカーもやっている工夫です。また自然とハンドファーストの構えとなることで、低く長いストロークが勝手にできるという利点もあります。
しかし他メーカーでやっているような、シャフトに対して斜めにグリップを入れることはしていません。そのまま真っすぐ少し太めで丸いグリップが装着されています。

ソールを見ると、とてもシンプルで真っ平になっており、ロゴがたくさん刻印されていますが、蓋のようなもので閉じられており、この中では色々とウェイト位置を変えてバランスを調整しているのかもしれません。
「L.A.B.GOLF」のパターなんかは、かなり多くのウェイトがソールに付いていますからね。

そしてフェース面には「Ai-ONE・インサート」が装着されています。これはオデッセイの他のAi-ONEパターと同じく、オフセンターヒットしても、ボールスピードの低減を抑えるようにAIが設計したもの。この部分が他者のトルクレスパターと違う部分で、オデッセイの優位性ですよね。

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もうひとつのオデッセイならではの部分が「STROKE LAB 90シャフト」です。すべてをスチールでつくりながら90g台の軽量さを実現し、手元側のシャフト内部にはカウンターウェイトを搭載しています。そのことでパター全体の慣性モーメントが高まり、一貫性のある安定したストロークを実現しています。
コースで試打してみましたが、まず構えてみるとハンドファーストの独特のポジションとなりますが、他社のトルクレスパターも色々と打っているので、もうこの構え方には慣れました。初めての人は少し違和感を感じるかもですが、少し練習すればすぐになれると思います。
ヘッド形状的には独特のものですが、あまり違和感はないし、大きいヘッドなので安心感はありますね。ヘッド上部には短めのサイトラインがありますが、形状的に目標方向に対して段差があるので、とても構えやすくなっています。この部分が白くなっている「MAX STRIPE」の方はもっと構えやすいのかもしれません。

ストロークしてみると、やはりトルクレスパターだけあって、フェース面が勝手に開いたり閉じたりするという力が働かず、構えた時のフェース向きのまま動かせます。カウンターバランスになっているからか、ヘッドの重さはあまり感じず、軽くヘッドを動かせますが、ヘッドの動きはスムーズでブレるような感じはありません。とにかく何の抵抗もなくスーッとヘッドが動くという感じです。これはトルクレスパター特有の感覚ですね。

ボールを打つと、打感は少し柔らかめで、打音もコツっと音がします。転がりはとても良く、打ち出しのスピードも速すぎずちょうどいい感じ。フェース面が動かないので思った方向に打ち出しやすいです。
わざとトウ側やヒール側でヒットしてみましたが、慣性モーメントが大きいからか、ヘッドのブレは少なめ。そして「Ai-ONE・インサート」のおかげか、転がる距離もほとんど変わりません。結果的には多少打点がズレても方向性・距離ともに影響が少ないという感じがしました。
ラウンド中は特に2メートル以下くらいのパットで安定感を感じました。思った方向に打ち出しやすくなるので、入れたい距離が入る確率が高くなります。僕は少しショートパットに不安があるのですが、この日はいつもより不安なく打てました。やはりパターの動きに任せてストロークすればいいだけという感じがいいんだと思います。
ロングパットも距離感は合っていましたね。やはりストロークが大きくなると打点がズレ気味になるのですが、このパターは多少ズレてもしっかり転がってくれるので、距離感や方向性の狂いが少なかったです。

「Ai-ONE Square 2 Squareパター」の「MAX1」をコースで実際に使ってみましたが、個人的にはかなり気に入りました。形状的に他社のモデルにすごく似ているので、打つ前は言葉は悪いですが「これはパクったのかな〜」なんて思いましたが、実際に使ってみると独自のテクノロジーが詰め込まれており、とても完成度の高いパターに仕上がっていました。現在のテクノロジー全部入りみたいな感じですかね。
ただし、これがどんなゴルファーにも合うかと言うのはわからないと思います。このどこにも負荷がかからずスーッとストロークできる感覚が合う人にはとてもいいと思いますが、正直この感覚が気持ち悪い人もいると思います。パター以外のクラブは重心位置を感じながら降るわけで、パターだけそれが感じられないということに違和感を覚える人もいると思います。そういう方は今までと同じようなピンタイプとかを使う方が気持ちよくストロークできるでしょうね。しかし、僕のように少しストロークに不安がある人には救世主的なパターになる可能性もありますので、ぜひ一度ショップ等でストロークしてみてください。バッチリハマれば凄い武器になると思います。
ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。

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