スクエアインパクトしたいからノーコック? それなら緩めにフィンガーグリップを意識して!
勝又優美は見た!「そのスイング改造、いりません」Case.24
これまで大勢のゴルフ大好きおじさんたちをレッスンした勝又優美コーチが見てきた「本当は必要のなかったスイング改造」と、その解決方法を紹介するシリーズ。ゴルフが好きだからこそ陥りがちな”スイング改造の落とし穴”。今回のテーマはノーコックスイング。ショットが右に左に曲がるとフェースの開閉を抑えたくなる。その一つの答えがノーコックスイングと考え、実践を試みるアマチュアがいる。果たしてこれって正解なの?
ノーコックスイングも実際にはどこかで必ずコックしている
ショットの曲がりに頭を抱えるゴルファーの中には、フェースターンを抑えて打てば真っすぐ飛ぶだろうと考えている人が一定数います。そんな人がトライするのがノーコックスイング。スイング中のコックをなるべく控えることで過度なフェースターンを抑え、スクエアにインパクトして方向性を良くしようと目論むわけです。
確かにノーコックでスイングすればフェースターンは少なくなります。でも、徹頭徹尾ノーコックのスイングはありえません。そんなことをしたらパッティングみたいなストロークになり、トップの位置が極端に低くなってしまいます。そこからダウンスイングしたらアーリーリリースは確定的。ヘッドの入射角度が浅くなって手前から入るためダフりやすくなり、ロフトもつくから距離も出ません。当然ヘッドの運動量も減ってヘッドスピードが出ませんから当たっても力ない球になります。「ノーコックのイメージでスイングしている」と言うプロもいますが、それはあくまでイメージ。実際にはどこかで必ずコックしていて、そのタイミングが違うだけです。つまり、スイング全体を見た場合にノーコックは存在せず、アーリーコックかレイトコックか。まずはこれを理解してください。
ということで、ノーコックのイメージはもっても構いませんが、終始両腕とクラブでできるY字をキープするイメージのスイングはNGです。そうなっている人はグリップをキツく握っているかもしれないので、クラブを振った時にヘッドの運動量が手元よりはるかに大きくなるようフィンガーグリップで緩めに握りましょう。そのプレッシャーのままクラブを振り上げれば、ノーコックのイメージで振ってもクラブヘッドがリードする感じで自然なコックが入ります。また、トップに近いところまでノーコックのままでも切り返しからダウンスイングでコックが入ればレイトリリースできてヘッドの運動量を増やすことができます。
いずれの場合にも必要なのは、ヘッドの運動量を増やしつつ適正な入射角を作ること。フェースターンを少なくするにしても、ある程度打ち込まないといけません。それにはダウンスイングで手首の角度をキープするために、右前腕を左へターンさせることが必要になります。
その結果インパクトでハンドファーストになる=フェースの開閉も少なくなるのです。逆に言えば、右前腕の左ねじれを使わなければ、フェースが開くのでリリースを早くしてフェースの開閉を大きく使うスイングになります。
安定的にフェースの開閉を抑えるにはノーコックよりもインパクトエリアで手首の角度(右手首)を極端に変えないことが不可欠。ヘッドの軌道がダウンブローになり適正なロフトでインパクトできます。
勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。
飛距離アップに高いトップは必要なし! それよりも胸から始動してコックを入れてみて!
これまで大勢のゴルフ大好きおじさんたちをレッスンしてきた勝又優美コーチが見てきた「本当は必要のなかったスイング改造」...
大慣性モーメントドライバーと相性の良いフックグリップ。相性の良いスイングタイプは?
これまで大勢のゴルフ大好きおじさんたちをレッスンしてきた勝又優美コーチが見てきた「本当は必要のなかったスイング改造」...
バックスイングで左ヒジは曲がってもOK!? その理由は、伸ばそうと力んで胸が回らなくなるから!
これまで大勢のゴルフ大好きおじさんたちをレッスンしてきた勝又優美コーチが見てきた「本当は必要のなかったスイング改造」...