“マン振りスイングでも曲がらない”ジャスティン・トーマスのスイングとクラブを分析
筒 康博のスイング&クラブマッチング
攻撃的なゴルフが魅力のジャスティン・トーマス。同学年のジョーダン・スピースとともに、次の世代を担う存在だ。飛んで、曲げるが、乗せてくるところが強さの秘訣。今回はジャスティン・トーマスのスイングとクラブを分析していく。
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ジャスティン・トーマス
1993年4月29日生まれ。ケンタッキー州ルイビル出身。178㎝、66㎏。2013年プロ入り。昨シーズンはWGCブリヂストン招待など3勝、ツアー通算9勝。世界ランク4位、平均ストロークは69.118で3位。ドライバーの平均飛距離は311.9ヤードで11位。
解説:筒康博
伝説のプロコーチ・後藤修氏に師事し、独自のスイング理論とプロコーチ術を学びながら、ギアにも深く精通。数々のゴルフ誌にギア企画、スイング論やレッスン記事で登場している。プロアマ問わず7万人以上のゴルファーにアドバイス経験を持ち、フィッティングセミナーや公演も精力的に行っている。
ジャスティン・トーマス選手のスイングとクラブを分析
1カット目
大きなフットワークが使いやすい広めのスタンス。
2カット目
アゴを少し回すことで肩の捻転をしやすくしている。
3カット目
腰の回転にブレーキをかけない分コックは少なめ。
4カット目
左ヒザが内側に入る大きな捻転の飛ばせるトップ。
5カット目
素早いフットワークがジャ ンプアップの源。
6カット目
下半身に急ブレーキがかかり腕&クラブが加速する。
7カット目
左腕とクラブが高速で走る低スピンインパクト。
8カット目
長い足使いが大きなスイングアークを作る。
ジャスティン・トーマス選手のスイングのポイント
《正しい「手元の浮き」は曲がらず飛距離アップできる》
決して体格に恵まているわけではないのに飛んで曲がらないドライバーショットを放つトーマス選手のインパクトを見ると、今までタブーと言われていた「手元の浮き」がハッキリと見られます。
ヘッドスピードアップの最大化を考えた場合、シャフトのしなり戻りのエネルギーを大きなスイングアークに変換するためには当然のプロセスです。これは、最新スイング解析機器「GEARS」による世界のトッププロのスイングデータでも確認されています。
ただし、これは巧みなフットワークと体幹の強さがあってこそ。インパクトでも前傾角度を保ち頭の位置が下がっているように見えますが、ジャンプアップ動作が生むカラダ&クラブ両方の「フルリリースインパクト」はブレを減らしながらボールスピードをアップす る超裏ワザスイングになっています。
▲ジャスティン・トーマス選手のスイング
ジャンプアップしても上半身の前傾角度は変わらずに振り切っている。それが飛ぶ要因だ。
ジャスティン・トーマス選手のクラブのポイント
使用クラブ:タイトリスト TS3
- ヘッド体積:460㎤
- ロフト:9.5度
- シャフト:三菱 ディアマナBF 60TX
《タイトリスト史上最高の初速性能「TS」シリーズ》
タイトリスト最新ドライバー「TS3」は、史上最高クラスの初速性能大きな操作性と高い重心距離のバランスが絶妙な高 MOIヘッドでした。飛んで曲がらないドライバーショットが最大の武器のトーマス選手にとって、なくてはならない1本となっています。
ドロー&フェードの打ち分けをイメージしながら、大きく曲がる心配のない高初速&低スピン性能の高い 「TS3」ヘッドに使い慣れた三菱ケミカル「DIAMANA BF60 (TX)」シャフトの高い追従性の組み合わせはまさに鬼に金棒。すでにPGAの2018-2019シーズンは始まっているので、トーマス選手のビッグドライブが何度も見られているはずです。
曲がらず飛ばせるドライバーショットが打てれば、ゲーム 全体にも自信が持てる点はプロもアマも同じはずです。
GOLF TODAY本誌 No.558 58〜59ページより