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“正確性抜群のドライバー”稲森佑貴のスイングとクラブを分析

筒 康博のスイング&クラブマッチング

2018/12/07 ゴルフトゥデイ 編集部

正確性抜群のドライバーを武器とするプロゴルファー稲森佑貴選手。難コースになればなるほど力を発揮するプレーヤーだ。今回は稲森佑貴選手の曲がらないショットの打ち方をスイング、クラブ両面から探る。

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稲森佑貴
1994年10月2日生まれ。鹿児島県出身。24歳。169㎝、68㎏。高校2年生の2011年にプロテストを一発合格。2012年にツアーデビュー。賞金ランクを確実に年々上昇させ、2017年は20位に。2018年「日本オープンゴルフ選手権競技」で初優勝。15年から3年連続フェアウエイキープ率1位。18年は73、69%で同部門1位。

解説:筒康博
伝説のプロコーチ・後藤修氏に師事し、独自のスイング理論とプロコーチ術を学びながら、ギアにも深く精通。数々のゴルフ誌にギア企画、スイング論やレッスン記事で登場している。プロアマ問わず7万人以上のゴルファーにアドバイス経験を持ち、フィッティングセミナーや公演も精力的に行っている。

稲森佑貴選手のスイングとクラブを分析

※スイングの連続写真で打っているクラブはゼクシオナインドライバーです。

1カット目
右手が下に来るので右肩が少し下がって見えるのが背骨を真っすぐにすること。

2カット目
左目でボールを見ながらテークバックは肩が入りやすい反面カラダが反りやすいので注意。

3カット目
下半身を大きく動かさずに深い肩の捻転ができるのは若さと柔らかさの証。見た目ほどコックの意識はない。

4カット目
ドローヒッターはフラットなトップになるがアドレス時の手の高さが低いことも要因。

5カット目
大きなタメを作らなくてもシャフトのしなりを利用することでヘッドスピードアップができる。

6カット目
ドローヒッターの場合はアッパーブローになりすぎないよう注意することでフックを防ぐことができる。

7カット目
カラダを目一杯大きく使うフォロースルーは小平選手にも見られる動き。

8カット目
今回一番マネして欲しいのがフィニッシュ。ポージングだけでもストレッチ効果が得られるはず。

稲森佑貴選手のスイングのポイント

《フェース開閉の少ないナチュラルドロースイング》
稲森選手は、いわゆる中肉中背の典型的な日本人体型。もちろん、トレーニングをしていますが、天才タイプです。

しかし、スイングは決して「才能に頼った職人タイプ」ではなく、安定したナチュラルドローを打つ「基本に忠実なスイング」が見られます。特にインパクト後のフェースターンは必要以上に返さずに、身体の回転に合わせて「遠くの人と握手するように」腕を伸ばすことによってボールをつかまえています。

また、ダウンスイングで大きなタメを作ったり上下左右の大きな動きをしなくても、インサイドからインパクトできるダウンスイング軌道がグッド。自然にボールがつかまるシャットフェース気味の丸いスイング孤は、一般ゴルファーの皆さんでもマネできそう。リスクが少なくチャレンジできる、現実的なお手本スイングかもしれませんね。

▲稲森佑貴選手のスイング
タメを作りすぎないダウンスイングと、大きなフォローで高弾道のドローを打っている。

稲森佑貴選手のクラブのポイント

※クラブは関西オープンで撮影

使用クラブ:ダンロップ ゼクシオテンドライバー

  • ヘッド体積:460㎤
  • ロフト:8.5度
  • 長さ:44、75インチ
  • シャフト:スピーダーエボリューション661
  • 硬さ:X

《打ち出し角を確保してキャリーアップできるカスタマイズ》
ドローボールが持ち球の稲森選手にとって最大の敵は、スピン量や打ち出し角が足らずにキャリー不足になってしまうこと。そこで、オートマチックにつかまって大きな打ち出し角が得られるヘッドを採用しています。また、手元のしっかり感と操作性に優れ、先しなりの特徴を持った「スピーダーエボルーション661」シャフトを装着することで、ヘッドスピード&キャリーアップの両立ができています。

男子プロの中では比較的小柄でパワースイングではない稲森選手が堂々と活躍できる理由は、自分のスイングとクラブの役割分担が上手にできていることだと思います。ドライバー以外にもロングアイアンのスピン量と高さを出すためにKBS「S-TAPER」R+スチールシャフトや単品ウェッジに「610wedge」Sシャフトを入れたりと、カスタマイズに工夫を凝らしています。


筒 康博のスイング&クラブマッチング


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GOLF TODAY本誌 No.553 164〜165ページより