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“低重心&高初速ヘッドで飛距離を最大化”フィル・ミケルソンのスイングとクラブを分析

筒 康博のスイング&クラブマッチング

2019/02/09 ゴルフトゥデイ 編集部

シニア目前ながら、スイングの柔軟さは全く変わらないフィル・ミケルソン選手。ドライバーの平均飛距離も300ヤードを超えていることは驚きといえる。今回は、フィル・ミケルソン選手のスイングを使用クラブとともに分析する。

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●“低重心&高初速ヘッドで飛距離を最大化”フィル・ミケルソンのスイングとクラブを分析


フィル・ミケルソン
1970年6月16日生まれ。カリフォルニア州サンディエゴ出身。191㎝、92㎏。1992年プロ入り。昨シーズンはWGCメキシコ選手権で、ツアー通算43勝。世界ランク29位、平均ストロークは69.9で14位。ドライバーの平均飛距離は316ヤードで5位。※2019年2月3日時点のデータ。


解説:筒康博
伝説のプロコーチ・後藤修氏に師事し、独自のスイング理論とプロコーチ術を学びながら、ギアにも深く精通。数々のゴルフ誌にギア企画、スイング論やレッスン記事で登場している。プロアマ問わず7万人以上のゴルファーにアドバイス経験を持ち、フィッティングセミナーや公演も精力的に行っている。

フィル・ミケルソン選手のスイングとクラブを分析

1カット目
肩からダラリと下げたやや低いグリップ位置が腕のリキみを抑える。

2カット目
下半身主導で捻転するためフェースがネジれにくく大きなアークを描く。

3カット目
腕にリキみがなく無理にトップを止めないためオーバースイング気味になる。

4カット目
トップでできた腕とシャフトの角度を保ったまま大きなタメがダウンで生まれる。

5カット目
一気にシャフトの縦しなりを使ってヘッドスピードを出すため手元の高さは大きく変わる。

6カット目
右手首が真っすぐキープされているので、左手をフルリリースしてもフェース面はネジれない。

7カット目
スイングアークが大きいままフィニッシュへ向かうのでアップライトなフォロースルーになる。

8カット目
背中に巻きつけられたクラブは反動でアドレス時と同じ状態で胸の前に戻る。

フィル・ミケルソン選手のスイングのポイント

《腕とシャフトの縦リリースでヘッドスピードアップ》

レジェンドの域に達しているミケルソンは、常に最新ギアを自分の武器にできる身体にストレスの少ないスイングが最大の特徴です。

連続写真は彼の持ち球であるストレートドローを打ったときのものですが、低重心&高初速ヘッドの持つ高打ち出し&低スピン性能を飛距離に最大化させる腕使いが見事です。

身体はインパクト時を想定し、やや高めにアドレス。下半身を積極的に使ったヒールアップを採用し、体全体で回転に近い捻転を作ります。

どこにもブレーキをかけないためオーバースイングになりますが、トップですでに腕とシャフトにタメができているのでそのままダウンスイングに入るだけ。腕とシャフトの角度変化 が大きいフルリリースを行うことで、楽にヘッドスピードアップを行っています。

トップで腕とシャフトを柔軟に使ったタメが作られている。それをインパクトに向けて思い切りリリースしていくので飛ぶ。

フィル・ミケルソン選手のクラブのポイント

使用クラブ:キャロウェイゴルフ ローグ サブゼロ ドライバー

  • ヘッド体積:460㎤
  • ロフト:9度
  • シャフト:三菱ディアマナBF60TX
    (トゥルーテンパー プロジェクトX HZRDUS T1100も使用)

《いろいろなシャフトテストができる信頼のヘッド》

ミケルソン選手が使用する「ローグ サブゼロ」は、重心が低く 重心距離が長すぎない操作性も兼備された最新ヘッド。ドロー・ フェードの打ち分けやすさと、ボールが曲がりすぎない直進性にすぐれています。

打点を変えてもボール初速がほとんど変わらな い「広反発」ヘッドなので、調子やコースによって様々なシャフトや長尺ドライバーも難なく使いこなし、大きな飛距離を実現できています。

また、シャフトの動きを大きく使い、ヘッドスピードに変換するミケルソン選手の使用するシャフトは、手元の剛性が高め。ムチのように動く腕とクラブをコントロールする「柄」の役割をシャフトの手元部分に求めることで、飛んで曲がらないドライバーショットを身体に負担をかけずに実現しています。

実は一般ゴルファーの方にも取り入れてほしい要素が詰まった選手です。

GOLF TODAY本誌 No.560 164〜165ページより

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