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3パットを撲滅するパターの距離感の作り方

連載「真板潔パッティングの奥技」第4回

2019/01/21 ゴルフトゥデイ 編集部

アマチュアゴルファーの大半は、ロングパットになると途端に距離感が合わなくなりショートしたりオーバーしてしまう。この原因はどこにあるのか。真板流のパターの距離感の作り方を参考にしながら3パットの撲滅を目指そう。


解説:真板 潔(フリー)
1959年12月17日生まれ。170㎝、75㎏。神奈川県出身。2000年のサントリーオープンでレギュラーツアー初優勝。シニアツアーでは2016年に年間3勝を挙げるなど、通算6勝をマーク。パターの名手として知られ、その技術と理論はプロの間でも高い評価を得ている。

パターの距離感の作り方はストロークの大きさ(振り幅)とインパクトの強さがポイント

▲コントロールするのは「ストロークの大きさ」と「ボールを打つ強さ」
パターの距離感を合わせるには、ストロークの大きさ(振り幅)に加えて、右手でボールを強く打つのかソフトに打つのか、というインパクトの強弱を掛け合わせることがポイント。

右手の感性を生かしてパターの距離感を作る

距離感を合わせることはいうまでもなく、パッティングの最重要ポイントのひとつです。しかし、距離感は「感覚」であり、教えることも教わることも難しい。ですからセオリーにこだわらず、自分なりの距離感を作りましょう。

振り幅を調節する、左右対称に振る、一定の強さでインパクトする、などが一般的なセオリーで、それらは決して間違っていませ ん。しかし、私は少し異なる方法を採用しています。一つは、「右手」の感覚をより生かすこと。もうひとつは、振り幅とボールを打つ強さを「掛け合わせる」ことです。

例えば、しっかり打ちたいときや上りのラインなどは、大きめの振り幅で強めにヒット、距離をぴったり合わせるときや下りのラインなどは、小さめの振り幅でソフトにヒット。いずれも右手主体で距離感を作り出しています。

《インパクトの強さは一定でなくていい》

下りのラインでも芯を外したりせず、芯と芯を合わせて打つ。

一定の強さでなく、インパクトの「強弱」で距離感をコントロールするのが真板流。ただし、弱く打つときに力を緩めると球のコロがりが悪くなるので、ゆっくり「ソフト」に打つ。

〜真板語録〜

「パッティングは振り子ではない」

パッティングは左右対称の振り子運動だといわれるが、ストローク中、支点となるグリップエンドが左右に大きく動くため、厳密には振り子ではない。カタチにこだわり過ぎると、感覚が生かされないので注意が必要だという。

ロングパットで距離感と方向性を合わせるにはランニングアプローチの感覚を思い出そう

アプローチもパッティングも距離感の作り方は同じ

グリーン周りで、ショートアイアンを使って10~20ヤードのランニングアプローチをするとき、何を考えていますか。打ち方よりも「打つ強さ」を意識しながら、狙ったライン上にボールを打ち出すことを最優先に考えているはずです。

振り幅と打つ強さを掛け合わせて距離感を作り、ラインを出していくという作業は、アプローチもパッ ティングも同じ。ですから、ロングパットになると距離感が途端に合わなくなる人は、このランニングアプローチの感覚を思い出してください。いいかえると距離感が合わないのは、パッティングだけ特別なことをやろうとするからなのです。

体を大きく動かさず、首の付け根を安定。右手で距離感を作り、ライン出しを最優先に考える。この延長にパッティングがある。

《パッティングとアプローチで違うのはクラブの握り方》

グリップは左手人差し指を右手の上に乗せる、いわゆる逆オーバーラッピング。

〜チェックポイント〜

「手首の動きを抑える」

距離感の作り方やラインの出し方はランニングアプローチもパッティングも変わらないが、パッティングのほうがより手首の動きを抑えてシンプルに打つ。ライン(方向性)がズレやすい人は、左手首が甲側に折れていないかをチェックしよう。

距離感を合わせるためのスタート前のパター練習方法

スタート前のパッティング練習は通常「30分」

距離感を合わせるには、そのコースのグリーンコンディションをつかむことが必須条件です。そのために私は、二つの練習方法を順番に行います。

まず、目標を設定しない(カップを狙わない)で、10~15メートルの距離を適当に打ちます。ここで大事なのは、ボールが完全に止まるまで、コロがりをよく見ること。最後にスッと伸びるのか止まるのかをチェックし、そのラインを往復します。

次に、同じ振り幅と同じ強さで、3球続けて打ちます。こちらは球のコロがりを見ません。5、10、15 メートルと距離を打ち分けて、それぞれほぼ同じ場所にボールが揃えばOK。私はこのような練習をスタート前に30 分ほどして、日々変化するグリーンコンディ ションをつかむようにしています。

1. ボールが完全に止まるまで目で追う

カップは狙わずに適当に打って、球のコロがりをよく見ることが大切。平らなラインからスタートし、上りや下り、フックやスライスといったラインを往復して、伸び方や切れ方をチェックする。

2. 同じ振り幅と同じ強さで3球続けて打つ

10メートルの距離を狙い、ほぼ同じ場所にボールが止まるように打つ。10、5、15メートルというように距離をアトランダムに打ち分けると、そのコースのグリーンに対しての距離感が養われる。

〜ルールブック〜

ピンを抜かずに打っても罰なし

2019年1月1日から新しいゴルフ規則が施行され、グリーン上では、旗竿(ピンフラッグ)を立てたままパットすることができる。従来は旗竿を抜くのがルールで、ボールが当たると2打罰だったが、罰なしに変更。ロングパットで誰かが旗竿を持ったり待ったりする必要がなくなり、プレーの進行がよりスムースになる。

GOLF TODAY本誌 No.559 154〜157ページより

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