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ゴルフ練習場のレンジボールとコースボールの違いを打ち比べてみた!アイアン編

2019/02/06 ゴルフサプリ編集部

みなさん練習場で練習をすると思いますが、練習場で使うレンジボールってコースで使うボールとは打感が明らかに違うし、飛ばないなんて話をよく聞きます。実際はどうなんでしょうか?

練習場によって違う種類のものが使われてたりするし。ある程度そのボールの特性を知っておかないと、せっかく練習をしていても効果的な練習になってない場合もあるかもしれません。

そこで練習場で使われている代表的なレンジボール2種類をコースに持ち込み、コースボールと打ち比べてみました。どんな結果になったのでしょうか?

なぜ練習場ではレンジボールを使うのかという理由はドライバー編でお読みください。

【参考】ゴルフ練習場のレンジボールとコースボールの違いを打ち比べてみた!ドライバー編

今回試したボールはこれ!

今回はダンロップスポーツさんにご協力頂いたのですが、レンジボールには大きく分けてワンピースボールとツーピースボールの2種類があります。

今回使用したワンピースボールは「スタンダードSF」というモデルで、これは練習場でもよく見かけるタイプのボール。資料によるとレンジボールとしてはベストセラーで、ややソフトフィーリング。

ツーピースボールは「DDH SP SOFT」というモデルでコースボールに近いフィーリングと飛距離性能を持ったボールのようです。なんとこのボール公認級ということで、実際にラウンドでも使えるようです。

2つのボールを見比べるとディンプルがあきらかに違って、ツーピースボールのほうがコースボールに近いようなディンプルをしています。

約150ヤードのパー3で打ってみた!

ドライバー編同様、ヘボな僕だけでは心もとないので、ハンデキャップ+1というトップアマの佐藤順さんにも協力してもらい、150ヤードのパー3で僕と佐藤さんが3種類のボールを2球ずつ打って、それぞれの飛距離とグリーンでの止まり具合をテストしてみました。

テストしたのはほぼ高低差のないグリーンセンターまで約150ヤードのパー3で、二人とも150ヤードがちょうど打てるクラブを使っています。

まずはコースボールのZ-STARですが、これはやはりしっかりとグリーンセンター近くにキャリーします。打感もしっかりしておりそこそこの高弾道で飛んでいきます。

スピン性能ですが、落下地点から1~2メートルでは止っていました。僕よりもヘッドスピードが速くて短いクラブで打っている佐藤さんは1メートル弱ほどで止まっていました。

佐藤さんの華麗なアイアンショット

次にツーピースの「DDH SP SOFT」です。これはコースボールに比べると多少打感に重みが少ないかなという印象でしたが、ほぼコースボールに近い感じです。

弾道的にもコースボールと遜色ないような高さも出るし、初速もしっかり出ているようですね。さすがに公認球として使えるボールだけあって、ボールのプリントが違っていればレンジボールということに気づかないかもしれません。

飛距離はコースボールに近い距離が出て、しっかりグリーンまでは届いていましたが、ほんの少しだけ飛ばないのかな~という感じです。だいたい5%くらい飛ばないイメージでしょうか。

スピン性能はさすがにコースボールほどの性能は無いですが、落下地点から3メートルほどで止まっていたので、これもそれほど差はないのかなと思います。

野村のヘボいアイアンショット

最後にワンピースの「スタンダードSF」です。これはもうかなり打感がソフトです。他のボールと一緒に打ち比べると多少物足りなさは感じますが、単独で打つとそこまで気にはならないレベルではないでしょうか。

弾道はコースボールやツーピースボールに比べると少し低い感じです。飛距離は少し落ちて、グリーンエッジまでしか飛ばなかったので、10ヤード~15ヤードほど飛ばないイメージでしょうか。

スピン性能はそんなに悪くなく、ツーピースボールよりも止まるかもしれません。ただドライバーショットのときと同じで風には少し弱い弾道ですね。

このようにツーピースボールの「DDH SP SOFT」はほんの少しだけ飛距離が落ちて、ランも1メートルほど多いという結果で、ワンピースボールの「スタンダードSF」はソフトな打感で飛距離は1割くらい落ちるという結果になりました。

練習場では何に気をつけて打てば良いのか?

実験結果では多少なりともコースボールとは飛距離が違うという結果が出ましたが、ツーピースボールの場合はほぼコースボールと同じ感覚で練習してもいいと思います。

打感も弾道もコースボールと遜色が無いので、距離感もだいたい同じで良いんじゃないでしょうか。ワンピースボールの練習場では飛距離が1番手から1.5番手ほど飛距離が落ちると思っていたほうがいいですね。

スピンは入りますが弾道は少し低めになるので、無理に高弾道を打とうとしてすくい打ちにならないような注意が必要です。ヘッドスピードの速い人は少し吹け上がり気味の球になる可能性もあります。

いくつかの練習場に確認してみましたが、その練習場の使用しているボールの飛距離性能によって距離表示の看板を何ヤードか前に置いているとのことですので、番手ごとの飛距離に関してはほぼ看板の距離だと思って良いかもしれません。できれば練習場の方に距離表示は前においているのかどうか確認したほうがいいかもしれませんね。

レーザー距離計を持っている人は自分の行く練習場の距離看板が実際は何ヤードなのかを計測しておくのもいいでしょう。

アプローチ性能はどうなの?

オマケとしてアプローチでの違いも検証してみました。約15ヤードほどのアプローチを芝の上から佐藤さんに打ってもらいました。

ツーピースボールの「DDH SP SOFT」は少し出球が速く、フェースへの食いつきがコースボールよりは少ないために多少高めに飛びます。スピンもあまりかからず、ランも多めという結果になりました。

ラウンドでも飛び系のツーピースボールを使っている人はほぼ同じようなイメージで練習ができると思いますが、ウレタンカバーのスピン系ボールを使っている人はイメージよりも少し高めの球で少し飛んでしまうと思っていたほうが良いでしょう。

ワンピースボールの「DDH SP SOFT」は打感が柔らかいので、ツーピースボールよりはフェースへの食いつきが良い感じがします。少し低めに球が出て、スピンも少しかかります。打ち出しのイメージはスピン系のボールに近いかもしれませんが、打感が少しコースボールよりは軽いですね。

飛距離的にも多少イメージよりは飛んでないような気もしますので、アプローチ練習する時はそのあたりを気をつけたほうが良さそうです。

2回に渡ってレンジボールとコースボールの違いを検証してきましたが、実際にコースで試打したことによって違いがよく分かりました。自分のよく行く練習場のボールがどちらのタイプなのかを知って、そのボールの特性を理解しながら練習すれば、より内容のある練習ができるのではないでしょうか。

(取材・文)ゴルフバカイラストレーター野村タケオ

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