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パターの打ち方を上達!パッティングの距離感と方向性を安定させるには?

2019/12/26 ゴルフサプリ編集部

少ないパット数で上がるには「距離感」と「方向性」の安定が一番の決め手。ロングパットでは距離感を優先してストロークし、ショートパットは方向性を重視して打つのがポイントだ。どうしたら安定した距離感と方向性をマスターできるかを小川泰弘プロがレッスン。

教える人・小川泰弘プロ

おがわ・やすひろ。
1972年9月5日生まれ、東京都出身。1999年プロ入り。
昭和の森ゴルフアカデミーで幅広い年代層をレッスン。実戦的でわかりやすい指導法に定評があり、これまでにレッスンしたゴルファーは2500人を超える。

取材・写真/三代 崇 協力/昭和の森ゴルフコース

パッティングの距離感と方向性を安定させるにはパットのパー「36」を目標にするのが◎

ロングパットはアプローチ感覚で打つと距離感を出しやすい

皆さんもよくご存知のように18ホールのパーは「72」です。でも、パットのパーのスコアが「36」であることを、どれだけの人が意識しているでしょうか。

プロやシングルゴルファーたちのようにパープレーで回るのはとても大変なことですが、「18ホール×2パット=36パット」で上がるのは、ちょっと頑張ればできそうな気がしませんか?

18ホールのうちの半分で3パットすると、パットだけで「45」も打ってしまうことになります。

距離の長いファーストパットがカップの近くに寄らず、セカンドパットも入らない。1メートルくらいのショートパットもポロポロと外してしまう。こうした負の連鎖に陥っている人は、パットの「パー36」に一歩でも近づけるように「距離感」と「方向性」の安定を目指して頑張りましょう。

10メートル近くもあるロングパットを打つときは距離感を第一に考えますが、アプローチ感覚でストロークすることが距離感をうまく合わせるコツです。

できるだけカップの近くに寄せようとするとプレッシャーを感じてしまいますから、ピンを中心とした半径1メートル大の円をイメージし、その円の中に入ればOKくらいに気楽に考えましょう。

新ルールでピンを立てたままでパットを打ってもいいことになりました。ピンがないと遠くのカップまでの距離感をイメージするのは難しかったのですが、ピンのような立体物があると距離感を合わせやすくて有利といえます。

距離感は頭で考えるものではなく、目で見てイメージするものです。カップまでのラインをなぞりながら素振りを数回繰り返し、そのイメージが消えないうちにボールを打ちましょう。

たとえば、紙を丸めて5メートルくらい先のゴミ箱に投げ捨てるとします。そのとき、「5メートルはこのくらいの腕の振り幅かな」なんて頭では考えないでしょう。

目で見た感覚で腕を振り、スピードと距離をコントロールするはずです。ロングパットの距離感とは、そのような感覚です。

打つ前にピンを見ながら素振りを数回繰り返し、距離感のイメージを高めよう。
ピンを中心とした大きな円をイメージし、アプローチショットのつもりで打とう。

パッティングラインを深読みせず、なるべく上りのパットを残そう

ロングパットを打つときはラインの読みにも気を配りましょう。グリーンの傾斜を読んでラインをイメージする作業は経験を要します。

経験値の少ないゴルファーはパットで沢山叩いてしまうので、「パットの数は数えなくていいですよ」と伝えることもありますが、自分のできることから実践し、経験をどんどん積んでいきましょう。

グリーンの面が右から左に傾斜していれば、ボールが左に曲がっていくフックラインだと分かりますよね。だとすればピンの右側にボールを打ち出せばいいということになりますが、ラインをあまり膨らませすぎないようにしましょう。

カップインできる正しいラインがあるとして、それよりも右側に打たないようにするのです。左に曲がるラインでもラインの読みを浅くして、なるべく直線に近い角度で転がしていくということです。

フックラインの場合、ラインの右に外してもカップインのチャンスがまだ残されています。逆にラインの左側に外してしまうとカップインのチャンスがゼロとなります。

こうした理由から、「ラインを膨らませて打つのがいい」ともいわれますが、10メートルもの長いパットがカップインするなんて、ほとんどありません。
ロングパットはアプローチショットと同じですから、次のパットをどこから打つかが肝心なのです。

10メートルのフックラインをカップの右(傾斜の高い側)に外して1.5メートルが残った場合と、カップの左(傾斜の低い側)に外して3メートルのパットが残った場合とでは、次のパットが入る確率はどっちが高いと思いますか?

正解は3メートルのパットです。距離だけでいえば1.5メートルのほうがカップインしやすいと思うかもしれませんが、下りのパットになるとタッチを合わせようとして手首をこねたり、カップを大きくオーバーさせてしまったり、案外難しいものです。スライスラインの場合はこの逆となります。

それに大きくカーブを描くラインをイメージすると距離感も合いにくくなります。その点、カーブを小さくして直線に近い角度で狙っていくイメージなら距離感が合いやすいといえます。

距離がちょっと長くなっても、なるべく上りのパットを残したほうがしっかりヒットしやすく、カップインの確率が高いということを頭に入れておきましょう。

フックラインの場合はラインを浅めに読んで、カップの左に外すのがいい。次が上りのパットとなり、入る確率が高いからだ。
ラインを深く読めばカップインすることもあるが、カップの右側に外してしまうと次が難しい下りのラインとなるので注意。

ショートパットはカップに真っすぐ打つ意識で方向安定

ショートパットの場合はカップまで1メートルでも少し曲がるラインもありますが、基本的にはカップに向かって真っすぐ打ちましょう。

方向性を第一に考えなくてはいけませんから、フェース面をカップに対してスクエアにセットすることが重要です。そしてフェースの芯とボールの真芯を真正面からぶつけ合うイメージでストレートに振りましょう。
打った後にフェース面をカップに真っすぐ出すとフェースをスクエアにキープしやすくなり、カップインの確率が上がります。

短いパットを打つときもボールの先10〜20センチのライン上に芝の切れ端など何か目印を見つけて置きましょう。ボウリングでいう「スパット」というわけで、そこに向かってフェースを合わせて構え、スパットの上を通過させるつもりでストロークするのです。

フェースが左や右を向いてしまうと、1メートルのパットも入らなくなります。こうしたミスパットを減らすためにもスパットの意識はとても大切です。

方向性を安定させるために、ボールを置くときにボールの線をカップに真っすぐ向けるのもいい方法です。マジックでボールに線を書き込んでいる人もいますし、矢印が刻印されているボールもあるのでそれを利用するのです。
ただしボールの線の向きにズレが生じるとカップを外しやすくなるので、必ず効き目で見て置くようにしましょう。

効き目の判断の仕方は右手の親指と人差し指で丸をつくり、最初に両目で見て、次に片目ずつ見ます。両目で見たときと円の位置がずれないほうが効き目です。

ショートパットの場合、構えたときにカップが視界に入ります。結果が気になると打った瞬間にカップを見てしまいがちですが、そうなるとインパクトの段階でフェースの向きが既に変わってしまっています。

ボールをヒットし、カップインの音を聞くまでは顔を真下に向けておき、頭を絶対に動かさないようにしましょう。

ボールの先のライン上にスパットを置くと方向が安定しやすい。
フェースを真っすぐ向けて、インパクト後も真っすぐ出す。
フェースが左や右を向くとカップを外してしまう。
ボールの線や矢印などをカップに真っすぐ向けて置くのもいい。置くときは効き目で見よう。
指で円を作り、両目と片目ずつ見ると自分の効き目がわかる。
「カラン」という音を聴くまでは顔を真下に向けておくことが大切。
顔が早くカップを向くとフェースの向きが変わり、ミスパットとなる。

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