アイアンスイングを上達!シャンク、トップ、ダフリの原因と対策方法
アイアンショットでよく出るミスといえばシャンク、トップ、ダフリの3つ。ラウンド中に突発的に発生することもあるし、一度出ると2度3度と続けて出てしまうから厄介だ。この3大ミスの原因と矯正法を頭に入れておけばラウンド中も練習中もスイングをすぐに立て直すことができる。
アイアンスイングを上達!シャンクの原因と対策方法
ゴルファーの多くが経験したことのあるシャンク。突然、急角度で右方向に飛び出してしまう現象で、一度シャンクがでると止まらなくなってしまうことが多い。原因は両手が体から離れてフェースが大きく開き、そのためにボールがクラブヘッドのネックに当たってしまうから。ここではシャンクの修正法を紹介する。
- ボールを上げたいという心理が働き、インパクトで両手が前に出過ぎてしまうのがシャンクの根本原因
- ダウンスイングで上体が沈み込み、クラブがインサイドから低く下りてきて、さらにインパクトで右ヒザが前に出るとシャンクになる
- 右手でクラブを持ち、左手をボールに向けて真っすぐ伸ばす姿勢をつくる。そして左手の内側にクラブを通すようにスイングする練習をするとシャンクは直る
シャンクを直すには体の近くで腕を振る感覚を思い出そう
シャンクはアプローチショットで生じやすいミスと思われていますが、アイアンショットでも割合多く発生します。
ピンに向かって真っすぐ打ったつもりなのに45度くらいに急角度で右に飛び出して痛恨のOB。打ち直しのショットがまたシャンクになって連続OB。そんな苦い経験はありませんか?
突発的にシャンクが出るとショックも大きく、パニックに陥りやすいのが怖いところです。癖になると厄介ですし、上級者でもたまに出るので注意が必要です。
シャンクはダウンスイングで上体が沈み込み、クラブがインサイドから低く下りてきて、さらにインパクトで右ヒザが前に出るのが原因です。
両手が体から離れてフェースが大きく開き、そのためにボールがクラブヘッドのネックに当たって大きく右に飛び出すのです。
クラブがアウトサイドから下りてネックに当たるシャンクもたまに見ますが、大抵はインサイドから下りてくるパターンです。「ボールを上げたい」心理が働き、インパクトで両手が先に進みすぎるところに一番の問題点があるのです。
シャンクの修正法を紹介しましょう。まずアドレスの姿勢をつくり、左手をグリップから離して左手の先をボールのほうに向けます。そしてクラブを左手よりも内側を通すように、右手でスイングしましょう。
この素振りを繰り返すと、腕を体の近くで振る感覚がつかめてシャンクが一発で直ります。
アイアンスイングを上達!トップの原因と対策方法
ボールの上半分に当たるトップ。低い角度で飛んでいくため思った以上に飛んでしまったり、逆に少し転がるだけのチョロになったりと様々なミスショットになる。
原因はインパクトで上体が伸び上がるか、フォロースルーで左ヒジが引けるかのどちらか。フィニッシュをしっかり取ろうという意識が強すぎると体が浮きやすくなるので、フィニッシュまで振り抜かないでフォロースルーを低く止めよう。
- ダウンスイングで腰が前に出て上体が起きてしまうとグリップの位置が高くなり、クラブヘッドがボールに十分に届かなくなってしまいトップがでる
- ヒジが引けるとインパクトでグリップが高くなるためにボールの上半分を叩いてしまいトップがでる
- トップの修正練習法は左ワキにヘッドカバーをはさんで素振りするのがオススメ。左ワキのヘッドカバーを落とさないようにフォロースルーを低く止めよう
フォロースルーを低い位置に止めて振りすぎを修正
トップはボールの上半分に当たるため、低い角度で飛び出してしまうミスです。これが悪化するとボールの上をこすって、ちょっと転がるだけのチョロとなり、運悪く空振りしてしまうこともあります。
ボールがロフトとおりに上がらず、低い角度で飛んでいくと思った以上にキャリーが出ることもありますが、グリーンオーバーしてしまうとスコアロスにつながります。癖にならないうちに早めにスイングを矯正しておきましょう。
トップの原因はインパクトで上体が伸び上がるか、フォロースルーで左ヒジが引けるかのどちらかです。
アドレスからトップまでの動きがよくても、ダウンスイングで腰が前に出て上体が起きてしまうとグリップの位置が高くなり、クラブヘッドがボールに十分に届かなくなってしまいます。
フォロースルーで左ヒジが引けるパターンも同様で、インパクトでグリップが高くなるためにボールの上っ面を叩いてしまうのです。
トップが生じやすい人に共通するのはクラブの振りすぎです。フィニッシュをしっかり取ろうという意識が強すぎると体が浮きやすくなりますから、フィニッシュまで振り抜かないでフォロースルーを低く止めましょう。
インパクト後に両腕が胸の下を通過したと確認できたところでクラブを止めるイメージです。
練習法としてはヘッドカバーやタオルなどを左ワキにはさんで素振りするのがいいでしょう。アドレスの前傾角度をキープし、左ワキのヘッドカバーを落とさないくらいにフォロースルーで止めるのがポイントです。
アイアンスイングを上達!ダフリの原因と対策方法
ダフリはスイング軌道の最下点がボールよりも手前側となり、地面を叩いてしまうミスのこと。ボールを高く上げたい意識の強い人ほど、ダフリが生じやすい。
ダフリの原因は、体重が右足に残ったままだインパクトを迎えてしまうから。インパクト以降、体重を左足にしっかり乗せて振っていけばダフリを修正できる。
- ダフリの原因はダウンスイングで体の軸が右に傾き、さらに手首が早くほどけてしまうから
- インパクトからフォロースルーにかけて体重が左足に移動しないで、右足体重のままで振り抜いてしまっている人はダフリになりやすい
- 左足下がりの斜面で素振りをすれば、インパクト以降に体重を左足に乗せていく感覚が身につく
- 平地からアイアンショットでも左足下がりのイメージでクラブを振ればダフリを防止できる
左足体重のフォロースルーがダフリ解消の決め手
ダフリもアイアンショットでよく発生するミスです。どうしてダフリになるかというと、ダウンスイングで体の軸が右に傾き、さらに手首が早くほどけてしまうからです。
そのためにスイング軌道の最下点がボールよりも手前側となり、クラブフェースがボールにコンタクトする前に地面を叩いてしまうのです。ボールを高く上げたい意識の強い人ほど、ダフリが生じやすいといえます。
インパクトからフォロースルーにかけて体重が左足に移動しないで、右足体重のままで振り抜いてしまっている人はとくに要注意です。
ダフリの修正の絶対条件は、インパクト以降で体重を左足にしっかり乗せてフォロースルーを出すことです。
その感覚をつかむには左足下がりの斜面で素振りするのが一番です。左足下がりの斜面で体の軸を右に傾いてはクラブヘッドがすぐに地面に当たってしまいます。
ダウンスイングでクラブヘッドが地面に触れないように体重を左足に乗せてスイングしましょう。
平地からアイアンショットを打つときも左足下がりのイメージでクラブを振ればダフリを徹底防止でき、グッドショットの確率がアップします。
教える人・小川泰弘プロ
おがわ・やすひろ。
1972年9月5日生まれ、東京都出身。1999年プロ入り。
昭和の森ゴルフアカデミーで幅広い年代層をレッスン。実戦的でわかりやすい指導法に定評があり、これまでにレッスンしたゴルファーは2500人を超える。
取材・写真/三代 崇 協力/昭和の森ゴルフコース
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