1. TOP メニュー
  2. HOTニュース
  3. 国内ニュース
  4. 渋野日向子も殿堂入り!?|第8回日本ゴルフ殿堂入り顕彰者の発表記者会見が開催

渋野日向子も殿堂入り!?|第8回日本ゴルフ殿堂入り顕彰者の発表記者会見が開催

2020/01/23 ゴルフサプリ編集部

2020年1月23日、第8回日本ゴルフ殿堂入り顕彰者の発表記者会見が都内で行われた。記者会見には、日本ゴルフ殿堂の松井功理事長、副理事長も兼ねるPGA倉本昌弘会長、LPGA小林浩美会長、JGTO青木功会長が出席した。

8回目となる今回は、従来のレジェンド部門、プレーヤー部門とは別に、特別賞として渋野日向子が選ばれたわけだが、その受賞理由として「2019 年全英女子オープンにおいて優勝。日本人女子選手の海外メジャー制覇は樋口久子(1977 年全米女子プロ)以来、42 年ぶり 2 人目となる歴史的快挙で特別賞に値する」と、特別賞が授与されることとなった。

渋野日向子、日本ゴルフ殿堂の特別賞は2人目

この特別賞は日本プロゴルフ殿堂の理事会で選出されたのだが、2013年に全米プロシニアで日本男子初のメジャー優勝を果たした井戸木鴻樹以来2人目となる。渋野が海外メジャーで勝ったことが、それだけ大きなことであることを改めて感じることができたのだが、日本プロゴルフ殿堂は過去の顕彰者として、プロ創成期から活躍して歴史に名前を刻んできた宮本留吉、浅見緑蔵、戸田藤一郎、中村寅吉など、そうそうたる名前が連なっている。

今回の特別賞で渋野日向子も殿堂入りか!?とも思ったが、日本プロゴルフ殿堂の松井功理事長は、「渋野は日本ゴルフ殿堂が組織として表彰する」とのことで、21歳の渋野が日本プロ殿堂入りすることにはならないとのこと。日本プロゴルフ殿堂入りの表彰基準の一つに、「海外メジャー競技1勝以上の者」があるのだが、表彰年度において満45歳以上であることもあり、渋野はまだまだ殿堂入りには早すぎるということだ。
3月19日ジャパンゴルフフェア会場で行われる表彰式で、渋野にはティファニー製の盾が贈られる予定だそうだが、渋野は試合中のため出席が見送られる予定。

レジェンド部門は『謝敏男』と『中村兼吉』が受賞

日本プロゴルフ殿堂の表彰カテゴリーには、主に1972年以前(男子ツアー制度施行前)に活躍し、又は功績を残した男女プレーヤーを対象としたレジェンド部門と、1973年以降に活躍し、又は功績を残し国内メジャー複数回優勝などの表彰ノミネート基準を満たす男女プレーヤーを対象とするプレーヤー部門に分かれている。

今年のレジェンド部門で選ばれたのは1940年生まれで79歳の謝敏男(シャ・ビンナン)と1911年生まれで1974年に亡くなられた中村兼吉(なかむら・かねきち)の2名。謝プロは台湾出身で、日本プロなど通算 15 勝をあげている。また1972 年ワールドカップ団体、個人優勝。他海外 11 勝、アジアサーキット総合優勝 3 回、シニアツアー通算 8 勝、台湾シニアオープンなど海外のシニア競技優勝多数などの実績が讃えられている。淡水(台湾ゴルフ倶楽部)で腕を磨き、アマチュア時代から活躍、1964 年の世界アマでは個人 1 位に輝いている。

翌年プロ転向するとアジアサーキットで優勝。日本では 1968 年の関東オープンで初優勝。1972 年、国別対抗戦のワールドカップで呂良煥とのペアで台湾を初優勝に導き、個人戦でも優勝を果たす。1979 年の日本プロでは杉原輝雄らの追い上げをかわして日本タイトル初制覇。 1982 年の秋には東海クラシック、ゴルフダイジェストトーナメント、ブリヂストンオープンと 、3 週連続完全優勝という快挙を達成した。

『中村兼吉』は海外メジャーの日本人選手初の予選通過

中村兼吉は東京都出身。17 歳の時に安田幸吉の助手となってプロへの道を歩み始め、1932 年に所属コースの藤沢カントリー倶楽部で開催された関東プロで決勝に進出し、陳清水を 2アンド 1 で破って初優勝を飾った。関東プロは翌 1933 年も優勝。さらに、日本オープンでは 2 位のラリー・モンテス、陳清水に 9 打差をつけ優勝した経歴を持つ。

1935 年には宮本留吉、浅見緑蔵らと米国遠征を敢行。渡米前に宮本、浅見とともにマスターズから日本人選手として初めて招待を受けていたが、日程的な問題で出場は叶わなかった。それでも 6 月には全米オープンに出場し、日本から参戦した 6 人中、中村のみが決勝ラウンドに進出して 58 位という成績を残した。これが海外メジャーにおける日本人選手初の予選通過だった。

女子プレーヤー部門はギネス記録の『岡田美智子』

女子プレーヤー部門は1945年生まれの岡田美智子。ツアー通算 10 勝。1995 年大王製紙エリエール女子オープンで 50 歳 312 日の最年長優勝をマークし、これは“世界記録”としてギネスブックにも承認されている。

岡田プロは福島県出身で、1967 年第1回の女子プロテストに参加して女子プロゴルファー1 期生の一員となった。 1969、70 年は樋口久子に次ぐ賞金ランキング 2 位。翌年、念願の初優勝。息の長さは女子ツアーの歴史の中でも出色で、日本女子プロ選手権の 35 年連続出場など公式戦には歴代最多の 84 試合に出場し、 90%以上の予選通過率を誇っている。レギュラーツアーでは 58 歳までプレー。
現在、レジェンズツアーで元気な姿を見せている。

男子プレーヤー部門は欧州ツアー賞金王の『海老原清治』

男子プレーヤー部門は1949年生まれの海老原清治。
海老原プロは千葉県出身。20 歳でプロとなるが、初めてシードを手にしたのは 35 歳の1984 年だ。初優勝は翌 1985 年の中日クラウンズ。レギュラーツアーではこの 1 勝にとどまったが、1999 年に欧州シニアツアー予選会で 2 位に入り、2000 年から同ツアーに参戦。翌 2001 年には 2 勝を挙げて賞金ランキング 8 位に躍進。そして 2002 年には 3 勝をマークして賞金王にまで上り詰めた経歴がある。

日本人男子選手が海外の主要ツアー、シニアツアーで賞金王となるのは初めてのことであった。現在もシニアのトーナメントで活躍中で、2017 年からは日本プロゴールドシニアで 3 連覇中。

日本プロゴルフ殿堂の顕彰は次回から2年おきに

日本プロゴルフ殿堂の顕彰は毎年行われているが、松井理事長より、次回第9回目から2年おきで2022年に実施されることが発表された。米国の世界ゴルフ殿堂も同じく2年おきで、プロゴルファーが若年化して、表彰対象選手も少なくなってきたことも理由の一つである。またゴルフ世界殿堂のように、プロだけでなくアマも含め、ゴルフ場設計家やメディアなどゴルフ界に貢献した人を幅広く顕彰するため、JGA(日本ゴルフ協会)と話し合いを進めており、第10回目は日本ゴルフ殿堂に衣替えが想定されることも言及していた。

取材・文:嶋崎平人

【関連】
渋野日向子の悩まず打てる絶好調スイング|アイアン編
渋野日向子とのデータ比較!生まれるか!? ネクスト”シブコ”