フェアウェイウッドとは?上手な活用方法を小川泰弘プロが解説
フェアウェイウッドとは、基本的にはフェアウェイの平らな場所からロングショットを打ちたいときに用いるクラブ。それ以外ではラフからのショットや、ティショットをレイアップしたいときなども使えるからとても重宝する。フェアウェイウッドを上手に活用するコツを小川泰弘プロがレッスン。
教える人・小川泰弘プロ
おがわ・やすひろ。
1972年9月5日生まれ、東京都出身。1999年プロ入り。
昭和の森ゴルフアカデミーで幅広い年代層をレッスン。実戦的でわかりやすい指導法に定評があり、これまでにレッスンしたゴルファーは2500人を超える。
フェアウェイウッドとは、どんな状況で使用するゴルフクラブ?
フェアウェイウッドが使えるのは平坦でボールのライが良好な場所に限定されます。フェアウェイでもボールがディボット跡に止まったときや、傾斜地などではフェアウェイウッドは避けて、ユーティリティクラブやミドルアイアン持つようにしましょう。
ラフからのショットでも状況次第ではフェアウェイウッドが使えます。条件は平らな場所であることと、ボールがあまり沈んでいないことの2つです。
最近では一般営業のゴルフ場は、ラフの芝を短めに刈ってあるのが普通です。プロトーナメントのセッティングのような深いラフはあまり見かけません。
大抵はボールがラフの芝に浮いているか、少し沈んでいる程度のケースがほとんどです。ボールが浮いていれば低めにティアップしたボールを打つ感覚に近く、横から払い打つイメージで十分に対応できますから比較的イージーです。インパクトの抵抗もそれほどなく、振り抜きもスムーズです。
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ボールがラフの芝に浮いていれば3番ウッドで横から払い打ち
フェアウェイからは3番ウッドではボールが上がりにくいという人でも、ラフからのショットでボールが浮いていて、距離を稼ぎたいなら3番ウッドで打つことをオススメします。
ただし鋭角な軌道でボールを上から打ち込んではいけません。クラブヘッドがボールの下に入ってテンプラになるか、フェース面の上に当たってスピンがかからず、ボールが早くお辞儀するように失速してしまうかのどちらかの結果となりやすいのです。
アドレスはフェアウェイからのショットと同じですが、注意したいのはクラブヘッドを芝の上から押さえるように構えないこと。クラブヘッドを軽く浮かせて構え、両手にクラブの重さを感じ取りましょう。
これで肩や腕から余分な力が抜けて、クラブヘッドの遠心力を利用しやすくなります。結果としてボールを横から払うイメージのスイングを実行しやすくなります。
ボールが少し沈んでいたら5番ウッドや7番ウッドを選択
運悪くボールがラフに完全に少し沈んでいたら、フェアウェイウッドは使えません。ユーティリティクラブも7番アイアンも使えませんから、9番アイアンよりも短いクラブで脱出をはかりましょう。
ボールがラフに少し沈んでいるように見える場合は、ボールの下に隙間があるのがほとんどです。平らな場所であればフェアウェイウッドも使えますが、ボールが浮いているときと違ってインパクトで芝の抵抗を受けやすく、沈んでいる分だけ上から入れる必要があるため3番ウッドは適しません。5番ウッドや7番ウッドを選択しましょう。
アドレスではクラブを通常よりも2〜3センチほど短く持ち、ボールを半個から1個分内側にセットします。自然にハンドファーストのアドレスとなり、ボールを上からとらえやすくなります。
飛ばそうとして、クラブを振り回してはいけません。距離を欲張らずに、トップとフィニッシュの位置を低めに抑えたコンパクトなスイングを実行しましょう。
7番アイアンのショットのイメージでミート率重視のスイングを心がければ、飛距離も十分に出てくれます。
ラフからのショットでは残りの距離だけで使うクラブを判断してはいけません。ボールの沈み具合を十分に観察し、使えるクラブと使えないクラブを的確にジャッジすることが大切です。
また芝が枯れている時期のラフはインパクトの抵抗が少なく、フェアウェイウッドが使えるケースが増えます。
夏のラフは芝の芽が強く、ボールが少し沈んでいるだけでもインパクトの抵抗がかなり強くなっています。ショットを打つ前にボールの近くで数回素振りを繰り返し、芝の抵抗の強さをチェックしましょう。
5番ウッドや7番ウッドでもスムーズに振り抜けそうもないと感じたら、7番アイアンよりも短いクラブを選択しましょう。
フェアウェイウッドをティショットで使う時はティアップの高さに気を配ろう
フェアウェイが狭いホールやフェアウェイの両サイドがOBのホールなどで飛距離よりも方向性を優先させたいとき、あるいは200ヤード近くもある長いパー3ホールなどもフェアウェイウッドの出番が増えてきます。ティーイングエリアは平らですし、ティアップできますから3番ウッドも安心して使えます。
注意したいのはティアップの高さです。ドライバーショットと同じとまでいかなくても、大半のゴルファーはティアップが高すぎます。上から打ち込んでテンプラになったり、すくい上げようとしてトップやチョロになったりしやすいのは、そこに原因があります。
ボールが芝の上から少し浮く程度に、低めにティアップするのがベストです。そしてクラブを短めに持ち、フルショットの8割くらいの力感でスイングしましょう。
ティショットをレイアップするということは、この時点で飛距離を捨てていること。ボールの曲がり幅を少なく抑えて、フェアウェイに運ぶためには全力スイングは避けるべきです。
距離の長いパー3ホールのティショットも同様です。グリーンやピンまでの距離に応じて使うクラブをジャッジしますが、方向性と距離感をうまくコントロールして狙ったターゲットに正確に運ぶという意識がとても大事です。
普段のフェアウェイウッドのショット練習では、ボールをマットの上に置いて打つだけではなく、こうした場面を想定してボールをティアップして打つ練習も絶対に必要です。
Sのような低いゴムティを使い、体の回転を使ってボールをしっかりとらえる感覚をマスターしましょう。
取材・写真/三代 崇 協力/昭和の森ゴルフコース、昭和の森ゴルフ練習場
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