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ドッグレッグホールは遠回りルートがベスト でも自分の飛距離を計算に入れて狙いどころを絞ってる?
スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル&マネジメント VOL.16
ゴルフコースはドッグレッグや打ち下ろしなど、ホールごとに状況がめまぐるしく変わるが、自分の距離に応じてターゲットを決めることが肝心。またショットのイメージづくりでは、自分をラクにさせることから考えよう。これがスコアをうまくまとめるコツだ。
【マネジメント編】ドッグレッグホールは遠回りルートでも油断禁物です
自分の飛距離を計算に入れて狙いどころを絞る
フェアウェイの途中から左右に折れ曲がったドッグレッグホール。ここはゴルファーの技量と知恵が大きく試される場面だと思います。
トーナメントプロたちはよく木の上を狙って打ちますが、これはアマチュアの方々よりもキャリーがずっと出て、ショットの精度も高いから。ショートカット狙いの作戦が成功すれば残りの距離がずっと短くなり、チャンスが広がります。木の上のこの辺を通せたらフェアウェイのライの良好な場所に運べて、残りは何ヤードくらいと計算の上で打っていますし、成功の確率も8割以上と読んでいるのです。
あの高い木を越せるどうか打ってみないとわからないし、成功の確率はせいぜい2割程度かなと思ったら、曲がり角の反対側に打ちましょう。曲がり角のコーナー付近はバンカーや池、崖、OBなどのハザードが設けられていることが多く、イチかバチかの作戦が失敗に終わっては大叩きに一直線。仮にフェアウェイに運べても、次のショットでグリーンが狙いにくい。
スコアのロスを防ぐには「遠回りルート」の選択がベストです。コーナーと逆サイドに運んでおけば、次のショットの残りの距離が長くなってもグリーンの方向を狙いやすいのです。「林の上を越えなきゃ」というプレッシャーがなく、気持ちの上で安心感があるから、結構グッドショットが打てたりするもの。「だったら木越えを狙えば良かった」なんて言う人がいますが、それは違いますよ。
大事なのはコーナーと逆サイドの安全なポジションまでの距離がどのくらいかを把握しておくこと。飛びすぎて反対側の林に打ち込んでしまう心配があるなら、ユーティリティクラブなどでティショットを打ちましょう。同じ遠回りルートでも自分の飛距離を当てはめてフェアウェイのどこを狙うのがベストかをしっかり判断してくださいね。
最近ちょっと気になるマナーの話。
ピンを立てたカップからボールを拾い上げるときは、手を小さく丸めてカップの縁をなるべく触らないように。
伊能恵子
(いのう・けいこ)
千葉県出身。男女ツアープロをサポートするプロキャディの第一人者。現在は主に片岡大育のキャディをつとめる一方、リンパセラピストとしても活躍中。
【メンタル編】Q.「イメージがわかないときにたいていミス。対処法は?」
メンタルのベースは「自分をラクにする」ことに尽きる
ショットを打つ前にどんな球筋でどこを狙って打つかのイメージづくりをすることがとても大切です。素振りを数回繰り返しながら、球がターゲットに向かって飛んでいくシーンを頭に思い浮かべることで、ショットの成功率がアップします。ご質問にありますように、これから打つショットのイメージがわかないときは体がスムーズに動きにくいですから、ミスが生じやすいのは当然といえば当然です。
たとえば多くのアマチュアが苦手とするバンカー越えのアプローチを例にあげて考えてみましょう。ピンまでの距離は40ヤードです。こんな場面ではほとんどの人は「バンカーに入れたくない」と「ピンの近くに落としたい」の2つの心理が働きます。絶対にバンカーを避けよう、ピンに寄せようと最初から考えるから心理的な圧迫感を受けてしまうのです。
そこは発想を変えて、ちょっと怖いかもしれないけれども最初はバンカーに入る距離感の素振りから始めましょう。次にバンカーを少し越える素振りをする。そうしているうちに20ヤード、30ヤード、40ヤードと距離感のイメージがつかめてきます。バンカーに入れる距離感からイメージすると、「それよりも大きいスイングで打てばラクにバンカーを越えるんだな」という具合に思考がプラスに働きます。『アナと雪の女王』の映画を見ていて、その中でしきりに出たのが「自分のできることを探そうよ」というシーンでした。これはゴルフのメンタルにおける最高のヒントだと思うのです。
バンカー越えのアプローチに限らず、様々な場面で苦しいまま立ち向かおうとしないこと。苦しい状況をどうにか克服しようとするから余計に苦しくなるわけで、「自分をいかにラクにするか」を考えるのが得策です。逃げるのがラクなら逃げてもいいんです。そんな戦法がとれるようになるとリスクをうまく回避できます。90切りを目指す人はぜひ参考にしてください。
A. 「自分のできることから探せばいいイメージが浮かんできます」
北野正之
(きたの・まさゆき)
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。
松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。
イラスト/庄司 猛 北村公司
GOLF TODAY本誌 No.576 114~115ページより