大判写真で見るタイガー・ウッズのドライバースイング
40歳を超えたタイガーは、沈み込みで体の開きを抑えていた!
昨シーズンは43歳で「マスターズ」を制し、日本で開催された「ZOZOチャンピオンシップ」ではPGAツアー最多タイとなる82勝目を飾ったタイガー・ウッズ。40歳を超えて完全復活できた要因はどこにあるのか?
◉解説・レッスン
石井 忍
1974年生まれ。千葉県出身。98年にツアープロに転向し、レギュラーツアーに参戦。近年はパーソナルレッスンを行う「エースゴルフクラブ」を主宰し、千葉、神保町、赤坂などに展開。
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40歳を超えたタイガーは、沈み込みで体の開きを抑えていた!
①テークバックしながらお尻を下げる!
テークバックしながら、少しお尻を下げるようにすると両足が適度に開いて、沈み込む動きが作れる。
②ダウンスイングは少しガニ股になる
ダウンスイングでは両足がガニ股になるように踏ん張ることで、左ヒザが流れないようになる。
両足を広げて、重心を下げる
若い頃に比べてタイガーは左右方向の体重移動が抑えられて、安定感のある静かなスイングになったと思います。その中でもアマチュアにマネしてほしいのは、下方向に沈み込む動きです。タイガーのスイングを見ると、テークバックした時点から徐々に両足を広げるようにして沈み込んで、トップではすでに頭の位置が下がっています。
特にアマチュアはダウンスイングでスエーしたり、体が早く開きやすいのですが、この沈み込む動きができるようになると、体のパワーが下方向に伝わるので、左右の軸ブレがなくなります。
Lesson|沈み込みがないと、右肩が前に出やすい
シャフトが斜めのままだから叩ける軌道になる!
①シャフトが両腕の中心にある
ダウンスイングでもシャフトが両腕の中心にある理想的な軌道。右ワキが空いていないので、シャフトが立ってこない。
②若い頃よりはシャット軌道になった
ドライバーのヘッドが大型化・大慣性モーメント化されたことで、タイガーも昔よりフェースの開閉が少ないシャット軌道になった。
ダウンスイングではグリップエンドをボールに向ける!
タイガーのスイングは本当に美しい軌道なのですが、その秘密はシャフトの角度にあります。トップからインパクトまで、シャフトがスイングプレーンに対して立ったり、寝たりしないで、斜め45度に近い角度をキープしたままダウンスイングをしている。この角度がキープできているのでインサイド方向からボールを叩けるスイングになるのです。逆にアマチュアはシャフトが立ってしまうと、フェースがオープン方向に動いてしまうので、つかまらないスイングになる人が多いです。
シャフトを斜めにするためには、ダウンスイングの早めの段階でグリップエンドをボールに向けることを意識してください。タイガーのスイングを見ても(写真左から5コマ目)、ヘッドが高い位置にある時点でグリップエンドがボール方向を向いています。ここからは、左足をしっかり踏み込んで、腕がフォロー方向に伸びながら、体は突っ込まないようにする。そうすると、クラブと体が引っ張り合う関係になってヘッドが加速します。決してパワーだけでなく、40歳を超えてもタイガーはこの美しい軌道があるから飛距離を出せているのです。
Lesson|体が伸び上がるとシャフトも立ってしまう
協力/エースゴルフクラブ赤坂
GOLF TODAY本誌 No.577 106〜109ページより
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