ドライバー打ち方の基本|正しい握り方・構え方・スイング【図解】
この記事では、ドライバーの打ち方の基本について解説します。
ゴルフのドライバーは、ゴルフクラブの中で最も飛距離を出せるクラブです。ゴルファーなら、誰しもドライバーショットで「より遠くに」「より真っ直ぐに」ボールを飛ばしたいもの。しかし、「飛距離が出ない」「真っ直ぐ飛ばない」とドライバーショットについて悩んでいるゴルファーの方も多いでしょう。
そこで、本記事ではティーチングプロが正しいドライバーの打ち方を基本から解説!ゴルフ初心者の方でも分かりやすいよう図解つきで説明していますので、ぜひ参考にしてください。
ドライバー打ち方のポイントを簡単解説
ドライバーの打ち方(スイング)の基本となるポイントは、以下の3つです。
- ドライバーのグリップ(握り方)
- ドライバーのアドレス(構え方)
- ドライバーの打ち方(スイング)
ドライバーのグリップ(握り方)
グリップの握り方は、8割以上の方は間違った握り方をしていると言っても過言ではありません。試しに、自分の目の前の空中でグリップの形を作った時に、両手親指の爪が自分の方に向いているならOKです。爪が横向いている人は何かが違っています。
握り方の正解は一つではありません。打ちたい球やプレースタイルによって違っていいものです。ですが必ず意識して頂きたいのは「左手の甲が固定できる持ち方をする」ことです。
そして、親指と人差し指は必ずくっつけて親指の動きを封じ込めます。親指&人差し指セットで1本。指は4本ずつしかないかのように使えればべストです。
ドライバーのアドレス(構え方)
アイアンとドライバーでは構え方が変わるのが普通です。アイアンでスタンス幅の中心にボールを置くのであれば、ドライバーでは左足親指の延長線上くらいにティを刺してボールをセットしましょう。左手の位置も、アイアンよりも左側になります。
そして「シャフトが真っすぐ」になるように構えます。手元を置く位置をスタンスの中心にしてしまって、シャフトが左に傾く人が多いので要注意。左足側で構えるので頭の位置は自然とボールより右側に来て、少しだけ右側に体も傾きます。それが自然な構えです。
ドライバーの打ち方(スイング)
ドライバーのスイングは、大きくゆったりが基本です。ドライバーは一番長いクラブです。遠い所にヘッドがあるので、ハンマー投げのように遠心力を使うイメージをしてください。「自分の手の力で飛ばさない」のがキーポイントです。
遠心力が加わると、手だけではコントロールできないので背筋・腹筋など体の軸を意識して自分の体を中心に、ヘッドがぐる~~っと回ってくるように。テークバックからインパクトまでは脇を閉じた状態で、インパクト後は大きくクラブを投げ出すようにして、最後はシャフトが身体に撒きつくようなイメージでしっかり振り切りましょう。
ドライバーショットが難しいと感じる理由
ドライバーショットが難しいと感じるのは、一番曲がりやすいクラブだからです。また「遠くに飛ばさなくてはならない」「みんなが見ているところで打たなくてはならない」という緊張感によるところが非常に大きいです。
また、ドライバーの打ち方は世界中のゴルファーが悩んでいるから色んな理論が情報として有りすぎるのも、難しく感じる要因になっている気がします。
- ドライバーはゴルフクラブの中で一番長く、ロフト角が少ない
- ドライバーの長さと少ないロフト角がスイングに与える影響
- 「遠くに飛ばしたい」という気持ちが力みや振り遅れの原因に
ドライバーはゴルフクラブの中で一番長く、ロフト角が少ない
ドライバーの長さは、市販の標準で45.25インチ程度のものが多いです。1インチ=2.54cm。46インチ以上のクラブは長尺と表現されます。
標準の長さからたった1.9cm伸びただけでも長い!と感じるくらい人間の感覚は鋭敏です。短めが振りやすい、長い方が飛ぶ等々の情報がありますが、人それぞれにタイミングが合う長さは違うので最初は標準のものを試してから徐々に調整していくのが良いでしょう。
ドライバーのロフト角は男性用は9°~10.5°、女性用は11°~13°位のものが標準で販売されています。ロフトというのはボールを打ち上げるためにクラブについている角度です。打出される角度によって飛距離には大きな影響があります。
球が低めだと、打ってから地面に落ちるまでは距離が短めで地面に着弾してから転がりやすい。高めだと、地面に着弾するまでの距離は稼げるけど転がりにくい。どのバランスが自分にとってベストかを探っていくのがドライバーの楽しみでもあります。
また、ドライバーは全クラブの中で一番軽いです。男性用でヘッド+シャフト+グリップの総重量が280g前後が標準。女性用だと250g位のものが標準です。運動部出身である程度力に自信がある人は+20~30gのクラブを選ぶと良いです。
ドライバーの長さと少ないロフト角がスイングに与える影響
ドライバーは長いので、芯を食えないというのが難しさに繋がります。自分がグーを作って近くのモノを叩くのと、トンカチでちょっと離れたところを叩くのと、餅つきの杵で遠くを叩くのとでは難しさが違いますね。これがドライバーが難しい理由の一つです。
また、シャフトが長い=しなりも大きくなるので、タイミングを合わせるのが難しいんですね。シャフトの先についたヘッドの重さ次第で当然しなり方も変わります。組合せは無限大ですので、まずはメーカーが推奨している一般的なクラブを振ってみましょう。
また、ドライバーは全クラブで最もロフト角が小さいのでこれがまた難しさUPを助長しています。普通にドライバーを地面に置くと全く上に向いていないように見えるので、無理矢理でもボールを上げようとして手のひらを上に上げるようにスイングしてしまうのがミスの原因になりやすいです。
クラブは勝手に高さが出て飛ぶように設計されているので、フラットに打てば高さが出て勝手に飛びます。自分で何かしようとせず、クラブに任せてとにかく真横からボールを平手打ちするように打つことを意識してみましょう。
「遠くに飛ばしたい」という気持ちが力みや振り遅れの原因に
「遠くに飛ばしたい!」というのは、人の本能なのでしょうか?よくコースでもドライバーがバーンと飛んで「今日はこれで満足」という方もいます。人が良い球を打ったのを見るとどうしても力がこもってしまって「手に力が入る」ことによって、身体が回らない等々非常に大きな影響があります。いつもと違う事をして結果が出るわけがないのです。
あくまでいつもと同じく体の軸を意識したスイングをゆったり大きくが基本です。そのうえで「やってやる」と静かな闘志を燃やしてアドレナリンが出てくれれば勝手に距離が出ますよ。
ドライバーの打ち方|まずはグリップの握り方から
色んなドライバーの打ち方が紹介されていますが、まずはグリップの握り方を考えてみましょう。なぜなら、クラブと身体が接しているのは唯一グリップだからです。
例えば、テニスでもそうですがグリップによってプレースタイルが全く変わります。また道具の変化によってプレースタイルが変わり、おのずとグリップも変化していきます。
- ストロング~ウィーク:自分に合うグリップの形を探そう
- プチストロングのグリップを確立させよう
- 良いグリップは引き待ったアドレスを生む
ストロング~ウィーク:自分に合うグリップの形を探そう
グリップの形は千差万別。「人によって手の形が違う」という当たり前のことを考えてみれば、グリップだって絶対に合っている形なんてものは無いので、あまり細かいところまで考えすぎずに、とはいえ原理原則は抑えた形で自分に合うものを見つけることが肝心ですね。
まず、グリップの種類は大きく分けて「ストロンググリップ」「ウィークグリップ」の2つです。
ストロンググリップ
ストロングというだけあって、手に力を入れやすい形です。左手の手首を「かめはめ波」のように手前内側に捻った状態で固定するのがポイント。以前は、比較的非力な女性やスポーツ経験のない男性にすすめられていたグリップですが、今はコチラが標準になりつつあります。
ウィークグリップ
ストロングの逆で、左手の手首を外側に向けたままで、あまり手首を捻らず固定しない事がポイント。手首が緩い状態なので、インパクトの瞬間に手首を返すことでフェースローテーションを使いやすいメリットはありますが現代のドライバーではあまりフェースローテーションをしない前提での設計がされているので主流ではなくなっています。
プチストロングのグリップを確立させよう
① 左手の位置を決める
- 左手親指の先っぽを、グリップの上の面に乗せます。
- そのまま手首を押し出してサムアップした状態でグリップします。
- 親指・人差し指を密着させてここが離れないよう、”気持ち”内側に捻ります。
- 親指下のハラの部分を密着させましょう。
② 右手の位置を決める
- 小指をインターロックorオーバーラッピングで安定する場所を決めます。
- 左手親指に重ねるように右手の親指を軽く添えます。
- 親指・人差し指を同じく密着させて人差し指でシャフトつまむようにグリップします。
- タオルを絞るように右手を内側に回ようにして身体と腕の一体感を感じます。
③ グリップした手元の位置を決めよう
グリップが完成したら手元の高さを決めます。手元位置が高過ぎる人は肩に力が入って腕がつられたようなヴィジュアルになります。手元位置が低すぎると猫背で身体の軸が感じられず手打ちの傾向が強くなります。
④ グリップと体の距離
正しい前傾を取れていれば、そこから腕をダラーンと真下に落とした位置でクラブを握れば型の可動域が一番大きな状態になるので自然とスイングが早くなります。腕が体に近くなると、可動域が狭くなるので身体を回しきれずに手打ちになりやすく、腕が体から遠くになると脇が開いてインパクトで力が伝わらない形になりやすいので肩から真っすぐ糸を垂らしたような腕の形を意識してください。
良いグリップは引き締まったアドレスを生む
グリップが正しくできた結果として、アドレスが美しくなります。
まず、両脇が適度に閉じていること。剣道の達人である剣士が構えで向き合った時のように、力感は感じないけどそれでいて隙が全く無い構え。それと同じように自然な手の位置・手首の角度・背筋の伸び方など変な力感が伝わならいようにしましょう。
スイング動画を撮ったり、コーチなどに見てもらってください。グリップがおかしいと、正面から見た時に肩の角度が急すぎたり、右腕が伸びきって力みがあったり、肘が外向きになっていたりetc…必ずおかしな力みが感じられるアドレスになっています。
タイガーウッズが世界NO.1選手なのは誰もが疑わない事実。そして、世界のトッププロが選ぶ一番美しいアドレスなのもタイガーウッズという結果が出ているんです。構えが大事なのはみんな分かっているけど同じにはできないんですね。少しでも近づけるように良いグリップを作りましょう。
ドライバーの打ち方で重要なアドレス(構え方)のポイント
ドライバーのアドレスは、打ち方の中でも最も基本で重要となるポイントです。スイングはアドレスで7割決まると言われています。実際、アドレスのズレを感じられるかどうかが結果に直結していると感じますので、ここは丁寧に理解を深めて頂きたいと思います。
- ボール位置は思っているよりも左側にしよう
- ティアップした時のボールの高さは何cm?
- 身体がブレない足幅(スタンス)を見つけよう
- 前傾角度は“おへそ”で感じよう
- 体重配分は「考えずに構える」がポイント
- アライメントが崩れると全てが崩れる
ボール位置は思っているよりも左側にしよう
ドライバーショットのボールを置く位置は「左足カカトの延長線上」という表現がよく使われます。確かにこのくらい左側に置いておかないと、大型化したドライバーのフェースが正面を向くまで戻ってこれないというのが現実に起きることです。
大型車と小型車がカーブで回れる最小半径を考えてもらえるとわかりやすいかもしれませんね。ドライバーは大型車。アイアン等は小型車。回りきるのに距離が必要なので左側において距離を作ってあげる必要があります。
ティアップした時のボールの高さは何cm?
ドライバーショットの標準的なティの高さは、ティを地面から3.5cmくらい出してその上にボールを置くと、ドライバーのヘッドを置いてアドレスした時にボールの上半分くらいがフェースよりも高い位置にあってちょうどいいとされています。
ティアップが高過ぎると、ヘッドの上の方にボールが当たってしまいボールが前よりも上に飛ぶ「テンプラ」が起きやすくなります。低すぎると、ヘッドの下にボールが当たって上にあたらず転がる「チョロ」が起きやすくなります。
初心者の方は高くセットしすぎる人が多いので、一定の高さにティアップができるように段がつけられているティを使用するなどして自分に合う高さを見つける工夫をしましょう。
身体がブレない足幅(スタンス)を見つけよう
ドライバーショットは、先ほどボール位置でお話したように「大型車」のターンですから、大型車の足場が必要ではあります。大きなターンをする=大きな遠心力がかかる。そのため、足幅(スタンス)も広めにして踏ん張りがきくようにするというのが原則です。
ただし、足を広げたら広げた分だけ踏ん張りがきくわけではありません。構えの状態を作って、横から前から人に押されても動かず安定していられる足幅を探してください。アイアンの足幅から、1歩=2歩広げる程度が一般的にはちょうどいいでしょう。
前傾角度は“おへそ”で感じよう
前傾キープ!は、どのショットでも言われる重要な要素ですが、前傾を感じるポイントを意識しないとなかなか難しいものです。特に遠心力が強く働くドライバーショットでは前傾を維持するのが難しく、身体が起き上がるとともにフェースが開いてスライス回転で右に飛ぶというのが定番のミスですね。
意識のポイントをおへそにしてみることをおすすめします。おへそに真っすぐクラブを当てて、ソールが地面と平行になるまで前傾をしてみましょう。そこから角度を変えないように真っすぐ手を下ろせば綺麗な前傾を維持できます。
体重配分は「考えずに構える」がポイント
右足何割・左足何割という体重配分は意識しなくても大丈夫です。正しい構え方ができていれば、必ず自分にとって正しい体重配分ができています。「よ~し、右足に6割乗せるぞ~!」なんて意識して構える人はほとんどいません。
左足カカト前にボールを置いて、適正なティアップをしたところに向けてソールをし、両肩を飛球線(ボールを飛ばす方向)と平行に構えてグリップすれば、自然と右肩が少し下がって右側に体重が少し乗るのが自然です。体重配分より、それ以外の体の形を正していくことに集中しましょう。
アライメントが崩れると全てが崩れる
アライメントというのは、調整とか整列という意味があります。ゴルフにおいてはボールを飛ばす方向に対して、体・足の向きやフェースの向きを合わせることをアライメントを合わせるという言い方をします。「飛ばしたい方向と平行に立つ」ということです。今まで説明をしてきたことは色々ありますが、全てアライメントを合わせないと台無しになってしまいます。
飛ばす方向と平行に立つという単純なことですが、必ずやって欲しいのはティアップしたところの真後ろから飛球線方向を確認するということです。飛球線と平行に立つのは、実は凄く難しいし、大事なことになりますので是非やり方を覚えておいてください。
①ボールの真後ろから打出し方向を確認
②目標方向にスパットを決める
③ボールとスパットを平行に結ぶようにフェースを置く
④足のつま先を結ぶ線が平行になるようにスタンスを完成
ドライバーの打ち方の基本を図解解説【初心者向け】
基本となるドライバーの打ち方を図解で説明しましょう。自分で鏡などの前に立ち、形をマネするところから始めるの良いですよ。自分の姿を確認しないと、想像以上に違う形をしていることが多いですからアドレスからショット後までコマ送りのように一つ一つの形を作っていくことをおすすめします。
- アドレス
- バックスイング
- トップ
- ダウンスイング
- インパクト
- フォロー
- フィニッシュ
ドライバーの打ち方1. アドレス
アドレスは、ここまで説明してきた手順を確認して、打出し方向を確認して飛球線方向とボールの真後ろから歩いてアドレスの位置に入り、足の位置を決めたらグリップ等を完成させます。軽く脇を締めて、右肩が少し下がり頭も少し右に傾いた状態で、あくまで自然な力の入れ方をすることが重要です。
パッと見で「力んでる」と思われるアドレスから始動すると、どこかでその力みが邪魔をしてスイングがブレます。特に、①肩が張っている②手に力が入っている、この3点が見た瞬間にわかるアドレスはアウト!!
お腹周りに緊張感があり、お尻の位置が高くキープされて、30度前後の適度な前傾で、肩から垂直に線を下したように腕がセットされたアドレスができていると、美しいスイングでナイスショットの予感がします。
ドライバーの打ち方2. バックスイング
バックスイングは「低く・長く」をテーマに取組んでください。クラブのヘッドを地面すれすれのところで低く長く引くことで、前傾キープがしやすくなります。
低く長く引こうとすると身体が右に流れそうになりますが、それを右の太ももでグッとこらえ、さらに左の腹筋に力が入って必要以上に体が流れるのを抑えると凄く引き締まった形のバックスイングになります。
ドライバーは全クラブで一番軽いです。だから手だけでヒョイと上げてしまおうとすればできてしまうのですが、そこで楽をすると、まだ体はスイングした時に遠心力に耐える準備ができていない状態なので、振り回されてしまいミスが多発します。
バックスイングの形をゆっくり練習するだけでも大分エクササイズになります。じっくり体をねじるトレーニングをしてください。
ドライバーの打ち方3. トップ
トップの位置は、グリップの形状や体のつくりなどによってまちまちです。なので、どの高さまで上げろとかシャフトを地面と平行にするまで上げろとかは言い切るわけにもいかないのですが、これはやった方が良いと思うと言えるのは背中を90度右に回しきることです。
とにかくドライバーはフェースが正面向きに戻ってくるまでにヘッドの動く絶対距離が必要になってきます。背中を回しきるのと手だけで上げるのでは、ヘッドの動いている距離が少なくとも50cm以上は違います。50cmあればフェースの向きも大分変えられます。
背中を後ろまで回すのは勇気が要りますが、練習を重ねると背中を大きく回した方が大きな筋肉を使ってスイングできるから安定性が高まることを確実に実感できます。
ドライバーの打ち方4. ダウンスイング
トップからのダウンスイングでは、ヘッドを先に動かさないでグリップを真下に下ろすことから始めるようにしましょう。
ヘッドを先に動かしている人は確実に力を入れ過ぎです。手の力でヘッドを先に動かそうとすると、ヘッドは一番重い部分なので遠心力で外へ外へと行こうとして身体から離れたところに向かっていきます。
その結果が、アウトサイドインのスイングになり、フェースが開いていれば思いっきりスライス、フェースが閉じたままアウトサイドインだと最悪のチーピンでOBまっしぐら…。
左足を踏みこむと、勝手にグリップ部分が上から下に動きます。その力で自然と重いヘッドが後からついてくるので、手の力で打とうとせず、手より強い足の力を使いましょう。
ドライバーの打ち方5. インパクト
さぁ、いよいよインパクトです。ボールを叩くその瞬間、一番力がボールに伝わるような形を作りたいですね。
両方の脇が締まって、フェースが平手打ちのようにボールを捉えて、グッと押し出すように右腕が曲がった状態で、頭はボールより右側に残ったまま前傾もキープできているのが理想形です。
インパクトの完成形を静止画のように自分で作って、そこに向かって行くスイングの形を作るのが正しいですね。スイングはインパクトからの逆算です。ある程度、普通に振ればボールに確実に当てられる感覚を身につけることができたら、インパクトから巻き戻しでアドレスに戻る練習をしてみましょう。
ドライバーの打ち方6. フォロー
フォロースルーは、インパクトゾーンをなぞってなるべく長く低い所をヘッドが動いてから、右腕が伸びきるまで振り切ってから身体にシャフトが巻き付くようにするのがスムーズです。
腕を伸ばしきるには、肩の可動域が広い所で振ることが大事。前傾姿勢を取ったところで腕をだらんと落として腕を左右に振り上げてみてください。その動きがスムーズにできるところでスイングをするのが一番効率が良いですよ。
ダウンスイングで右手が強いと、右手の力に押されて左ひじが曲がってしまい小さいフォロースルーになります。見るからに力が伝わらないカッコ悪いスイングになってしまうの原因になるので大きなフォローを心がけましょう。
ドライバーの打ち方7. フィニッシュ
フィニッシュでは、体重は100%左足に移して左足一本で立つ状態になっていることが理想です。そのまま3秒は止まっていられるようにしたいですね。フィニッシュで綺麗に立っているには、上体が綺麗に軸回転して折れていないようにしないとバランスが取れません。
両手で重いものを持って遠くに投げ飛ばすイメージをしてもらうとよいです。その時に、上体を遠心力で持って行かれないように身体の軸を保って、左に倒れないようにするはずです。身体に一本軸がないとフィニッシュで一本足になるのはほぼ不可能。バランス良いフィニッシュを取れるように身体の軸を感じるようにしましょう。
ドライバーの理想的なスイング軌道はインサイドイン
ドライバーは最も”つかまりにくいクラブ”です。つかまりにくい=左に行きにくいということです。ただでさえ、フェースが立っているので手先でフェースを左に向けようとすると、ちょっと下向きになってしまうんです。ボールが上がりにくいクラブでフェースを下に向けたら、ほぼ地を這うような球しか飛びません…。
そのため上から見たらワイパーのようにクラブを動かして、フェースを右側で開いて、左側では閉じていく動きが必要となります。そのワイパーの動きをいかに安定させるかがドライバーの肝!
真ん中にある身体を軸にして綺麗な軌道を描くように意識をしてみましょう。身体は軸になりますが、自分の胸の前はある程度平らな”面”があるので、その範囲はワイパーと言っても線に近い動きが出せます。
ピンポイントでボールを捉える点の意識ではなく、胸の前の面のゾーンでボールをとらえる意識を持っておくとインサイドイン&インパクトゾーンの長い理想的なドライバーのスイングが手に入りやすくなります。
ドライバーを曲げずに?真っ直ぐ?飛ばす打ち方のコツ
「ドライバーを真っ直ぐ」なんていう意識を持ってしまうと、曲がった時に自分を許せなくなってきます。ある程度曲がるのは真っすぐの内という意識をもちましょう。どれだけ曲げていいかをコントロールして、人それぞれの真っ直ぐを身につけるこよです。
真っ直ぐのコツというよりも曲がり幅を抑えるコツを考えてみましょう。
- 曲がり幅を抑えるアドレスのコツ
- ドローorフェードの持ち球を決めよう
- ティグラウンドの使い方を覚えよう
コツ1. 曲がり幅を抑えるアドレスのコツ
曲がり幅を抑えるためには、まずアドレスで飛球線と平行に立つというのがポイントです。
飛球線と肩のライン、腰のライン、足のつま先を結んだラインを揃えるように立ちます。
この時にクラブのフェースを先に合わせないでください。まずは身体の各ラインを揃えることに集中します。
クラブフェースをボール方向に向けてから飛球方向を見る際に体を起こしてしまうと、無意識に体が開きがちです。せっかく正しいアドレスを作っても、最後に体を起こして肩を開かせてしまうと作った平行が崩れてしまって台無しになるので、飛球線方向を見る際は首を傾けて目線だけを送って体は動かさないようにしましょう。
コツ2. ドローorフェードの持ち球を決めよう
自分が何も意識しないでスイングした時に自然と出るボールが、左曲がり(ドロー)なのか、右曲がり(フェード)なのかをまず理解しましょう。
いつも同じ方向に曲がるのが「持ち球」というものです。プロの選手は必ず自分の持ち球があります。そしてその中で曲がり幅をどれだけにするかをスイングで調整しています。
ドローヒッターは低めの球が出やすく、フェードヒッターは高めの球が出やすいです。構える際に目線の高さにも気を配ってください。ドローで低めの球を打つはずなのに高い所を見ると、体の傾きが強く出すぎてドロー回転をかけ過ぎてしまうことがあります。フェードの場合は、その逆もあります。
コツ3. ティグラウンドの使い方を覚えよう
ドローヒッターとフェードヒッターではティグランドで立つ位置が異なります。自分が打ちたい方向の対角線側に立てば、フェアウェイを広く使えることになります。たとえば、ドローヒッターはティグラウンドの左側に立って、フェアウェイ右方向を狙えばドローボールは左曲がりでフェアウェイ中央に戻ってくるということです。
ただし、これはあまりやりすぎると曲がり幅を大きくすることを助長しかねないので、できればティグラウンド中央に立って、フェアウェイ中央を狙って少し左サイド、少し右サイド程度に行くくらいの曲がり幅の球を打てるようになるように練習を重ねましょう。
ドライバーの打ち方の練習方法【ミート率&飛距離アップ】
ドライバーの打ち方はなるべくシンプルにした方が安定感が出ます。曲げたり、高さを出したり、飛ばそうとしたり…色んなことをやろうとすると極端な体の動きをしてしまうので、極端な結果が出てしまいます。
本番で極端な動きをしなくて済むように、小さな動きを繰り返し練習することで体にドライバーで芯を喰う感覚を染み込ませていきましょう。
- ドライバーのミート率を上げる練習方法
- ドライバーの飛距離アップにつながる練習方法
ドライバーのミート率を上げる練習方法
ミート率というのはボールスピード÷スイングスピードです。ボールスピードを早くするために、いかに効率よくボールに力を伝えたかを数値化したものです。
ドライバーは薄い金属でできていて、ボールが当たった時に一瞬たわんで弾き飛ばす構造になっています。ボールが真っすぐドライバーの中心に当たれば、ボールは綺麗に潰れ、ドライバーはシッカリたわんでボールに力を伝えます。毎回、その中心でボールを打つために、ドライバーでアプローチの練習をするのが最も効果的です。
腰から腰、肩から肩など左右対称のスイングでボールを潰して打つ感覚を掴むようにしましょう。芯を外すと打感が全く異なるのですぐわかるはずです。
ドライバーの飛距離アップにつながる練習方法
ドライバーの飛距離アップをさせるには、スイングスピードを早くすることが必須です。力があろうがなかろうが、これは絶対に必要となります。
少しでもスイングスピードを速くするのに、重いバットをの素振りをして力をつけたり、逆に軽い棒で素振りすることで体にスピードを染み込ませたりする練習があります。地道な努力が、間違いなく結果に繋がります!!飛距離を上げたい人はまず【素振り】これは絶対ですね。
また、フォローの作り方のところでもお話しましたが、肩の可動域が広い所を見つけて振る癖をつけましょう。前傾して腕をだらんと下げたところで頭を固定したまま左右に腕を振り子のように振って、腕が地面と垂直近くまで振れるところを見つけてください。一番力を入れずに腕が振れるところでクラブを持たないとスピードを殺してしまいますからね。
【Q&A】ドライバーの打ち方で多いミスと対策方法
一般プレーヤーのドライバーのミスは圧倒的にスライスが多いです。そのため、コースでも右側には斜面等を作って右にミスしても助けてもらえるように設計されているところが良く見受けられます。全部OBにしてたら進行が遅れますからね。少しでもミスの対策方法を覚えて気持ちよくフェアウェイを歩けるようにしましょう。
- ドライバーのスライスの原因と直し方は?
- ドライバーのフックの原因と直し方は?
- ドライバーのテンプラの原因と直し方は?
- ドライバーのシャンクの原因と直し方は?
- ボールが上がらない原因と見直しポイントは?
Q. ドライバーのスライスの原因と直し方は?
ドライバーでスライスが出る原因は「アウトサイドイン」のスイングに他なりません。レッスンを行っていても、8割以上の方はアウトサイドインで振っています。アウトサイドインのスイングになってしまう一番の理由は「テイクバックが浅い」ことです。
テイクバックが浅いとヘッドの移動距離が短いので、大型ヘッドのフェースを正面に戻しきれません。テイクバックを深く取るには、トップ静止ドリルが効果的です。
まず自分の眉間の真正面でクラブを立てます。そのまま90度体をターンさせて背中を飛球線側と平行に向け、その場でクラブを担ぎます。左腕がしっかり伸びた状態のトップを作り、下半身を軽くバウンドさせて安定できるポジションを探して、ポジションが決まったらそこでボールを見ながら3秒静止。フルスイングはせず、半分以下のゆっくりしたスイングでボールをヒットしましょう。
背中を真正面に向けるくらい回しても打てるという感覚を身につけて深いテイクバックでも大丈夫という安心感を自分に植え付ける練習をしてください。
Q. ドライバーのフックの原因と直し方は?
フックボールが出てしまう人はいくつかパターンが分かれますが、実は一番多いのはこれもアウトサイドインのスイング+フェースが左に向きすぎのパターンです。テイクバック時に手元を先行させすぎるとヘッドが下向きになってから上がり始める症状が出ます。これは結構、闇が深くて大変!色んなところに悪さしてくるのですぐに直したいですね。
まずは、ドライバーを短く持って、腕とフェースまで一体化して動かせるイメージを作る練習をおすすめします。体をしっかり回してテイクバックをすると自然とフェースは開きます。フェースを開いても大丈夫ということを体で覚えておく必要があります。
また、ボール位置を左に置きすぎているだけという単純な理由も見受けられますのでアドレスを丁寧に見直して練習するだけでもかなり解消される可能性があります。
Q. ドライバーのテンプラの原因と直し方は?
テンプラが出てしまうのは、スイング軌道がV字になっていることが原因です。これも結局テイクバックの浅さがV字軌道を作ってしまうことになります。
V字軌道の方は、ボールを上から見て、見たまんまに直接上からに当てに行く動きをしてしまっています。ドライバーは角度が付いていないので下から打たないと球は適正な高さで上がりません。スイングスピードが早い人はダウンブローでもバックスピンをかけて球を上げる技が使えますが、初心者は無理です。
テイクバックを低く長く引いておけば、ダウンスイングでも低いところを長い間振れるようになります。いわゆるU字と言われるスイングです。
アイアンを使ってテイクバックの練習をしましょう。アイアンで地面を擦ったままテイクバックしていきます。左の腹筋がピクピクしてしまい、右に体が流れてしまうギリギリのところまで地面に押し付けるようにテイクバックを究極に低く長く取ります。そこからトップまで作ってスイングをします。フルスイングは全く必要ありませんが、トップまではしっかり作りましょう。
Q. ドライバーのシャンクの原因と直し方は?
ドライバーでのシャンクの原因はボールとの距離が遠すぎる場合に起こります。アイアンの場合はボールとの距離が近すぎたり、手元が浮いてアイアンのネック部分に当たることでシャンクになります。ドライバーの場合、そのようにヒール側に当たるとフェースが返って左に真っすぐ飛び出すヒッカケになります。
ドライバーの場合はアイアンとは逆でトウ側に当たるとフェースが開き、シャンクになります。おもな原因は2つ。
1つめはボールからの距離が遠すぎること。アドレスした時より手元が体の近くを通り、ヘッドの先っぽに当たり、ボールが右に飛び出します。自分とボールの距離をもう一度見直してください。
もう1つはスイング軌道がアウトサイドインになりすぎていること。この軌道で振るとインパクトで手元を引きつけてしまうため、ボールがフェースの先にしか当たりません。このタイプの人は逆に少しインサイドアウトに振るように練習してみましょう。
Q. ボールが上がらない原因と見直しポイントは?
思ったようにボールが上がらない場合、まずはドライバーのロフト角を見直しましょう。
いまは男子プロでもひと桁ロフトを使う人は少なくなっています。ヘッドスピードが特別速くない人以外は10.5度や11度のロフトを選ぶようにしましょう。ドライバーに調整機能が付いているなら、まず思い切りロフトを多くして使ってみてください。
技術的な問題としてはインパクトでロフトを減らして打っていること。切り返しで左に頭が動いて「突っ込んで」いませんか?
そうなると右肩が前に出て上から下に打ち込むスイングになってしまいます。解決策としてはトップまでクラブを上げたら、頭をその位置に残したまま振れるように練習してみましょう。
【関連】プロゴルファーのドライバーの打ち方を連続写真で解説
解説者プロフィール
名取 確
逆上がりできないティーチングプロ(ペンネーム)
世田谷区在住。世田谷区喜多見で<ゴルフのある人生を共に歩もう>をテーマに、インドアゴルフ練習場EndlessGolfを運営しています。ティーチングプロと不動産業のリアル二刀流。一生ゴルフで感動し続けられる仲間をたくさん作りたい想いの溢れる40代です。