ゴルフシューズのススメ方とは?
重箱の隅、つつかせていただきます|第12回
スイング、ゴルフギア、ルールなどなど……。ゴルフに関わるすべての事柄の“重箱の隅”をゴルフライター・戸川景が、独自の目線でつつかせていただくコラムです。
GOLF TODAY本誌 No.589/70ページより
戸川景
とがわ・ひかる。1965年3月12日生まれ。ゴルフ用具メーカー、ゴルフ誌編集部を経て㈱オオタタキ設立。現在、ライターとしてゴルフのテーマ全般を手掛けている。
ゴルフシューズのススメ方とは?
タイアップの広告記事、というのをご存じだろうか。メーカーの依頼で作る、企画形式の広告だ。
編集サイドとしてはプロパーの広告と差別化するために試用やコメントの取材、ページレイアウトなどで苦労するが、ライターとして記事を書くぶんには比較的ラクな仕事だ。
というのも、メーカーの〝売り文句〟と製品の仕様を忠実になぞるだけ。〝ちょうちん記事〟と言われても、実質はメーカーから広告費が出ているのだから、それ以上にけなすことはもちろん、ほめ過ぎることもできないのだ。
ただ、タイアップ広告で厳しいのは〝連合企画〟。数社の製品を並べて掲載するパターンだ。
中でも、シャフトとシューズにはかなり手を焼かされる。書き分けが非常に難しいからだ。
シャフトの場合、毎年のように新製品が発表されるが、なぜかテイストの似たものばかりが並ぶ。ヘッドの進化に合わせたトレンドだからかもしれないが、どれもこれも復元力が高かったり、大型ヘッドなのにつかまりが良かったりする。カタログ通りに書くとほぼ同じ文章になる。まあ、そんなわけにはいかないので、知恵を絞ることになるのだが。
シューズはさらに難しい。他社と比較して、強調できるメリットがほとんどないのだ。
ソールのグリップ力、フィット感、歩きやすさ、スイング時の安定感。これらの項目を外しているシューズは、ない。もしあったとしたら、広告は出せないはず。
メーカーもその点を理解しているのか、最近はシューズのタイアップ広告自体、単体でも減っているようだ。プロパー広告で十分魅力をアピールできている、とともに、試用記事を見て購買意欲をかき立てられるユーザーもほとんどいないということだろう。
こう述べると、タイアップではない、シューズ性能比較記事もいかがなものか、というユーザーも出てくるかもしれない。基本性能がどれも優秀なら、カラーやデザイン、ブランドの好みで選べばいいのではないか。
実は、そうではない。こういった企画で読み取るべきは、選び方のトレンドを知る、知識をアップデートすることなのだ。
たとえば、以前はスパイク鋲の突き上げと歩き心地の関係などが評価ポイントになったり、ソフトスパイクでは鋲の交換のしやすさが取り上げられたこともあるが、現在では話題にならない。スパイクレスが増えたこと、またソフトスパイクでも鋲よりもシューズ自体の耐久性が持たないことが増えてきたからだ。
耐久性でいえば、手入れ次第だが牛革が優れている。使い込めば足の形に馴染むし、鋲を換えれば長く使い続けられる。
だが、デメリットは重いこと。ひと昔前は、重量があるとリズムよく歩けて疲れにくいとか、スイングで足元が安定すると言われたが、現代ではナンセンス。衝撃吸収力と反発性能が適度にある軽量モデルがプロの間でも人気だ。
私が今、シューズをオススメするとしたら、夏場でも熱くなりにくい薄い色のスパイクレス。月イチゴルファーのように使用頻度が少なくても靴擦れしないように、くるぶし周りがソフトなもので、インナーソールでの調整ができるサイズを選んでもらう。
歩きやすさ、スイング時の安定感、フィット感は、シューズ単体に求めるより、優れたインナーで解消するのがベター。グローブと同じで〝内側で滑る〟と、すべてが台なしになる。その点では合わせるソックスも大事だと思う。
靴選びは歩きやすさが基本。傾斜のある草地を7〜8キロ、快適に歩ける靴は、軽くてフィット感のあるものだと信じている。
Text by Hikaru Togawa
Illustration by リサオ
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