懐中電灯でテークバックのチェック?ちょっとした工夫でできる自宅練習
北野正之が指南する「練習効率アップ」の心得 VOL.2
サラリーマンゴルファーの方々は、練習場に出かける時間がなかなか取れないことだろう。でもそれはうまくならない理由とはならない。「練習場で球を打つだけが練習ではないんですよ」というのはアマチュアレッスンに定評のある北野正之プロ。少ない時間を有効利用して上達を加速させる秘策を教えてもらった。
北野正之
きたの・まさゆき
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。所属のサザンヤードCC(茨城県水戸市)や松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)で多くのアマチュアをレッスン。知る人ぞ知る名ティーチングプロで著書も多数。
ボールを打たなくてもできる練習を、日常生活に取り入れよう
懐中電灯を持って素振りするだけでも効果が高い
サラリーマンゴルファーでもシングルハンディをしっかりキープしている人は、私の周りにも大勢います。練習場に行けるのはせいぜい週1回、ラウンドも月に1回という人でも、限られた時間を有効利用すればゴルフがうまくなれるのです。
逆にいえば、「練習場に行ける時間がなくてね」とよく口にする人ほど、なかなか上達できないでいます。ゴルフの練習というとボールを打つことが重要に思われがちですが、ボールを打つだけが練習ではないのです。
練習場に出かける時間が作れないのであれば、何か道具を身の回りに置いておくのがいいでしょう。たとえば懐中電灯を部屋に置いて、ちょっと時間があいたときに懐中電灯を持って素振りをするのもグッドアイデアです。部屋を暗くして灯りの動きを目で追いながら素振りするのです。素振りを繰り返しているうちに軌道が残像として残り、正しいスイングのイメージがつかめます。
クラブを持たなくても、懐中電灯で素振りするだけでもテークバックでアウトサイドに上がったり、インサイドに低く引きすぎたりなど間違った動きにもすぐ気付きますから、スイングの修正にも役立ちます。
毎日クラブに触れていれば、正しいグリップ感覚を忘れない
練習場に出かける時間がとれないのなら、日常生活の中でゴルフの練習を習慣化することを考えましょう。パターを部屋に置いてパットの練習をするのもいいですし、パター以外のクラブを何か1本置いておくのもオススメです。クラブを持って素振りをしなくても、椅子に腰かけてクラブを持つだけでもOK。テレビを見ながらでもクラブを持っていればグリップの感覚などが簡単にチェックできます。
1カ月間クラブを手にしないままでいるのと、ボールを打たなくてもクラブに毎日触れているのとでは相当変わってきます。久し振りにクラブを持つと、両手を正しく握ったはずのグリップに違和感が生じて気持ち悪く感じてしまうことがザラにあります。
その点、普段からクラブを持ってグリップする感覚が体になじんでいる人は、久し振りに練習場に出かけたときもクラブを持ってすっと構えられます。アドレスでバランスよく構えられるからグッドショットが打てる確率が高く、練習の効率も上がります。でもグリップに違和感があると、アドレスの姿勢にも違和感が出てしまいます。その時点で練習の効率が半減してしまうわけです。
ちょっとした工夫で練習不足をいくらでも解消できる
私はゴムチューブを利用してスイングのチェックをすることがよくあります。チューブの片端を部屋のどこかに縛っておき、もう片端を両手に持ってダウンスイング練習をするという具合です。自分なりに工夫を取り入れて、いつでもどこでもゴルフの練習ができる環境を作っておくと上達が驚くほど加速します。
通勤途中でも電車に乗っているときは、つり革につかまって立っているのなら重心をツマ先側に乗せて立ったり、カカト体重で立ってみたりとか、ヒザを曲げないよう伸ばしてみるとかしてみると、アドレスのバランス感覚を養うこともできます。
何でもいいんです。歯ブラシで歯を磨いている間も重心を前後左右に移動してみるなど、ちょっとしたことをゴルフの練習として日常生活に組み込んでみてください。ボールがなくてもできる練習のほうが、下手にボールを打つよりずっと効率がいいことがよくあるのです。
取材・文・写真/三代 崇 協力/松原ゴルフガーデン
【シリーズ一覧】
●VOL.1:できないことに「ダメ出し」しないで、できることを増やしていこう!
●VOL.2:懐中電灯でテークバックのチェック?ちょっとした工夫でできる自宅練習
●VOL.3:コースで使えるショットの練習を多く積めば必ずスコアアップする!