アプローチの距離感が合わない人は「手首の使いすぎ」が原因かも!
セリザワメソッドを継承 広瀬祥代が“ミスの一発解決法”を教えます! ミスの原因&練習法がすぐにわかる! VOL.13
芹澤信雄率いる『チームセリザワゴルフアカデミー』の紅一点のティーチングプロ、広瀬祥代。親切でわかりやすいレッスンで、年齢性別を問わず多くのゴルファーに人気。その広瀬がドライバーからパターまでのミスの解決法をレッスン。ミスの原因に応じた対策法が明確になれば悩みを一発解消、ゴルフがどんどんうまくなる。どんな練習をしたらいいかわからないゴルファーも必見だ!
まずはノーコックでスイングしたときの距離を知ろう!
距離感が合いにくい人は、手首を使いすぎる傾向がある
ピンまで50〜70ヤードの場面では、アマチュアゴルファーの皆さんは「中途半端な距離だな〜」と思うことでしょう。フルショットができないなら、スイングの大きさを加減して打たないといけません。フルショットのほうが一定のスイングで振りやすいから、距離がそろいやすいけど、スイングを加減して打つコントロールショットは案外難しいですよね。
ダフって手前に大ショートしたり、トップしてオーバーしたり、あるいはイメージどおりの距離が打てなかったりするのはスイングのミスもありますが、一番の原因は自分の距離感の目安がないから。どう振っていいかわからず迷いが生じては、バックスイングが大きすぎてインパクトが緩む、バックスイングが小さすぎてインパクトが強くなるといった現象が起こりやすい。距離感が合わないという人は、コックを使いすぎる傾向が多く見られます。手首を使いすぎてはスイングの大きさがそろわず、インパクトも安定しにくくなるんです。
SW、AW、PWのそれぞれのキャリーも正確に把握しておく
まずはノーコックのスイングで何ヤードくらいの距離が出るかを知ることから始めましょう。手首をガチガチに固めるわけではありません。グリップは柔らかめに握るけど、構えたときの手首の角度を変えないでクラブを振るのです。何も考えず、手を使わないでカラダの回転だけでスイング。
振り幅としてはハーフスイングくらい。私の場合でいえば、右胸の高さから左胸の高さまで振り抜くという感覚です。バックスイングで胸を右に回し、ダウンスイング以降では胸が目標を指すまで回して、左右対称形となるように振ります。トップとフィニッシュはもう少し低くてもいいし、肩くらいの高さでもOK。とにかくノーコックでスイングしたときのキャリーを自分の距離感の基準と考えてください。
ノーコック&ボディターンのスイングを基準として、振り幅をもう少し抑えたスイングと、コックを使ったフルスイングのキャリーもつかんでおきましょう。フルスイングといっても、ドライバーやアイアンなどのフルショットとは違います。飛ばすのが目的ではなく、打ちたい距離をできるだけ正確に打ちたいのですから、力感を8割くらいにセーブして打つのがコントロールショットのフルスイングです。
SW、AW、PWのそれぞれのウェッジを使って打ち、クラブごとのキャリーを練習で把握しておきましょう。ノーコック&ボディターンの基準のスイングの場合、私のSW(ロフト角56度)のキャリーは50ヤード、ランはほぼゼロです。AW(ロフト角52度)はキャリー60ヤード、ラン5ヤード。PW(ロフト角48度)ですとキャリー70ヤード、ラン10〜15ヤードといったところ。この距離をベースにして振り幅を抑えたスイングとフルスイングのキャリーを知っておけば、コントロールの技術の幅が広がります。
ノーコックのスイングで打ったことのない人はきっと多いでしょうから、実際にやってみて体感してください。手首を使わなくたって50ヤード前後の距離をきっちり打てることがわかりますし、50ヤードをしっかり身につけておくことでスコアも作りやすくなるんです。
最後に動画でチェック
自分の距離感を作るには、ノーコック&ボディターンのスイングから始めよう。手首の動きを使わなければキャリーがそろいやすい。
※動画は音声が流れますので音量にご注意ください。
広瀬祥代
ひろせ・さちよ/茨城県出身。社会人になってゴルフと出会い、魅力と楽しさを知ってインストラクターへの道を目指す。2011年にライセンスを取得し、現在はチームセリザワゴルフアカデミーで幅広くレッスン活動を展開している。セリザワメソッドでレッスンスキルをさらに向上中。
取材・文/三代 崇
写真/相田克己
協力/太平洋クラブ御殿場コース