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プロのようなカッコいい「シャローロブ」をマスターしよう!!

大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」 VOL.23

2021/04/16 ゴルフサプリ編集部

理論をわかりやすく展開し、実戦ですぐに役立つレッスンで大人気の大西翔太コーチ。
その大西コーチが、誰も知らなかったゴルフスイングのツボをこっそり教えてくれた。第23回はアプローチテクニックの一つであるロブショットの打ち方をわかりやすくレッスン。いざというときに役立つのでマスターしておこう。

インサイドアウトに振るシャローロブなら距離感もバッチリ!

ロブショットは最後の切り札。コロがしがきかない場面で頼りになる

皆さん、こんにちは。ツアープロコーチの大西翔太です。今回はグリーン周りからのロブショットの打ち方をレッスンしたいと思います。アプローチショットを大きく分けるとボールを低くコロがすランニングアプローチ、ボールを上げてコロがすピッチエンドラン、そしてボールを高く上げて止めるピッチショットの3つがあります。

ロブショットはピッチショットに近いのですが、ピッチショットがスピンでボールを止めるイメージなのに対して、ロブショットの場合はスピン量をあまり増やさないで、高さでボールを止めるイメージになります。ボールがフワッと舞い上がり、ピンの真上から落とす。それがロブショットです。

ロブショットがどんな場面で役立つかというと、ボールがセミラフにちょっと沈んでいて、ピンが手前側とかバンカー越え、それにグリーンの横や奥めからのアプローチでランをあまり出したくないケースなどです。グリーンの面があまり使えず、キャリーで直接ピンを攻めたいときに用います。ラフからではピッチショットでもスピンがかかりにくいですから、そんなときはロブショットを選択するのがベストです。

コロがした方が有利なのにロブショットを打つなんて、プロたちは絶対にやりません。コロがしではピンに寄らない。ピッチエンドランでも確率が低いし、ピッチショットでもちょっと厳しい。つまりロブショットは最後の手段的なテクニックです。練習でマスターしておけば、いざというときにとても役立ちます。

ヘッドを鈍角に入れて、ボールをつかまえるから縦の距離感が計算しやすい

ロブショットではサンドウェッジを使います。ロフト角は56〜58度が基準ですが、ロフト角60度のロブウェッジもキャディバッグに入れて駆使するプロもいます。アドレスではフェースを大きく開き、オープンスタンスに構えましょう。ボールの位置は左カカト内側の延長線上に見えますが、自分から見ればそれほど左ではなくてスタンスの中央よりも1〜2個左足寄りとなります。

ロブショットではオープンスタンスに構える。ボールの位置は左カカト内側に見えるが、自分から見ればスタンスの中央よりボール1〜2個分内側が目安。
通常のアプローチはフェースをあまり開かなくていいが、ロブショットは高さを出したいため、フェースを開く。

オープンスタンスに構えるのなら、スタンスの向きに沿ってアウトサイドインの軌道で振るのがいいと思う方が多いでしょう。でも違うんです。スタンスはオープンでも、スイング軌道は軽いインサイドアウト。これがミソです。アウトサイドインの軌道でも打てないことはないけれど、上から鋭角に打つイメージが強すぎてダルマ落としの感覚になりやすい。「抜けちゃった」とプロたちがよく口にするようにボールにパワーが十分に伝わらず、キャリーが不足して手前にショートしやすいのです。アウトサイドインに振ってもスピンがかかりますが、その打ち方でピンに寄るかといったら確率的に低いです。それにアマチュアの方々にとっては、インパクトでソールが跳ねてトップが出やすいというマイナス面もあります。

アウトサイドインに振るのも悪くはないが、ダルマ落としように「抜けた」当たりになりやすく、キャリーがあまり出ない点に注意。
ヘッドを鋭角に入れすぎてソールが跳ねてトップが出てしまうケースもある。

その点、インサイドアウトに振ればクラブの入射角がシャローに、つまり鈍角に入ってくるからソールが滑りやすく、ボールがつかまるロブショットが打てるという仕組みです。縦の距離感が合いやすく、プラスの要素としてスピンがよりかかりやすいのです。コースで使えるロブショットはアウトサイドインではなく、実はインサイドアウト。それを多くのゴルファーに知って頂きたいと思います。

また、ロブショットはバンカーショットにも応用できます。フェースを開いてオープンスタンスに構え、アウトサイドインに打ちすぎてバンカーから出ないという人は、逆にインサイドアウトにスイングしてみてください。そうするとパワーがボールに伝わりやすく、案外簡単に脱出できるようになります。

ヘッドを鈍角に入れればボールがつかまりやすく、キャリー不足を防げる。距離感が合いやすいのが長所だ。
ロブショットではスタンスはオープンでも、軽いインサイドアウトの軌道でスイングするのが合理的。
ピンが近くても大きめにバックスイングし、ヘッドをシャローに入れていこう。
クラブを丸く振るイメージで、ソールをスムーズに滑らせる。インパクトを緩めずに、ヘッドを加速させて振り抜くことが大切なポイントだ。
大きく振り抜けば高さを出しやすく、ピンの真上から落とすイメージのロブショットが打てる。コースで使える場面は少ないが、ぜひマスターしておこう。

最後に動画でチェック!

ヘッドを鈍角に入れて、軽くインサイドアウトに振り抜こう

※動画はショット音が流れますので音量にご注意ください。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/船橋カントリークラブ

大西翔太
おおにし・しょうた/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアの育成に尽力する一方で、青木瀬令奈のコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富。女子ツアープロの大西葵は実妹。


【大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」】
←アプローチの低い球、高い球の打ち分けは、ボール位置を変えるだけで簡単にできる!!
パットは「ストレートに振る」はNG! 緩やかなインサイドインに振れば入るようになる!!→

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