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アプローチの低い球、高い球の打ち分けは、ボール位置を変えるだけで簡単にできる!!

大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」 VOL.22

2021/04/09 ゴルフサプリ編集部

理論をわかりやすく展開し、実戦ですぐに役立つレッスンで大人気の大西翔太コーチ。
その大西コーチが、誰も知らなかったゴルフスイングのツボをこっそり教えてくれた。第22回はアプローチの低くコロがす打ち方と、高く上げて止める打ち方をレッスンする。アプローチのバリエーションを広げてスコアアップに役立てよう。

シンプルな打ち方を覚えれば、アプローチがどんどんうまくなる

お腹の回転でスイングする大原則をしっかり頭に入れておこう

皆さん、こんにちは。ツアープロコーチの大西翔太です。今回はグリーン周りからのアプローチショットの基本の打ち方と応用テクニックについて解説したいと思います。アプローチショットを大きく分けると最初からボールを低くコロがすランニングアプローチ、ボールを上げてコロがすピッチエンドラン、そしてボールを高く上げて止めるピッチショットの3つがあります。

その中でベースとなるのはピッチエンドランです。アドレスのポイントとしては、小さめのスイングで打つためにスタンスを狭めにします。ボールの位置はカラダの中心線の前、両手は左モモのツケ根の前にセットして構えましょう。カラダの向きはなるべくスクエアにするのがオススメです。

オープンスタンスでもいいのですが、肩や腰まで斜に構えると方向感覚が狂いやすいので、フェースをスクエアにセットし、肩や腰、スタンスなどカラダの全体をボールと目標を結ぶターゲットラインに対して平行に立つようにしましょう。スクエアに構えればクラブを違和感なく振りやすく、方向が安定しやすくなります。

スタンスを狭めにし、ボールをスタンスの中央に置くのがアプローチの基本。

スイングの重要ポイントは腕や手を使わず、お腹の回転を主体にしてスイングすることです。グリップエンドとお腹が向き合うように構え、この2つが向き合ったままでスイングしましょう。グリップエンドとおヘソの間隔をキープしたまま、お腹を右に回してバックスイング。ダウンスイングからインパクト、フォロースルーにかけてもグリップエンドとおヘソの間隔を変えないでクラブを振り抜いていきます。両腕をネジらないでスイングすればスクエアフェースでボールをとらえやすく、イメージとおりのアプローチショットが打てます。

グリップエンドとお腹が互いに向き合うように構える。
グリップエンドをおヘソに向けたまま、お腹を右に回してテークバック。
グリップエンドがおヘソを差した状態でお腹を戻してインパクト。
お腹の回転を主体にスイング。腕や手は一切使わない。

ピンまでの距離が近いと、お腹を回すことを忘れて手先の動きでボールに当てにいきやすいので注意してください。インパクトで両手をコネるような動きとなり、ボールをスクエアにとらえられず、方向も距離感も大きく狂わせてしまいます。腕や手は使わないけれど、両手首や両ヒジをガチガチに固めてスイングするのもNGです。両手にクラブの重さを感じておき、両足を軽く足踏みするイメージでお腹を左右に回転するのです。自然とクラブヘッドの遠心力が働いて、スイングにリズム感が生まれてきます。

お腹を回さないで手先の動きで当てにいくとインパクトで手首をコネてしまう。
ピッチエンドランはボールを真ん中に置き、両手を左モモの前にセットして軽くハンドファーストに構える。
両手にクラブの重さを感じたままでテークバック。腕や手は使わないが、手首やヒジを硬くしてはいけない。
ダウンスイングはお腹の回転がリードする。手首の角度が変わらないように注意。
構えた位置にクラブヘッドを戻してインパクト。ロフト角どおりに球が上がっていく。
お腹を回せばフォロースルーで胸が自然と目標方向を指す。

ボールの位置が変わっても、スイングはできるだけ変えない

ボールを真ん中にセットして打つピッチエンドランをアプローチの基本形と考えてください。ランニングアプローチやピッチショットがピッチエンドランと何が違うかというと、ボールの位置を変えるだけです。ピッチエンドランのアドレスからボールを右ツマ先の前に移動すればランニングアプローチの構えとなりますし、ボールを左ツマ先の前にセットすればピッチショットの構えが作れるのです。

ランニングアプローチでボールを右ツマ先の前に置いても両手の位置は左モモのツケ根の前です。すると自然とハンドファーストの度合いが強まり、フェース面が立ってきます。同じサンドウェッジでもピッチエンドランはロフト角56度のままで打つとして、ランニングアプローチの場合は45度近くまでロフト角が減るということです。あとはピッチエンドランと同じように、グリップエンドとお腹が向き合ったままでスイングすればOK。ハンドファーストにヒットしやすいぶん、フォロースルーでクラブヘッドが自然に低く出てボールも低く飛んでいき、ランを多く出すことができます。

ボールを低くコロがすランニングアプローチはボールを右ツマ先の前に置く。両手は左モモのツケ根の前。
ランニングアプローチもお腹の回転主体でスイングする大原則は一緒。
ロフト角を減らしてハンドファーストに打つため、ボールが低く出て行く。
フォロースルーではクラブが自然と低い位置に振り抜かれる。

逆にボールを左ツマ先の前に置くときも両手の位置は左モモのツケ根の前ですが、この場合はハンドファーストの度合いが弱まり、ハンドレートに構える感覚が強まります。アドレスでフェース面が寝るため、サンドウェッジのロフト角が65度近くまで増えてくるのです。ピッチショットのスイングもイメージはピッチエンドランと一緒。ボールを左に置いたぶんだけ、フォロースルーでクラブが自然に高く振り抜かれてボールが上がりやすく、ランを少なく抑えられます。

ランニングアプローチもピッチショットも意図的にスイングで低くコロがしたり、高く上げたりしているわけではありません。ボールの位置を変えるだけで、低い球と高い球の打ち分けが簡単にできてしまうのです。何も細工しなくていいからとてもシンプルですし、バリエーションをすぐに増やせます。

ボールを高く上げて止めたいピッチショットはボールを左ツマ先の前にセット。
ピッチショットもグリップエンドとお腹が向き合ったままでテークバックする。
ロフト角を増やしてインパクトするイメージとなり、ボールが高く出ていく。
フォロースルーはクラブが自然に高い位置へと振り抜かれる。

キャリーとランの比率としては10ヤードの距離を打つとすれば、ボールを真ん中に置いて打つピッチエンドランは5ヤードキャリーして、ラン5ヤードのイメージ。ボールを右足の前に置けばキャリー3ヤード、ラン7ヤード。左足の前ならキャリー7ヤード、ラン3ヤードの計算でいいと思います。サンドウェッジだけでなくアプローチウェッジでも打ってみて、キャリーとランがどう変わるかを練習でチェックしておきましょう。そしてグリーン周りの状況に応じて、3つのアプローチをうまく使いわけてスコアメイクしてください。

最後に動画でチェック!

シンプルな打ち方を覚えれば、アプローチがどんどんうまくなる

※動画はショット音が流れますので音量にご注意ください。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/船橋カントリークラブ

大西翔太
おおにし・しょうた/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアの育成に尽力する一方で、青木瀬令奈のコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富。女子ツアープロの大西葵は実妹。


【大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」】
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