5番アイアンの上の番手は 7番ウッド とユーティリティ どっちがいいの?
実はスコアを大きく左右する!! 7番ウッドとユーティリティの選び方
今では7番アイアンのロフトは30度が一般的となっている。7番が30度なら5番アイアンのロフトは24度くらいになる。するとその上の番手のロフトは21度前後が適当だから、21度のユーティリティをセッティングしているゴルファーが多数派だと思われる。だが、飛ばし屋として知られる有名男子プロが、ユーティリティではなく7番ウッドをチョイスしていると言う。5番アイアンの上の番手はUTと7Wどっちが正解なのか?
GOLF TODAY本誌 No.588 81〜85,95,96ページより
あれっ!「ヘッドスピードが遅い人はウッド型」がこれまでの常識だけどダスティン・ジョンソンが7Wで渋野がUTなの?
2020年の全米プロから使用開始
ダスティン・ジョンソンがUTに替えて7Wを使用開始したのは2020年の全米プロからと伝えられている。7Wがどれほど貢献したかは判断が難しいが、8月のザ・ノーザントラストでは30アンダー、9月のツアー選手権では21アンダー、11月のマスターズでは20アンダーとハイスコアでの優勝を果たしている。
FWが得意なはずなのに22度UT
「得意なクラブは5番ウッド」と言う渋野日向子。2018年アースモンダミンカップでホールインワンを達成したのも5番ウッドで、FWを得意としているはずなのに7Wではなく、UTを使用。ドライバー、FW、UT、アイアンと言う現在主流のセッティングだ。
コースの違いが選ぶクラブを変えた
「ヘッドスピードが遅い人にはウッド型UTやショートウッドがいい」という常識は今でも通用します。しかしこれには「ヘッドスピードが速い人にはウッド型UTやショートウッドは合わない」という反対の意味もありましたが、最新のクラブにおいて後者は常識ではなくなりました。
その理由は、ユーティリティを含むウッド型クラブの低重心化が進み、無駄なスピンの発生が抑えられるようになったからです。このため、以前であればヘッドスピードが速いゴルファーがショートウッドを使うと起きていた、球の吹き上がりやつかまり過ぎが最新モデルでは起きなくなっています。
これを背景に、年々硬さを増す米ツアーのグリーンに止めるために、ダスティン・ジョンソンは十分な高さが得られる7Wを選択したと考えられます。一方、渋野をはじめとする多くの女子プロは、UTでも十分に止まるグリーンでプレーしているため、球の高さより、操作性や汎用性の面でUTを選択していると考えられます。
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7WとUT特性の違い
ロフト角は同じでも、ヘッド形状の違いで球のつかまり、上がりやすさ、曲がりにくさ、スイートエリアの広さなどが変わる。
ヘッド幅
7W ヘッド幅が広い分、重心深度が深くなり、重心角もヘッドの慣性モーメントも大きくなる。
UT UTはアイアンに比べてヘッド幅があるので、重心は深くなるが、7Wに比べれば浅い。
重心距離
7W 7WとUTのヘッド長さはほぼ同じくらいだが、7Wの方が重心距離は短く、ヘッド重量も軽くなるのでヘッドを返しやすい。
UT ヘッド幅が狭い分、UTは7Wよりヘッドが小さい印象だが、ヘッドの長さは、ほぼ同じでも重心距離は長い。
ヘッドの高さ
7W ヘッドの高さが低く、ソールも広いから最も低重心になっているのが7W。
UT 7Wよりヘッドの高さが高く、ソール幅は狭いのでアイアンよりは低重心だが7Wよりは高重心。
4I ヘッドの高さがあり、ソール幅は狭いのでアイアンが最も高重心になる。
長さと曲げにくさが7Wの弱点
ヘッドの特性とその機能を比較すると、7Wのやさしさがよくわかる。曲がりにくいのだから“球を曲げる”操作性の評価は低くなるが、5番アイアンの上の距離を打つのであれば、多くのゴルファーは操作性を必要としないはず。むしろ、やさしさで選べば圧倒的に7Wに軍配が上がる。唯一の弱点は“長さ”が長いことによる“当てにくさ”と言えそうだ。
キャリーで飛ばす7W 風に強い弾道のUT
ロフト角は同じでも7Wは、より重心深度が深くなるため、インパクトロフトが増加しやすく、低重心でもフェース面上のスイートスポットは高くなるため、打ち出し角は高く、バックスピンもかかりやすい。7Wは高弾道でキャリーが出てランは少ない。UTは風に強い中弾道で適度にランが出る球筋になる。
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FW・UTをうまく使いたい! ワンポイントレッスン&ドリル
5番アイアンの上の番手となるショートウッドやユーティリティが苦手という人のために、試打を行った高橋プロがワンポイントレッスン。新兵器を自分のものにしよう。
トップでクラブヘッドを高い位置に上げない
5番アイアンでは届かない距離を打つので、飛ばそうとする意識が強いとクラブを思い切り振り上げたくなりますが、これが曲者。トップの位置が高くなれば入射角も急になりやすい。コンパクトなトップから大きなフォローを意識すれば自然と入射角が浅くなり、ミート率も上がります。
緩やかな入射角なら、多少ダフリ気味でもヘッドの性能で球が上がる、つかまる!
FWやUTは入射角が鍵!
ヘッドを滑らせればクラブの性能が生きる
7WやUTは、ミスヒットに強く低重心で球が上がりやすいことがメリットです。つまり多少打点がブレても、フェースの下側でヒットしても、球が上がって曲がらずに飛んでくれることがロングアイアンとの違いです。この特性を生かすのがいわゆる“はらい打ち”。入射角を浅くしてヘッドを滑らせるように振ればオートマチックに球を飛ばしてくれます。
平行素振り
クラブヘッドを胸の高さに保ち地面と平行に振る“平行素振り”をすれば、低く長いヘッド軌道の感覚が身につきます。
5番アイアンの上はコレでばっちり! 高橋プロのオススメセッティング
5番アイアンの上は7Wがオススメ!
今は、つかまり過ぎや、上がり過ぎのない7Wも増えていますから、5番アイアンでは届かない距離のショットでミスを減らすことを基準にすれば、どんな人にも21度のUTではなく7Wがオススメです。
7Wだとどうしても上がり過ぎる、つかまり過ぎる、うまく当たらないという人は21度UT
5番アイアンの代わりに9WやUTでもOK
5番アイアンの上は7Wが基本。どうしても7Wが苦手という人は21度UTがオススメですが、5番アイアンをもっとラクに打ちたいという人は、25度前後のUTや9Wを入れてアイアンは6番からのセッティングもいいでしょう。
高橋良明
(たかはし よしあき)1983年生まれ、37歳、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属、ツアーにチャレンジする傍ら、ゴルフメディアでの試打テスターも務め、毎年ニューモデルを打ち続けているベテランテスター。
撮影協力/サザンヤードCC(茨城県)
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