ゴルフクラブのセットは14本も必要か?
重箱の隅、つつかせていただきます|第14回
スイング、ゴルフギア、ルールなどなど……。ゴルフに関わるすべての事柄の“重箱の隅”をゴルフライター・戸川景が、独自の目線でつつかせていただくコラムです。
GOLF TODAY本誌 No.592/70ページより
戸川景
とがわ・ひかる。1965年3月12日生まれ。ゴルフ用具メーカー、ゴルフ誌編集部を経て㈱オオタタキ設立。現在、ライターとしてゴルフのテーマ全般を手掛けている。
ゴルフクラブのセットは14本も必要か?
ここ数年、ラウンド時のキャディバッグには12本しか入れていない。ルールで許されているから、もう2本加えることはできる。だが、現時点でその必要性をまったく感じないのだ。
もちろん、ひと昔前までは14本で回るのが当たり前、1本でも減らすのはもったいない、と普通に考えていた。だが、ラウンド数が月イチ未満になり、体力と気力の低下も進むと、14本は使いこなせないな、となっていった。
まだ50代、弱音を吐くには早すぎると怒られそうだが、このコロナ禍で、今年もラウンド数を増やせそうにない。といって、気の利いた練習場まで足を運ぶ気にもなれない。単純に、上達へのモチベーションが失せて、ゴルフへの取り組み方が〝雑〟になっているのだとは思う。
で、なぜ14本使いこなせないという感覚になるのかというと、ロングショットの精度がガタ落ちになったからだ。
年齢的なものも含めて、ヘッドスピードが落ち、全体に飛距離が落ちるだけなら番手は減らさなくてもいいと思う。たとえば10〜15ヤード刻みだった飛距離差が、7ヤード刻みになったとしてもプレーに支障はないと思う。
私の場合は別で、ロングショットの自信が本当になくなってしまったのだ。別に、空振りするとかチョロが頻発するわけではないが、当たりのバラツキがひどすぎる。前後左右に20ヤード以上ブレることがザラなのだ。
この感覚、自転車にたとえてみよう。乗る機会が激減しても、普通にペダルを漕いで走ることはできる(球には当たる)。だが、細い砂利道でスピードを出そうとするとハンドルを取られて転ぶ、といったところだろうか。
そんな状態なので、ショートアイアンとウェッジはそこそこ打てるが、UTやFWは数を入れても無駄。基本のフルショットで打ち分けられる自信がない。
私が現在苦手としている、160〜200ヤード前後のセカンドとかパー3は、グリーンに乗らなくていいから近くへ行ってくれ、という感じ。だから、どう打っても15〜20ヤードぐらいの飛距離差が出そうな3本をセッティングするほうが、いろいろ割り切れてラクなのだ。
というわけで、ドライバーとパター、ウェッジ3本、アイアンを6〜9番の4本、計9本を固定レギュラーとして、残り3本枠にFWとUTを適当に組んでいる。
さらに、次のラウンドから少し試そうと思っているのが〝番手外し〟だ。
5月のミズノオープンでジュビック・パグンサンが11本で優勝したときのインタビュー記事の中に「6番が必要な場面は5番で、8番は9番で代用できる」というコメントがあった。これをちょっと深読みして、つかまりにくい長い番手はカットして距離を加減できるし、つかまる短い番手はフックで足せる、と捉えてみた。
実は、最近は斜面とか、アドレスをアレンジする場面のほうがミスは少ない。ラウンド数、練習量が減った結果、ノーマルな平地ほどアドレスの〝締まり〟がなくなって、ポカが出ているような気がする。
その意味で、わざとカット、フックを打とうとするほうが上手くいくような気がしている。本来使いたい番手の1つ前後の番手を選んで、曲げてみる。スコアは二の次でショット1つ1つを楽しもうという考えだ。競技志向系の人には呆れられそうだが。
とはいえ、さらに番手を減らして9本で回ろうとかは考えていない。同伴者やキャディさんにスカスカのバッグをヘンな目で見られたくないし、使う番手は自分で選べばいいだけだからだ。
Text by Hikaru Togawa
Illustration by リサオ
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