57歳デービースが全英女子で予選通過! 気になるメジャー年長予選通過記録は!?
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全英女子オープンで57歳のローラ・デービースが予選通過を果たした。正確には57歳と319日。メジャーでこれを上回る年長予選通過記録は存在するのだろうか?
57歳デービースが全英女子で予選通過! 気になるメジャー年長予選通過記録は!?
デービースといえば大きな体から他を圧倒するようなパワフルなショットを放つ姿が印象的。1980年代から90年代にかけてメジャーで4勝を挙げ、一時代を築いた。
そのデービースが通算130回目のメジャー参戦となった全英女子オープンで見事に予選を通過した。初日は74だったが2日目は7バーディを奪って70をマーク。通算イーブンパーの45位で決勝ラウンドに進んだのだ。
決勝ラウンドでは大きく崩れて最下位の66位に終わったが57歳319日での予選通過は称賛に値する。4日間の平均飛距離は267.0ヤード。これは優勝したアンナ・ノルドクビストの258.0ヤードを大きく上回っている。決勝ラウンドに進んだ日本勢4人の中でデービースより平均飛距離が上だったのは畑岡奈紗(270.0ヤード)だけ。パワフルさは健在だ。
では、女子メジャーにおいて今回のデービースより年長で予選を通過した選手はいるだろうか。実は、すごい記録の持ち主がいるのである。
「ビッグ・ママ」のニックネームを持ち、賞金女王3回、米女子ツアー通算43勝の実績を誇るジョアン・カーナーは2004年のクラフト・ナビスコ選手権(現・ANAインスピレーション)で何と64歳にして予選を通過しているのである。
しかも、これだけではない。この5年前、1999年のデュ・モーリエクラシックでは60歳で、1998年のナビスコでは58歳で予選通過と、デービースより年長での予選通過を3回もやってのけているのだ。1998年のナビスコでは58歳にして18位。恐るべしである。
全米女子プロゴルフ協会創設メンバーの1人であるマリーン・ヘッジも59歳で参戦した1993年のナビスコで予選通過している。ヘッジは13歳で出場した全米女子オープンで14位に入っており、これは今なお残る大会の最年少予選通過記録。初めての予選通過から46年後にも決勝ラウンドでプレーしたというのもすごい。
今回のデービースのパワフルさを見ていると、まだやってくれそうな気がする。ぜひ、カーナーの偉大な記録に挑んでもらいたい。
女子メジャー主な年長予選通過
選手 | 記録 | 大会 |
---|---|---|
ジョアン・カーナー | 64歳358日 | 2004年クラフト・ナビスコ選手権 |
マリーン・ヘッジ | 59歳38日 | 1993年ナビスコ・ダイナショア |
ローラ・デービース | 57歳319日 | 2021年全英女子オープン |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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