ゴルフクラブのグリップの握り方|左手・右手でどう握る?【画像】
ゴルフクラブのグリップ(握り方)は基本的に以下の3つで構成されます。
1. 左右の手の重ね方(オーバーラッピンググリップ、インターロッキンググリップ、ベースボールグリップ)
2. 手のどの部分で握るか(指、指の付け根、手のひら)
3. 手をどの向きにするか(ウィークグリップ、スクエアグリップ、ストロンググリップ)
上記に紹介した方法から自分が握りやすいカタチ、自分にとってマッチするカタチを選び、その方法で握ればよく、正解はありません。
撮影協力/埼玉県所沢市「インドアゴルフKF24」
ゴルフクラブのグリップの握り方
ゴルフのグリップの握り方は前述したように、あなたにとってよいと思えるものなら、どんな握り方を採用しても問題ありません。ただし、どのような握り方にも共通する大切なポイントがありますので、以下に紹介します。
- 左右の手を密着させて一体感を出す
- 指と指の間に隙間をあけないようにする
- 握る強さは最大を10としたとき3〜4程度の強さで握る
【1.】ですが、両手の一体感がないと、クラブをバランスよく振ることができないために注意してほしいポイントになります。ゴルフはクラブを両手で持つため、一方の手だけに力が入ってしまったり、一方の手だけが理想とかけ離れた動きをしてしまうことがあります。そのようなことを避けるためにも一体感のある握り方が大切になります。
【2.】も【1.】と似ていて、指と指の間が開いて隙間があると、一体感が失われるため、うまくクラブを振ることができなくなります。
【3.】ですが、クラブを握るときの強さはできるだけソフトにするのが基本です。ぎゅーっと強く握ってしまうと、スイング中にフェースがターンしずらくなり、ボールがつかまりません。それを避けるためには、クラブがすっぽ抜けない程度の強さで握ればよいのです。
グリップの左手の握り方
ゴルフのグリップは基本的に右打ちの場合、左手が主になります。そのためまずは左手をどのように握るか決めて、その後、左手の握り方に合わせて右手を添えるようなイメージで握ります。
- 親指の位置・目印
- 左手のどこでグリップを握るか
- 左手の親指の握り方の種類
- 左手のグリップの握り方の種類
親指の位置・目印
左手の親指はゴルフのグリップを握らずに、載せるもしくは添えるようにするのが基本になります。
そしてウィークグリップの場合はグリップの真上に。スクエアグリップの場合はグリップの真上よりも少し右側に。ストロンググリップの場合はグリップの右側に置く、もしくは添えるようにします(自分から見た場合)。
握らない理由ですが、ぎゅっと握ってしまうと圧力が強くなりすぎて、スイングしたときにヘッドが走らなくなるためです。
-
ウィークグリップは左手親指をグリップの真上
-
スクエアグリップは左手親指をグリップの真上より少し右側
ストロンググリップは左手親指をグリップの右側に添える
左手のどこでグリップを握るか
前述したようにゴルフのグリップ(握り方)は3つから構成されています。まずは左手のどの部分で握るのかについて紹介します。どの部分で握っても間違いではありませんので、自分にマッチしたものをチョイスしてください。
左手の指で握る「フィンガーグリップ」
指を主体にして握る「フィンガーグリップ」
左手の握り方ですが、指を主体にして握る方法を「フィンガーグリップ」といいます。
フィンガーグリップは「指」という繊細な部分を主体にして握るためアプローチショットのように、デリケートなタッチが求められるときに威力を発揮します。
また、スイング中のフェースコントロールがしやすい握り方なので任意にボールを曲げたい人にはマッチした握り方といえます。
左手の手のひらで握る「パームグリップ」
手のひらを主体にして握る「パームグリップ」
左手の手のひらを主体にして握る方法を「パームグリップ」といいます。
パームグリップは「手のひら」を主体にして握るためスイング中、クラブが安定します。非力な女性や年齢とともに握力が落ちてきたと感じる方で、スイングしたときにクラブが暴れて不安定と感じる方にはおすすめです。
また飛距離よりも方向性を重視したショットを打ちたいと考える人にもマッチします。
左手の指の付け根で握る「セミフィンガー」
指の付け根を主体にして握る「セミフィンガーグリップ」
左手の指の付け根を主体にして握る方法を「セミフィンガーグリップ」といいます。
セミフィンガーグリップは前述したフィンガーグリップとパームグリップの中間で握るため、双方のよい部分を得ることができます。
飛距離アップもしたい。方向性重視のショットも打ちたい。どちらも手に入れたいと考えるなら、まずはこの握り方を試してみましょう。
左手の親指の握り方の種類
左手の親指はゴルフのグリップに載せたり、添えたりするようにするのが基本です。
そしてその際親指は、詰めて載せる(添える)方法と伸ばして載せる(添える)方法の2つに分かれます。
親指を縮めるように握る「ショートサム」
親指を縮めるように握る「ショートサム」
左手の親指を縮めて、詰めるようにしてグリップに載せる(添える)のことを「ショートサム」といいます。
載せるときの方法ですが、親指の腹の部分だけがグリップと接触するようにすればよいのです。
ショートサムは親指とグリップの接触面積が小さいためスイングしたときにヘッドがスピーディーに走り、飛距離アップに適しているといえます。
親指をシャフトに沿って握る「ロングサム」
左手の親指を伸ばしてグリップに載せる「ロングサム」
左手の親指を伸ばしてグリップに載せる(添える)のことを「ロングサム」といいます。載せるときの方法ですが、親指全体がグリップと接触するようにすればよいのです。
ロングサムは親指とグリップの接触面積が広いためスイングしたときにヘッドが暴れにくい特性があります。
確実にミートしたい人や方向性を重視したショットを打ちたい人には適しているといえます。
左手のグリップの握り方の種類
3つから構成されているグリップの握り方の2つ目は、左手をどの向きで握るかです。
これも自分にとってマッチした向きで握れば問題ありませんが、それぞれに特徴がありますので、それを紹介しましょう。
ドロー系が打ちやすい「ウィークグリップ」
左手の甲が目標方向を向く「ウィークグリップ」
左手の甲が目標方向を向くグリップ(握り方)を「ウィークグリップ」といいます。
ウィークグリップは手首の動きを積極的に使ってスイングしたい人やインパクト時にしっかりリストターンを行ってボールをアクティブにつかまえてドローボールを打ちたい人に向いています。
またアプローチなどのデリケートなショットでスピンコントロールしたいと考える人にもおすすめです。
フェード系が打ちやすい「ストロンググリップ」
左手の甲がほぼ真上を向く「ストロンググリップ」
左手の甲がほぼ真上を向くグリップ(握り方)を「ストロンググリップ」といいます。
ストロンググリップは手首の動きをできるだけ抑えてカラダの回転を主体にしたスイングをしたい人やインパクト時のリストターンやフェースローテーションをできるだけ行わずフェードボールを打ちたい人に向いています。
またジュニアゴルファーや非力な女性、年配者にもおすすめです。
まっすぐ飛ばしやすい「スクエアグリップ」
まっすぐ飛ばしやすい「スクエアグリップ」
先に紹介した「ウィークグリップ」と「ストロンググリップ」の中間を向くグリップ(握り方)を「スクエアグリップ」といいます。
スクエアグリップはウィークグリップとストロンググリップの双方のメリットを得られるため老若男女を問わず万人におすすめできます。
またストレート弾道が打ちたいのであれば、この握り方でスイングを覚えるのがもっとも近道でしょう。
グリップの右手の握り方の種類
3つから構成されているグリップの握り方の3つ目は右手をどのように握るかです。
左手と重ねる。重ねない。指を絡める。この3つが基本で、これも自分にとってマッチした握り方で問題ありません。それぞれの特徴を紹介していきましょう。
- オーバーラッピンググリップの握り方
- インターロッキンググリップの握り方
- テンフィンガー(ベースボールグリップ)の握り方
オーバーラッピンググリップの握り方
小指を左手の人差し指と中指の間に重ねる「オーバーラッピンググリップ」
右手の小指を左手の人差し指と中指の間に重ねるように置くグリップ(握り方)を「オーバーラッピンググリップ」といいます。
オーバーラッピンググリップはもっともオーソドックスかつスタンダードな握り方です。
スイングするときに左腕を主体にしてクラブを振りたい人にはとてもおすすめの握り方ですが、右手は重ねているだけなので、人によっては両手の一体感が不足すると感じる人もいるでしょう。
インターロッキンググリップの握り方
右手の小指を左手の人差し指に絡める「インターロッキンググリップ」
右手の小指を左手の人差し指に絡めるグリップ(握り方)を「インターロッキンググリップ」といいます。
インターロッキンググリップも、先のオーバーラッピンググリップと並んでオーソドックスかつスタンダードな握り方です。指を絡めて握るため、オーバーラッピンググリップよりも一体感が強くなります。
タイガー・ウッズがこの握り方を採用していたせいか、若い世代のプレーヤーはインターロッキンググリップの人が多めです。
テンフィンガー(ベースボールグリップ)の握り方
野球のバットを握るようにする「ベースボールグリップ」
右手と左手を重ねることも、指と指を絡ませることもしないで、野球のバットを握るようにするグリップ(握り方)を「ベースボールグリップ(テンフィンガーグリップ)」といいます。
テンフィンガーグリップのプレーヤーは非常に少なくアブノーマルな握り方といえます。重ねたり、絡めたりしないため両手の一体感をだすのが難しい側面があります。
グリップを握る時の手首の角度
どのようなグリップ(握り方)をするにしても、アドレスしたときには、多少なりとも左手首に角度がつくのが一般的です。
ウィークグリップで握るとコック方向にもヒンジ方向にもあまり角度はつきませんが、ストロンググリップで握るとヒンジ方向に比較的大きな角度がついて左手首は背屈します。
手首の角度は握り方だけでなく、クラブのライ角やアドレスのカタチによっても変わるため、一概によい角度というものはありません。
棒立ち気味のアドレスでハンドアップに構えれば、ストロンググリップでも左手首に角度はつきません。また深い前傾のアドレスで、ハンドダウンに構えれば、ウィークグリップでも角度がつきます。
要するにその人にとってバランスのよいアドレスを作ることができれば、手首の角度は自然でよいのです。
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グリップを長く持つ・短く持つ握り方の違い
グリップの端いっぱいまで長く持つプレーヤーもいれば、グリップの端を余らせて短く持つプレーヤーもいます。長く持っても短く持っても、その人にマッチすればどちらでもかまいませんが、それぞれの特徴がありますので、ここで紹介しましょう。
端いっぱいまで長く持てばそれだけ遠心力が増すので飛距離アップの期待がもてます。トレーニングなどを行ってヘッドスピードをアップさせる時間的余裕がないのであれば、ふだんより長く持つのもアリでしょう。
端を余らせて短く持てばミートする確率が高まり、ミスショットを減らすことができるでしょう。曲げたくないのであれば、試してみてください。
パターのグリップの握り方
パターはヘッドの形状がさまざまなのと同様に、グリップの握り方もさまざまです。
一般的な握り方といわれているものはありますが、アブノーマルな握り方のプレーヤーもたくさんいるため、正解というものはなく、あなたにとって握りやすければ、それでよいのです。
- パターグリップの握り方の基本・ポイント
- クロスハンドグリップの特徴と握り方
- クロウグリップの特徴と握り方
パターグリップの握り方の基本・ポイント
パッティングはとてもデリケートなショットです。そのためグリップの握り方も繊細なタッチがだせるものがベストといえ、基本かつポイントになります。
また感覚や感性は人それぞれなので、自分の感性等を重視して、それを活かすことができる握り方を見つける必要があります。
昔から「パットに型なし」といわれるように、構え方も打ち方も、そしてグリップの握り方も多種多様です。
そのためオーソドックスな握り方やポピュラーな握り方ばかりにとらわれず、あなたにとってベストな握り方でストロークすればいいのです。
クロスハンドグリップの特徴と握り方
左手が下になり、右手が上になる「クロスハンドグリップ」
パターのグリップは「レギュラーハンドグリップ」と呼ばれる右手が下、左手が上になるものが基本です。
「クロスハンドグリップ」はそれとは両手の位置が反対になる握り方で、左手が下になり、右手が上になります。
レギュラーハンドグリップは左手の指を右手の指に載せるのがある意味「決まり事」のようになっていますが、クロスハンドグリップは手の位置が反対ならばどのように握っても問題なく、決まり事はありません。
野球のバットのように握っても、ドライバーやアイアンのように指を絡めて握っても、あなたの好きなように握ればよいのです。
クロウグリップの特徴と握り方
親指と人差し指のV字の間をグリップに添える「クロウグリップ」
クロウグリップは、右打ちの場合、左手はレギュラーグリップの位置で握り、右手は親指と人差し指で「V字」を作り、V字の間をグリップに添えるアブノーマルなスタイルの握り方です。
左手だけでパターを握っているため、レギュラーハンドグリップやクロスハンドグリップより手を使う感覚を抑えることができ、不意に指先に力が入ってしまい引っかける…といったミスを防ぎやすい握り方です。
また「振り子のように打ちたい」と考える人には適しているといえるでしょう。
自分に合ったグリップの握り方を見つける方法
自分に合ったグリップ(握り方)を見つけるには、3つの構成要素をすべて試してみて、ショットがもっとも安定するものを選べば間違いありません。
とはいえ、初心者や100切りを目指すレベルの人は任意にボールを曲げるショットは打てないため、指の付け根で握る。スクエアグリップで握る。インターロッキングで握る。このグリップ(握り方)をまずは試してみてください。
ジュニアや非力な女性、高齢者ならば手のひらで握る。ストロンググリップで握る。インターロッキングで握る。このグリップをおすすめします。
いろいろ試してみたものの何がマッチするのかわからないならば、インストラクターからアドバイスしてもらいましょう。
■解説者プロフィール
宮川岳也(みやかわ たけや)
ゴルフ雑誌編集記者を経てフリーのゴルフライターに。レッスンやギアはもちろん、ゴルフの歴史などにも精通。また、無類のスイングマニアで、スイング理論が大好き。ここ数年は競技ゴルフに明け暮れ、毎日の練習を自らに課している。
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